哭悲 THE SADNESS (2021年) | Asian Film Foundation 聖なる館で逢いましょう

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ネタバレはできるだけ避けております…(ㆆᴗㆆ)*✲゚*。⋆

 

 

 

 

 

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哭悲 THE SADNESS

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

你们早ビックリマーク(^-^)ノ

いつも谢谢您ですキスマーク

 

うちのブログのカテゴリーに「台湾映画」があるんですが、韓国、香港、中国、そして日本の映画に比べて分類的に台湾映画を観れてません。

台湾出身の監督さんの映画や俳優さんの出演作は観ていると思うんですが、台湾の映画会社の作品は観てないようです。

私の作品選びなんですが、それがちょっと不思議です。

 

ただ、観た数が少ない分、『セデック・バレ』(2011年)、『タイムトリッパー 幻遊伝』(2006年)、『屍憶 SHIOKU』(2015年)、『五月の恋』(2004年)、そして『ラスト、コーション』(2007年)…観た作品のことはとてもよく覚えてます。

 

先月30日、『哭悲 THE SADNESS』を観ました…カチンコ

「容赦ないゴア描写で描いたパニックホラー」です汗

 

私のブログは、やっぱり読んでくださる皆様に喜んでもらえることを方針に書いてるんですけど、自分の観たい作風もありますので、この夏はホラーに力を入れさせてもらってますあせる

 

ってことで、台湾のホラーです。

 

これがまた、きっつい映画なんですよね~あせる

 

 

「哭悲」は「こくひ」と読むそうです。

公式Xさんによると〝これは声を上げて泣きながら嘆き悲しむという意味合いで、中国語読みですと「クーベイ」、これは台湾でよく使うクソっ!という意味合いの「靠北(カオベイ)」に引っ掛けているそう〟とのことです。

 

映画の舞台は台北です。

映画の設定では、インフルエンザに似た症状を引き起こすウィルス「アルヴィン」が流行しており、政府はウィルスの感染拡大を防ぐ対策に後ろ向きで、国民も、そもそもこのウイルスを「風邪のようなものだろう」とあまり気にしていない…。

しかし一部のウイルス学者は、このウイルスが変異して重篤な病いを引き起こす可能性があると懸念している。

 

つまりこれは現実の新型コロナウィルスに重なる状況なんでしょう。

 

 

ジュンジョー(廖俊喆)とカイティン(曾凱婷)は恋人同士で…ジュンジョーの部屋で二人は同棲してるのかな…そう見えました。

だってお隣に住むおじさんとも親しく顔見知りですので。

 

若い二人は仕事にも恵まれているようですが、ジュンジョーは旅行に行きたいのに、カイティンは仕事を理由に行きたくないという。

約束破りに怒るジュンジョーですが、とにかく仕事に行くのにカイティンにバイクで送ってもらいます。

 

と、ここまで書いてあらすじはやめます💦

 

 

実は私、多分、間違えてこの映画を観てるんですよ。

どなたかのレビューで知った台湾のホラー映画を観ようと思って、この『哭悲 THE SADNESS』を観たんだけど、間違えてたと思う…汗

観始めてすぐ、え~、こんな映画なんかいあせるって感じでした。

 

まだ観ておられない方々のためにどんな映画か説明させてください💥

 

まず、非常に残酷です。

その残酷さは殺人や性犯罪、人が人を襲う暴力の残酷さなんですね。

この映画はそういった残酷描写、暴力描写に非常に熱心な作品です。

 

CGではなく、特殊メイクと編集だと思うんですけど、ホントに観ていてショックだし、残酷なんですね。

 

だからそういう映画がイヤな方には絶対に向いてません。

私もホラー映画を観ますけど、この映画の残酷さはちょっとひと味って感じじゃなく、ホンマ、延々それなのであせる

 

また性的な描写や性的なセリフもあからさまで、非常に不愉快です。

 

