【追記】
1月2日から、「未体験ゾーンの映画たち2026」が開催中です![]()
1月2日(金)から2月12日(木)までの6週間にわたり、全30作品の未体験映画を上映いたします。
韓国発のサスペンスホラー『鬼門』(2021年)もラインナップに入ってます![]()
昨日 1月9日から上映が始まりました![]()
1月16日から公開です![]()
1月17日から公開です![]()
MUSA 武士
アンニョン(^-^)/
いつも読んでいただき、ありがとうございます…![]()
5日にアン・ソンギさんが亡くなり…私はアン・ソンギさんの出演作を観ています。
一昨日、8日、2001年の『MUSA 武士』を観ました…![]()
この作品はうちのブログでは感想の記事を書いてなかったので、今さらですが書かせてください。
『MUSA 武士』はご存知「CJ Entertainment」の配給、韓国と中国の合作作品で ――
準備から撮影まで5年を費やし、総投資額は700万米ドルにまで達した。
中国オールロケーション撮影でも話題となり、撮影期間は5ヶ月に及び、銀川、北京、河北省など中国各地で1万キロメートル以上をロケ撮影しました。
撮影スタッフは300名を超え、1回の撮影で4台のカメラと60台の車両が使用され、フィルム総量は30万フィート(約9万メートル)にも及んだ。これは通常の映画4本分の費用に相当します。
…ということだそうなので、当時の韓国映画として非常に冒険的な大作映画だったと想像できます。
韓国では2001年9月7日の公開されましたが、「アメリカ同時多発テロ事件」と重なり、それでも観客動員は250万人と推定されるそうです。
日本では2003年12月13日に公開されてるんですね。
当時、観られた幸福な方もおられるでしょう。
西暦1375年、高麗建国457年
中国では朱 元璋(シュゲンショウ)が明を建国し ――
元(蒙古)を万里の長城以北へと駆逐した
高麗と明の関係は親明派のコンミン王の死と ――
明の使臣の殺害事件により悪化
高麗は関係修復の使臣を南京へ送ったが ――
そのすべてが投獄された
と、いうことで、要するに高麗と明が険悪だったので、関係を修復しようと当時の首都・南京に、護衛の竜虎軍を伴った高麗使臣団を送ったが、到着したら「臨時の宿泊所」とやらに通され…いきなり攻撃モードで襲ってきた。
捕まった高麗使臣団の人たちは流刑地に送られることになり…その途中で一行はランブルファ将軍(ユー・ロングァンさん)率いる元軍に襲撃され、高麗使臣団の人たちも犠牲になってしまう。
しかしこれは明と元の諍いであったので、生き残った高麗人は助けられた。
使臣団の正使様も亡くなり、竜虎軍のチェ・ジョン将軍(チュ・ジンモさん)の決定で高麗へ帰ることになった使臣団。
だが過酷な砂漠の環境で、高齢の副使イ・ジホン様(ソン・ジェホさん)も亡くなり…副使様の奴隷でボディーガードだったヨソル(チョン・ウソンさん)は副使様のご遺体を高麗へ運ぼうとして、一行から外れる。
砂漠の中のお店に到着した高麗の一行。
チェ・ジョン将軍はそこで、ランブルファ将軍の軍が、朱 元璋の末娘であるプヨン(芙蓉)王女(チャン・ツィイー)を拉致していることを知り、明の信頼を取り戻すためにブヨン姫を奪還する。
が、朱 元璋に妹を奪い取られている元のクク様は、その復讐のため、ランブルファ将軍に何としてもプヨン姫を連れてくることを命じ、ランブルファ将軍はその命令を遂行しようとする。
こうしてブヨン姫を救出した高麗使臣団は、元軍との戦いが避けられなくなっていくのだった ―― という話。
実際に高麗から明に送られた使臣が戻ってこなかったという歴史に基づいて作られた物語だそうですが、もちろん私はどのくらい事実がベースにあるのかはわかりません。
