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Asian Film Foundation 聖なる館で逢いましょう

アジア映画に詳しくなかった私がアジア映画を観てます♪
ネタバレはできるだけ避けております…(ㆆᴗㆆ)*✲゚*。⋆

 

 

 

1月2日から、「未体験ゾーンの映画たち2026」が開催中ですNEW

 

未体験ゾーンの映画たち2026

 

1月2日(金)から2月12日(木)までの6週間にわたり、全30作品の未体験映画を上映いたします。

韓国発のサスペンスホラー『鬼門』(2021年)もラインナップに入ってます叫び

 

 

 

1月9日から上映中ですNEW

 

YADANG/ヤダン

1月9日(金)公開『YADANG/ヤダン』公式サイト

 

大人の童話 この恋、青少年は禁止です!

【未体験2026】大人の童話〜この恋、青少年は禁止です!

 

 

 

1月16日から公開ですNEW

 

28年後... 白骨の神殿

『28年後... 白骨の神殿』公式サイト

28年後... 白骨の神殿 劇場情報

 

 

 

1月17日から公開ですNEW

 

ただ、やるべきこと

映画『ただ、やるべきことを』公式サイト











墨攻

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつも読んでいただき、ありがとうございます。

 

今日もアン・ソンギさんの出演した映画について書かせてください。

 

『墨攻』 ―― 何年も前に観ている作品なのですが、「難しい歴史映画だから、またあとで感想を書こう」とか思ってそのままにしてたんです。

実際、難しい映画だと思いますけど、昨夜、観返していて、素直に面白かったです。

ああ、こういう映画なのね…と思いました。

 

2006年に公開された『墨攻』は、故 酒見賢一さんの歴史小説、その小説を原作とする森秀樹さん(作画)、故 久保田千太郎さん(脚本)による漫画『墨攻』に基づいた映画。

 

やっぱり、私はオリジナルの小説も漫画も読んでいないんですが、少し調べさせてもらったところ、小説、漫画、映画でそれぞれ違いがあり、映画は独自のアレンジが加えられているそうです。

 

 

監督と主演が香港の方々なので、都合上、うちのブログではカテゴリーを「香港映画」にさせてもらってますが、映画『墨攻』は、中国の「华谊兄弟」と香港の「骄阳电影有限公司」が製作した、中国、香港、韓国、そして日本の合同プロジェクト…国際的な合作映画なんですね。

 

監督のジェイコブ・チャン(張之亮)は香港の映画監督、主演のアンディ・ラウやチン・シュウホウは香港、アン・ソンギさんやSUPER JUNIOR シウォンくんは韓国、ワン・チーウェン(王志文)やファン・ビンビンは中国出身、ニッキー・ウーは台湾出身。

 

キャストに日本人はいないようですが、撮影の阪本善尚さん、音楽の川井憲次さんが参加されてます。

 

そして何といっても原作が日本の小説と漫画。

これが日本の映画ファンとしては誇らしいところで、ある種、中国への「逆輸入」といいますか、中国の歴史を描いた日本の小説・漫画が、中国・香港の映画になるというのがいいですね。

 

そういう前提で、中国、香港、韓国、日本の映画人たちが集った合作映画、アジアの共同作業と友好関係を強く感じさせる映画作品だと思います。

つまり映画に国境はないし、また国と国でお互いの優れた映画芸術を称え合う気持ちも生まれるでしょう。

 

ジェイコブ・チャン監督は1995年にカナダで漫画『墨攻』と出会って映画化を決心し、2年後の1997年、版権を買い入れ、9年余りの時間をかけて映画化にこぎ着けたそうですね。

2005年9月24日、内モンゴルの草原で正式に撮影がスタートし、10月初旬、Ulan Butongの草原での大規模戦闘シーンの初の撮影では、たった1ショットに700人の野戦兵士が投入され、撮影時間は40時間以上に及んだのだという。

 

アクション監督は香港のトン・ワイさんですね。

 

 

春秋戦国時代の中国。

 

儒家と勢力を二分した「墨家(ぼっか)」という集団が存在した。

 

彼らの使命は、戦わずして、守ること。

 

時は紀元前370年

趙(ちょう)は10万の大軍で

幾手にも分かれて燕(えん)を攻めた

 