演出もとにかく観客をイヤな気分にさせてきて、もう、イヤなものを見せたろという悪意すら感じるんですねあせる

 

監督さんは、この作品が初の長編監督作であるロブ・ジャバズさん。

カナダ出身、台湾在住の映画監督・アニメーターです。

監督はこの作品で「パンデミックを描くしかない」と考えたそうですが、そうは言っても、もともとが残酷映画を作れる人なんだと思います。

いろいろあっても普通、ここまではやりません汗

 

ただ、作品に監督が主張したかったテーマはあると思います汗

 

ここから内容に触れますので、知りたくない方はご注意ください。

 

けど念のため、超残酷で不快感100%な映画が大丈夫な方は何も知らずにチャレンジされた方がいいかもしれません。


こういう映画って何も知らずに観た方が絶対に凄いと思う…汗

 

 

主人公たちが気づかないまま、「アルヴィン」ウィルスが蔓延していき、それは人間の凶暴性を助長するウイルスでした。

 

感染し、発病した人たちは一気に普通でなくなり、欲望のおもむくままに他人を襲い、傷つけ、その肉を喰らってしまいます汗

そして性的欲望もあらわとなり、躊躇なく性犯罪に及んでいく。

 

たった半日かそこらで、社会がそんな地獄絵図になっていきます。

感染してない人は安全な場所を求めて必死で逃げます。

 

そういうパニックの状況で、必死に逃げるジュンジョーと彼女を助けに向かうカイティンの物語です。

 

100分の作品ですが、ウィルスの恐怖がスタートしてから最後までガガガガガ~と一気に突き進んでしまいますあせる

 

ただ、感染者がカニバリズムにまで及ぶのは…人間、そんなに人様の肉を喰らいたい欲望なんてあるのだろうか汗

私ゃ完全にゼロなんですけど~汗

 

 

監督の演出ですが、この「隣に座った人からしつこく話しかけられて、きつい・うざい」の場面なんか上手いですよね~。

ホンマ真に迫ってる。

そしてその関係を引っ張る引っ張る汗

 

この怖くてしつこい男性を演じた王自強、ジョニー・ワンさん…ホントにイヤでした…演技があせる

この役で映画を観た人たち全員から嫌われたんやろなああせる

もちろんお仕事ですがあせる

 

 

逃げ場のない地下鉄の車内で一気に大惨事になだれ込みつつ、女同士の結びつきが生まれていく場面…この映画で私が特に気に入った場面です。

「私を連れて逃げてくれてありがとう」

「この恩は忘れない」

そういうセリフが好きでした。

 

地下鉄でジュンジョーと出会う沈莉欣を演じた陈映如(Ying-Ru Chen)=アップル・チェンさん…演技がホンマいいです。

 

 

主人公たちは必死で逃げつつ、様々な場面に遭遇します。

 

感染した人たちはグチャグチャなのでどうしようもないけど、そういったパニック的状況においては、その人の本質が問われます。

 

ジュンジョーたちが逃げてるのにシャッターを閉めた警備の人を演じたのは黃略耕(Huang Lueh-Geng)さん…。

 

一つ、気になった描写に、警備の人が「異性に縁がないためスマホの待ち受けがオタクっぽいところ」というのがありました。

そういった描写の意味合いは何なのだろうかはてなマーク

「自分の立場だけ考えて人を見捨てるような臆病者はモテない」ってことなのかなあ。

気になりました。

 

同時に、警備の人と険悪になった沈莉欣も「異性に縁がなかったがそれに耐えていた」という設定ですね。

 

またジュンジョーをしつこく追い掛け回したあの初老の男性も、おそらく「性的に抑圧された人物」と見ました。

 

言葉はどうかと思いますが、ウィルス感染は「抑圧からの開放」とも言えるようです(ほぼゾンビなわけだけど)。

 