ただ、映画は様々な要素で当時を再現しているそうです。
余談ですが、明の朱 元璋が皇帝になるまでを描いた映画作品に、サモ・ハン・キンポーさん主演の『デブゴンの太閤記』(1978年)があるそうで…歴史の勉強にもなるし、こいつぁ~観たいものだぜ![]()
『MUSA 武士』の音楽は日本の鷺巣詩郎先生が担当されているんですが、私、確かに、『MUSA 武士』といえばまず鷺巣先生の音楽が浮かびます。
タ~タララララララ~、タ~タララララララ~♩というメロディです。
鷺巣先生はこのあと、キム・ソンスさんが企画、チョン・ウソンさんとキム・テヒさんが主演した韓国映画『レストレス 中天』(2006年)の音楽も担当されてます。
こちらも観てますので、また感想が書きたいものです。
『MUSA 武士』ですが、何度も観ていたんですが、今回、アン・ソンギさん演じる隊正チン・リプに注目しながら観ていて、これまでで一番、楽しめたように思います。
『MUSA 武士』ではずっと主演俳優を続けてきたアン・ソンギさんが、初めて助演で出演した作品でもあり、、2001年青龍映画賞授賞式でアン・ソンギさんが男優助演賞を受賞 ―― この時、全客席からスタンディングオベーションが起こったそうです。
アン・ソンギさんは確かにこの映画では助演で、では主演は…というと、チョン・ウソンさん、チュ・ジンモさん、チャン・ツィイーさんということなるんだけど、この3人とアン・ソンギさんの比重はそんなに変わらない印象で、アン・ソンギさんも主演の一人という感触です。
また、通訳官を演じたパク・ヨンウさん、龍虎軍の別将を演じたパク・チョンハクさん、下級兵士を演じたチョン・ソギョンさんとユ・ヘジンさんも、助演として大きな役柄であり、キャラクターそれぞれのドラマがあります。
やや、群像劇の趣もあるのではないかと感じます。
話は、明のプヨン姫を元軍から奪ったことで、元軍に攻撃され皆殺しの危機に陥っていく、高麗使臣団、プラス、明の民間人たちの物語です。
で、団の副使様の奴隷だったヨソルですが、副使様に忠誠を誓い、お世話してきた人生だったのでしょう、何をおいても副使様という人だったんですね。
副使様も自分が亡くなる前、チェ・ジョン将軍に、もうヨソルは奴隷ではありません、人として扱ってください…と言い残すんですが、時代的に奴隷は死ぬまで奴隷と蔑まれる時代だったんでしょう。
イヤなことだけど。
そんなヨソルなので、副使様のご遺体を蔑ろにするようなヤツはあと先考えずに即、首を切断![]()
暴れ狂ってしまうわけですが、いや、アンタ、そんな殺人マシーンだったか![]()
ところが、その鬼神の如き暴れっぷりに、元のランブルファ将軍はいたく感激し「是非、自分の配下にこの男が欲しい」と考えてしまうし、プヨン姫もそのあまりのかっこよさに興奮して自分の護衛を頼んでしまうわけです。
で、ヨソルはプヨン姫を守り続けるんですが、プヨン姫はヨソルを好きになっていくんですよね…。
でも身分の高い姫なのでなんか屈折してるのよ…。
使臣団の最高責任者である、竜虎軍のチェ・ジョン将軍ですが、軍人の家系のようで…頭が固くてね~。
また経験もイマイチみたいで、団のみんなからは割と信頼を得ていないんですよ。
作戦もド下手。
私、最初に観た時、チュ・ジンモさんが役柄的にかっこよくないなあ~
って思いましたけど、そういうキャラなんですよ。
未熟で、でも独善的で…。
団の兵士たち的には経験があり、冷静で思慮深い、アン・ソンギさん演じる隊正の方にリーダーシップを任せたいって雰囲気になってて、それがまたチェ・ジョン将軍としては苛立ちが隠せなかったりするんですよね。
映画では、チェ・ジョン将軍の心の変化、人間の成長もあるんでしょうね。