二国と国境を接する小国・梁(りょう)は

戦略的にも要衝の地にあり

ただちに趙軍の攻撃目標となった

 

孤立し、絶望の淵に立った梁王は

正義と平和を唱える墨家に助けを求めた

 

しかし、趙の先遣隊が二手に分かれ

梁に攻め入ろうとするその時になっても

墨家からの援軍の知らせは未だなかった

 

 ―― という導入部で、なんで趙が燕を攻めるのか、その過程で小国・梁をなんで攻めないとダメなのか、私にはわからないのですが…戦争とはそういうものだとして、巷淹中(こうえんちゅう)将軍率いる趙の大軍は梁城のすぐ前まで迫ってます。

梁としては、趙と戦うのか、降参するのかで迷っていて、解決のために墨家に助けを求めたわけですね。

 

でも音沙汰がないので諦めていたところ、一人の男がやって来た。

革離(かくり)さん=アンディ・ラウです。

 

こうして梁城の全軍の指揮権を預かった革離は、最も正しい方法で趙の大軍に立ち向かっていく…という話。

 

革離は梁とも趙とも無関係なようですが、墨家は助けを請われれば協力する、という立場なのでしょうか…。

 

無知な私にはいろいろ疑問や知らないことがあるんですけど、もう、それ言い出したらキリがないので、難しいことはスルーでいきますあせる

とにかく紀元前370年ということでその時代の中国がそうだったんでしょう。

私も多くはないけど、中国のそういった古い時代の戦争を描いた映画作品を観たことがありますし、『墨攻』にもそういう雰囲気があると感じました。

 

梁の王である梁王は何だかイヤな感じの人ですが、革離は梁のために全力を尽くし、梁王の息子・梁適や弓の名手・子団を始め、軍人たち、そして民間の人々の信頼を得て、趙の軍が諦めるまで城を守ることに集中していきます。

 

この映画は創作された歴史映画で、梁も架空の国なんだそうです。

 

 

革離を演じるのはご存知、アンディ・ラウ。

もともと香港映画に詳しくなかった私ですら、なぜかアンディ・ラウさんは昔から知ってたんですね。

そんな中で『桃さんのしあわせ』(2011年)を観て、絶対に嫌いになれない俳優さんです。

人柄的にもホントに素晴らしい方ではないですか。

 

『墨攻』の革離役を見ていて、やっぱりカリスマ性のある方だと思いました。

しかもイケメン。

 

 

趙軍を率いる巷淹中将軍役がアン・ソンギさんです。

 

韓国の俳優さんなのに巷淹中役をアン・ソンギさんがオファーされた理由もよくわかる気がします。

 

趙という国はつまり、他国を侵略しているわけで、よほどの理由があってもやっぱり趙が悪い。

が、巷淹中は高潔で誇り高き軍人です。

ただ、軍人として戦いに楽しみを感じるところはあるようです。

 

巷淹中は革離という人物と出会い、手応えを感じたんでしょう、いわばライバル、戦うに値する対戦相手として認めるんですよね。

こういう将軍の役ですので、さすがにアン・ソンギさん、かっこいいですよ。

 

今回、観てて確認しましたが、アン・ソンギさんの声は地声、アン・ソンギさん自身の声です。

でも中国語を話してるんですよね。

セリフの数も決して少なくありません。

 

そのことについてですが、ありがたいことに当時のインタビューがまだ読めます。

 

韓国国民俳優アン・ソンギ『墨攻』を語る

 

この中で中国語のセリフについても語っておられます。

そうやって中国語で演技されたんですね。

 

アン・ソンギさんとアンディ・ラウ…また一緒にお仕事してほしかったですね。

 

 

騎馬隊の逸悦という女性キャラクターが登場します。

何となく、この人は映画化のために生まれたキャラじゃないかと思いますが、確かに、一人くらい女性が出てきた方が良かったように思います。

 

逸悦は共に戦う中で革離のことを好きになります。

革離も心の中では彼女を愛し始めていたと思います。

でも革離は梁VS趙のバトル中は、決してものを受け取らない無欲を貫いてますし、もしかすると墨家の人たちはジェダイみたいに一人の女性に執着してはならないのかもしれない。

 