カイティンが出会う、大人の男性をいたぶりまくってた中学生くらいの少年たち4人ですが、多分あれは「生徒たちと先生」ではないだろうか。

「先生」はてなマークは…あの~、痛めつけられるのを好む「M」なのだろうか汗

 

そのあたり、やっぱり変態な映画だと思って、きつかったです。

 

そういえば昔、私が通った学校に、生徒を虐めることが大好きな教師たちがいたのを思い出しました…。

ああいう先生の内面とはどんなもんなんだろうか。

 

余談ですが、あと…台湾の人のハッキリ言う感じなのかもしれないけど…警備の人からスマホを借りたジュンジョーが警備の人と言い合いになって、また「私たちを見捨てたくせに」とかさっきのことを持ち出すのが、攻撃的だなあ、と思いました。

その場面でジュンジョーがきつい性格に見えたんですよね。

 

 

ウイルスによって、罪悪感を感じつつも欲望の歯止めがきかなくなり、したい放題に他人を襲うようになったことで、人間の本質が見えてくる…というテーマがあり、また、感染者たちに襲われる中で反撃する正当防衛女子もまた、同じように過剰な暴力に取り憑かれた変態だ…みたいな(あくまで怖い人が言ったことですけど)話はどうでしょうか。

 

それはダニー・ボイルの『28日後...』(2002年)の後半もそういった性悪説的な状況があったと思いますが、襲撃への抵抗すらも変態とみなすのに私は賛成ではありません。

非暴力と言ったって、襲われそう、殺されそうなのに何もせずに殺されるのが正しいとは思わないし、反撃、さらにかかってこれないようにやっつけるのは仕方がないことだと思います。

 

う~ん…監督はもっと深いテーマをこの映画で提示したのかもしれないけど、私は掴めなかったんですね。

 

確かに、親しかった隣人までが凶暴化して襲って来ることは恐怖ですし、その極限状況を映画で見せることが、すでに意義のあることですが、他人を思いやる、共感できるヒロインがああいった中で生き残るために戦うという行動はまた人として当然ではないだろうか。

 

ただオチは凄く良かったというか、グッときたんです。

そう来たか…と。

やっぱり性悪説というか、人間の本質は凶暴で性欲の塊だ…みたいなね、身も蓋もない話ですが、映画的にはここまでやったらああオチをつけるのが適切かなああせる

 

 

ホラー映画としてのコワ度はどうだろうか。

 

超残虐な映画ですが、私はそんなに怖くはなかったです。

同じ感染ものでもコワ度なら『ワールド・ウォーZ』(2013年)の方が私はずっと上でした、

 

う~ん…「怖く」はないかなあ。

不愉快で気持ち悪く、吐き気がして気持ちが沈んだんだけど、怖さで苦しいということはなかった。

 

そういう意味で『哭悲』はホラーではないですね。

 

ただ、映画としてパニックに襲われる台北の街を見れたのはホントに良かったです。

それが私にとってのこの映画の魅力でした。

 

 

主演のレジーナ・レイ(雷嘉汭)さん、ベラント・チュウ(朱轩洋)さん、とても良かったです。

 

 

こんなエグい映画に出演しまったのに、イベントとかでまだふざけてしまうヤケクソなサービス精神あせる

 

この映画…私は観て良かったけど、好きではないなああせる

 

でも、こういう映画もないとあきませんね!!

 

台湾の映画としては『無聲 The Silent Forest』(2020年)という作品も気になるのですが、内容的に観るのを躊躇います。

でも、いつか観たいです。

 

またオススメの台湾映画があったら教えてくださいね~。

 

 
 

そんなんで、今日も読んでくださり、谢谢您です~キスマーク

再见(^.^/)))




哭悲 THE SADNESS


原題:哭悲
英語題:The Sadness
韓国語題:곡비


2021年製作/100分/R18+/台湾
日本公開:2022年7月1日
配給:クロックワークス

監督・脚本・原案・編集 ロブ・ジャバズ Rob Jabbaz
Produced by Jeffrey Huang David Barker Wei-Chun Lu
製作総指揮 廬維君
撮影 バイ・ジエリー
音楽 TZECHAR