チェ・ジョン将軍を支える龍虎軍の別将役はパク・チョンハクさん。
パク・チョンハクさんといえば『ビー・デビル』(2010年)の極悪DV亭主を筆頭に、イヤな感じの悪役を演じていることが少なくないんですが、『武士』では異様にかっこいいです。
ハリウッドだったらトム・サイズモアが演じたような、強い軍人なイメージ。
別将は別将なりに、チェ・ジョン将軍に対して思うところや、団のチームワークについても悩みがあったと思うんですが、やはり途中で隊正に任せてくださいと将軍に言わざるえないというかなりの気まずさ![]()
それでも別将は最後までチェ・ジョン将軍をフォローしていきます。
そういう、軍人らしいキャラクターもいいですよね~。
アン・ソンギさん演じるチン・リプ隊正は、いかにもアン・ソンギさんが演じる感じの冷静な人格者。
ナチュラルにかっこいいです。
下級兵士たちから信頼されていて、チェ・ジョン将軍と交代してほしいという雰囲気が充満してますが、隊正は差し出がましいことはしない方針です。
で、チャン・ツィイー演じるプヨン姫ですが、なんちゅうても生まれた時から姫として大事にされてきた女の子…なんで元軍に捕まってたかも、いっぺん自由が味わいたくてお城から抜け出してたそうなんすよ。
で、高麗の軍に守られて元から逃げてる間も、ぜんぜん姫っぷりが抜けてなくって、輿に乗って担がれて移動するのが普通だし、ハッキリ言って敵のターゲットなので超・足でまといなんですが、それでもまだ姫として威張っているふてぶてしさなので、とうとうヨソルからも人のいないところで「静かにしろ
…何でも自分の思い通りになると思うな」ときっつい言葉を投げつけられるのだった![]()
『武士』は、「自分たちを流刑地に送ろうとした国のお姫様を守って戦う映画」なんですが、そのお姫様がなかなか空気の読めない人だったばかりに不満が爆発寸前で一行の中からも大ブーイングが沸き起こってるのに、それでもまだ姫は家族が死んだ人に「褒美を取らせます」とかKY言って余計に炎上させてるし![]()
そりゃそういう立場の人なんでしょうけどね![]()
ついに明の民からも疫病神呼ばわり(>_<)
もうこの、周囲からの怒りを買いまくる姫の立場のいたたまれなさと、話が進むにつれて顔がこわばっていくチャン・ツィイーが最高の観どころではあるんですよね…![]()
チャン・ツィイーもえらい損な役を引き受けたな…と思いますが、彼女も1999年の『初恋が来た道』でデビューして、映画出演5作目ですか、頑張っていこうと思ったんでしょうね。
逆にこういう役で韓中合作映画に出た彼女がえらい。
で、ユ・ヘジンさんも不満がいっぱいで、姫の真横で盛大にイヤミを言いまくったりします。
その気持ちもわかるんですが![]()
またチョン・ソギョンさんは心の優しい役で、認知症が進むおばあちゃんに国に残してきた自分の母親を重ねて守るんですよね…。
チョン・ソギョンさんって好感度の上がる役が多いですよね。
好きやな~。
パク・ヨンウさんはこの映画の中で最も臆病な通訳官なんですが、明の子どもたちに慕われましてね…それもまたいい話なんです。
この映画でしか見かけないハン・ヨンモクくん演じるダンセンくんは、結婚5日目で身重の妻を国に残してきた役で、だからお腹の大きい女性に優しかったり…そのあたりもまた泣けますなあ。
敵のリーダーであるランブルファ将軍は中国のユー・ロングァンさんが演じられてますが、もちろんカンフーはありません。
中国のキャストをちゃんと起用するのがいいと思うんですが、モンゴルの将軍の役なのは、それで良かったのかな。
モンゴルの俳優さんだと、嫌がられたかもしれないですね。
ただ…映画をちゃんと観ると、ランブルファ将軍も決して悪人じゃないです。