そんな革離への逸悦の気持ちも、ちょっと気の毒ではあるけど、映画の中のメロドラマ風味の場面は若干、「ダレ場」に感じてしまいました。

いろいろあって革離にとって逸悦は「愛する人」となっていたのですが、映画の最後、もうちょっと演出的に何とかしてほしかった気がしました汗

 

逸悦を演じるのはファン・ビンビン。

 

 

好きの気持ちが燃え上がったのか、映画ではなかなか積極的です。

その気持ちもわかるんですけど。

 

ファン・ビンビンの主演作としては私、2023年の『緑の夜』を強くオススメできます。

 

 

梁王を演じるのは浙江省、奉化市出身のワン・チーウェン(王志文)さん。

 

この梁王がもともと、臣下と相談して墨家に助けを請うているわけですが、ま~、アカン人あせる

最初から急性アルコール中毒でブッ倒れてるし。

確かに、王としては自分以上に民の人気を得る人物が許せないのかもしれないけど、後半はやることなすこと最悪で、顔もムカムカくるのだった。

 

 

梁の王子・梁適役はSUPER JUNIORのシウォンくん。

この映画のために中国語を学んだんですね。

 

梁適は原作とはキャラがまた違うそうですが、映画では革離のやり方に感動し、彼を尊敬していくピュアな王子様。

 

 

おそらく、梁の軍の中でもガチガチの実力派、弓の名手の子団将軍。

この方、かっこよかったですね。

 

なのに、王がアホで傲慢だったゆえに酷い目に遭い…こういう人こそ引き立てて重んじなアカンのに、ホンマに王がポンコツ。

 

子団将軍を演じるのはニッキー・ウーさん。

 

それと、梁王の側近で故 ウー・マさんも出てはりました。

 

 

あと、趙の高賀用将軍が、サモ・ハンさんの息子のサミー・ハンなんですが…小さな役なので気づかんかったなあせる

 

 

映画としてはまず、城にこもって攻めてくる敵と戦うっちゅう、そのバトルですけど、前回の記事で書かせてもらった『MUSA 武士』(2001年)とも重なるものがありますね。

『武士』でも砦にこもって戦ってましたから。

 

その意味合いで、韓国映画の話ですが、2018年の『安市城 グレート・バトル』なんかも私は思い出しました。

『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』(2002年)や『王の帰還』(2003年)もありますね。

 

洋の東西を問わず、城を攻める、城を守るという状況の戦争映画ね…上から石を落としたり、熱湯を浴びせたり…逆に梯子をかけて侵入したりね…『ジャンヌ・ダルク』(1999年)でも同様の場面がありましたが、やはり凄惨なものでした。

あと、最近、私の中で思い出されてまた観たくなってるんだけど、チャン・イーモウの『グレートウォール』(2016年)…あの映画もありました。

 

『墨攻』ですが、時間をかけてこっちが疲れきるほど、もうちょっとやってくれても良かったかな…。

若干、もの足りなく感じました。

やっぱり『ロード・オブ・ザ・リング』の存在は大きいですよ。

 

でも、エキストラを動員したモブ・シーンはかなりの迫力でしたね。

そういうのって中国映画のいいところだと思います。

 

趙軍の攻め方も怖くて良かったです。

 

あと、尺の関係もあるのか、梁の庶民たちの「裏切り」と、その「裏切った者たちを見つける」場面がちょっとわかりにくかったな。

理解できたら、すごくいい場面だったと思うんですけど。

 

 

💥ネタバレ💥

 

で、ず~っと行って結末ですが ―― 『墨攻』は「怖くて悪い趙が気の毒な梁を脅かす話」だと思って観てたら、違うんすよあせる

確かに「侵略してきた国に立ち向かう映画」なんですけど、結論としてはホント、梁の王とその取り巻きがホンマにどうしようもない愚かもんだったっちゅう映画なんですよあせる

 

いや、ホント、誰よりも梁王がクズだったという…そういうイヤな結論でした。

う~ん、どうだったら良かったのだろうかあせる

 

とにかく私はもう、梁王がイヤでムカムカきましたね。

 

この結末は映画オリジナルなようですが、やっぱり戦争とか政治の構図とは、こういう虚しいものなのだろうか。

そんなふうに感じました。

明白に革離の考えが正しいと思うのですが、それでも梁王があそこまでイヤな人物だと予想はできなかったのかなあ。

革離が気の毒…。

 