キャスト
カイティン(曾凱婷) - レジーナ・レイ (雷嘉納)
ジュンジョー(廖俊喆) - ベラント・チュウ (朱軒洋)
中年サラリーマン(陳嘉明) - ジョニー・ワン (王自強)
ウォン・ジャンリアン博士(翁彰良博士) - ラン・ウエイホア(藍葦華)
リンさん(林桑) - ラルフ・チウ(邱彥翔)
シェン・リーシン(沈莉欣) - アップル・チェン(陳映如)
老婦人 - 周之民
シエ・グオロン総統(謝国栄總統) - 蔡岸龍
将軍(將軍) - 劉昌翰

演员
朱轩洋 饰 廖俊喆(SOHO族)
雷嘉汭 饰 曾凯婷(俊喆的女友)
王自强 饰 陈嘉明(捷运乘客)
陈映如 饰 沈莉欣(捷运乘客)
邱彦翔 饰 林桑(俊喆和凯婷隔壁邻居,喜好园艺)
蓝苇华 饰 翁彰良(国立台湾大学医院病毒学主任、博士)
蔡岸龙 饰 谢国仁(中华民国总统)
刘昌翰 饰 将军 国防部长
蔡昌宪 饰 刘宇伦(主持人)
黄略耕 饰 杨博文(保全)
蔡承邑 饰 早餐店老板
周之民 饰 老妇人
吴沛修 饰 地铁壮汉
郑永岳 饰 捷运墨镜男
黄予婕 饰 女警

Cast
Berant Zhu as Jim
Regina Lei as Kat
Tzu-Chiang Wang as The Businessman
Emerson Tsai as Warren Liu
Wei-Hua Lan as Dr. Alan Wong
Ralf Chiu as Mr. Lin
Lue-Keng Huang as Kevin, MRT Employee
Ying-Ru Chen as Molly

 

 

 

 

 

 

8月に観た映画

 

1日 密輸 1970(2023年)

2日 姉のいた夏、いない夏(2001年)

3日 トリック「第8話 千里眼を持つ男…」「第9話 父を殺した真犯人」(2000年)

4日 トリック「第10話 真犯人はお前だ!!」(2000年) この世界の片隅に(2016年)

6日 ギャングスター

7日 アングスト 不安(1983年) KT(2002年) コックリさん(2004年) ホラー・ストーリーズ(2012年)

8日 モンキー・マジック 孫悟空誕生(2014年)

9日 レストレス 中天(2006年) シルミド(2002年) ブレイキング・ニュース(2004年)

10日 シャーク・テイル(2004年)

14日 ドラゴン・コップス 微笑捜査線 (2013) モンスターズ 地球外生命体(2010年)

16日 地球を守れ!(2003年) モンスターズ 新種襲来(2014年)

17日 クライモリ(2021年)

18日 オールド(2021年)

19日 TENET テネット(2020年)

21日 ニューノーマル(2023年)

23日 トンマッコルへようこそ(2005年)

24日 スタートレック(1979年) 告白、あるいは完璧な弁護(2022年)

26日 ローリング・ガール(2023年) スケアリーストーリーズ 怖い本(2019年)

27日 野良人間 獣に育てられた子どもたち(2018年) 黄龍の村(2021年)

28日 ソウルの春(2023年) ジュラシック・ワールド/炎の王国(2018年)

30日 笛を吹く男(2015年) 哭悲/THE SADNESS(2021年)

31日 残穢(ざんえ)―住んではいけない部屋―(2016年)

 

 

 

9月に観た映画

 

1日 メメント(2000年)

3日 ジュラシック・ワールド 新たなる支配者(2022年) クライモリ デッド・エンド(2007年)

4日 ボストン1947(2023年)

5日 ファーザー(2021年)

6日 誰も知らない(2004年)