彼は彼で王に逆らえない軍人です。
そして高麗では奴隷として虐げられていたヨソルの実力を見抜き、惚れ込むような人物。
一度、止めを刺されなかった借りも忘れない人です。
高麗使臣団の方も、姫を救出して元軍を迎え撃ってますし、これはどちらが正しいとは決めつけられないかもしれない。
最終的に、人々は生き残るため、そして自分の守るべきもののために戦いを強いられ…その凄惨な戦いに虚しさを感じます。
何とも言えない余韻が残る映画ですが、ハッピーエンドではないと思う。
戦うことの理由を考えると、やっぱり戦いはない方が良かったし、戦いがなければみんなが仲良くして、死なずにすんだ…そう思います。
プヨン姫も身分を超越してヨソルと結ばれたかもしれません。
この映画は戦いのかっこよさに興奮するより、戦いは虚しいものだと教えてくれる作品ですね。
ただ、アクション監督はチョン・ドゥホンさんですし、暴力的なまでのアクションはさすがに迫力で、今も圧倒されます。
キム・ソンス監督は、『武士』のあと、『英語完全征服』(2003年)を監督…そして2013年に『FLU 運命の36時間』…次に日韓合作の『ゲノムハザード ある天才科学者の5日間』(2014年)…さらに2016年、チョン・ウソンさん、ファン・ジョンミンさん主演の傑作ノワール『アシュラ』ですよ。
そして、2023年には特大のヒット作『ソウルの春』でした。
どう考えてもこれからの監督作に期待するしかないわけです。
『武士』は本国・韓国では上映時間158分なんですけど、海外ではインターナショナル・バージョンとして133分のバージョンが公開されてます。
日本では154分のオリジナル版が、「ディレクターズカット完全版」としてDVDでリリースされました。
今回、観返してみて、その完全版が気になってきました…。
2001年公開の古い映画ですが、今も韓国のアクション時代劇の傑作ですよね。
観ててきつい映画ですが…今回、観返して、やっぱりいい映画だと思いました。
まだ観られてない方は是非。
今日もありがとうございます、アンニョン☆⌒(*^-゜)v
原題:무사 武士
中国語題:武士
英語題:The Warrior / Musa the Warrior
2001年製作/133分/韓国
韓国封切:2001年9月7日
日本公開:2003年12月13日
配給:ギャガ=ヒューマックス
Producer:チョ・ミンファン、チャン・ハ
監督・脚本:キム・ソンス [第4作]
助監督:チョ・ドンオ、チャン・グムジョン
撮影:キム・ヒョング
照明:イ・ガンサン
編集:キム・ヒョン
音楽:鷺巣 詩郎
美術:カク・チョンソ
武術:チョン・ドゥホン
[出演]
アン・ソンギ → チン・リプ 隊正 主鎮軍 高麗弓の名手
チョン・ウソン → ヨソル 副使の奴隷で護衛
チュ・ジンモ → チェ・ジョン ヨンホ(龍虎)軍の将軍
チャン・ツィイー(章子怡) → プヨン(芙蓉)王女 明の太祖(朱元璋)の末娘
ユー・ロングァン(于榮光) → ラムブルファ将軍 元(蒙古)軍の指揮官
イ・ドゥイル → チサン 僧侶
パク・ヨンウ → パク・チュミョン 通訳官
パク・チョンハク → チョン・ガナム ヨンホ(龍虎)軍 別将(副将)
ユ・ヘジン → トチュン 主鎮軍
チョン・ソギョン → チャン・ハイル 主鎮軍
ハン・ヨンモク → ファン・ダンセン 主鎮軍
ソン・ジェホ → イ・ジホン 副使節 特別出演
輝国山人の韓国映画様から転載させていただいてます。
【1月に観た映画】
5日 デュエリスト(2005年) NOWHERE 情け容赦無し (1999年)
8日 MUSA 武士(2001年) シルミド SILMIDO(2003年)





