巷淹中将軍にしても、立派な方ですが、ああまで戦いに準ずることはないと私は思うのですが…。

 

もう一つ、逸悦のことですが、ちょっとわかりにくいんですね。

状況はわかるのですが、映画を観てただけでは彼女の生死が今ひとつ、わかりにくかったです。

でも、あとで考えてたんですが…中盤で趙の軍に追いかけられた革離と逸悦が川に飛び込みますよね。

あの時、溺れた逸悦を革離が介抱して助けましたので…「二度はなかった」ということかなあと考えて、とても哀しい気持ちになりました。

 

私は映画の結末から、戦争とは、人々を、軍人すらも不幸にするだけの限りなく虚しいものだと感じました。

革離の戦略や作戦はかっこよかったけど…それすらも愚かな王たちの前では敗北なんですよね…。

 

最後、革離は諸国を回って平和を説いたという…と説明されてますが、その気持ちが痛いほどわかる。

やはり戦わず、戦いを避け、平和であることが何よりなんですね。

 

 

アン・ソンギさんの出演作について書こうと思って、あらためて観た映画ですが、決してハッピーエンドでもなく、戦争かっこいい、勇ましいという作品でないのが、好感が持てました。

平和の大切さ、反戦の作品ですよね。

 

やっぱりアンディ・ラウとアン・ソンギさんかな。

でも憎たらしい梁王を演じたワン・チーウェンさんの腹立つ演技もホンマ良かったんですよね。

 

中国や香港の、このタイプの歴史系戦争映画、いいですね。

 

ジェイコブ・C・L・チャンの監督作としては、他にこういった作品があるようです。

 

 

 

1999年の香港映画『流星』は故 レスリー・チャン主演で、すごく良さそうな作品。

配信あります。

 

2014年の『白髪妖魔伝』はファン・ビンビン、ホァン・シャオミン主演…私の好きそうな感じです。

 

と、いうことで『墨攻』、あらためてちゃんと観て、とても良かったです。

 

今日も読んでいただき、ありがとうございます☆⌒(*^-゜)v




墨攻


墨攻
묵공
A Battle of Wits


2006年製作/133分/中国・日本・香港・韓国合作

公開
中国・香港・シンガポール:2006年11月23日
台湾:2006年12月8日
タイ:2006年12月28日
大韓民国:2007年1月10日

日本公開:2007年2月3日
配給:キュービカル・エンタテインメント、松竹

スタッフ・キャスト
監督・脚本 ジェイコブ・チャン

脚本:鄧子峻、李樹型、秦天南
原作 森秀樹 久保田千太郎 酒見賢一

プロデューサー(监制):徐小明

プロデューサー(制片):左潤北

撮影監督 阪本善尚

編集: 鄺志良(HKSE)
アクション指導 スティーブン・トン・ワイ
美術 イー・チェンチョウ
衣装 トン・ホアミヤオ
音楽 川井憲次

革離 - アンディ・ラウ (てらそままさき)
巷淹中 - アン・ソンギ (津嘉山正種)
梁王 - ワン・チーウェン (谷口節)
逸悦 - ファン・ビンビン (甲斐田裕子)
子団 - ウー・チーロン (宮内敦士)
梁適 - チェ・シウォン (竹若拓磨)
牛子張 - チン・シュウホウ
司徒 - ウー・マ
高賀用 - サミー・ハン    
東伯 - ユー・チェンフイ    
微祥 - シウ・シアントン    
蔡丘 - リン・ヨンジエン
李樹 - ワン・シュアンパオ    
李樹妻 - イエ・ホア

角色
演員 粵語配音(影碟) - 角色
劉德華(香港) 李學斌 - 革離
安聖基(南韩) 周志輝 - 巷淹中
范冰冰(中国大陸) - 逸悅
王志文(中国大陸) 陳永信 - 梁城王
吳奇隆(台灣) - 子團
崔始源(南韩) 陳欣 - 太子適
錢小豪(香港) 葉振聲 - 牛子張
午 馬(香港) 張炳強 - 梁國司徒
洪天照 - 梁城的將軍
于承惠 - 東伯
葉華

 

 

【1月に観た映画】

 

5日 デュエリスト(2005年) NOWHERE 情け容赦無し (1999年)

8日 MUSA 武士(2001年) シルミド SILMIDO(2003年)

11日 墨攻(2006年)