メッセージ (2016年) ドゥニ・ビルヌーブ監督 | Asian Film Foundation 聖なる館で逢いましょう

Asian Film Foundation 聖なる館で逢いましょう

アジア映画に詳しくなかった私がアジア映画を観てます♪
ネタバレはできるだけ避けております…(ㆆᴗㆆ)*✲゚*。⋆

 

 

 

いつも、ありがとうさんです…(^-^)ノ

 

すんません、私の手違いで、ぜんぜん未完成の状態の記事が公開されていましたあせる

お詫び致します。

 

あらためて、ちゃんと書きましたm(_ _)m

 

 

ドゥニ・ヴィルヌーヴ Denis Villeneuve

 

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督 ―― 私はそのお名前を映画ブロガーさんたちの記事で知ったように思いますが、まず2017年の6月に『プリズナーズ』(2013年)を観ています。

犯罪映画でしたが非常に気に入った記憶があります。

 

決定的だったのは(何度も書いてますけど)2017年の『ブレードランナー 2049』で、この時、私は自分がドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の映画がとても好きなんだと気づいたんだと思います。

映画として『ブレードランナー』(1982年)は凄かったけど、その続編を撮ったドゥニ・ヴィルヌーヴ監督も凄い ―― そう思います。

 

そして2021年の『DUNE 砂の惑星』を観てより確信を深めました。

『DUNE 砂の惑星』は世界中のSF映画の中でも抜きん出た傑作で、私もホントに好きだったんですね。

 

嬉しいことに続編になる『デューン 砂の惑星 PART2』は来年3月、公開になるようで、これは絶対に劇場さんで観たいところです。

 

 

 

 

 

それで、10日に『ラッシュアワー2』(2001年)を観て、11日、『ラッシュアワー3』(2007年)を観る前にこの作品を観ました…カチンコ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メッセージ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ストーリー
突如地上に降り立った巨大な宇宙船。謎の知的生命体と意思の疎通をはかるために軍に雇われた言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)は、物理学者イアン(ジェレミー・レナー)とともに、“彼ら”が人類に何を伝えようとしているのかを探っていく。そして、その言語の謎が解けたとき、彼らが地球にやってきた驚くべき真相と、人類に向けた美しくもせつないラストメッセージが明らかになる――

 

 

異星人とのコンタクトを描いた米作家テッド・チャンの短編小説「あなたの人生の物語」を映画化したSFドラマ ―― です。

私はやっぱり原作を読んでなかったんですが、『DUNE』の原作もフランク・ハーバート氏の『デューン』で、『2049』は『ブレードランナー』の続編。

だからドゥニ・ヴィルヌーヴ監督はSF小説の映画化やSF映画の続編に携わる映画作家だというイメージが浮かびました。

『メッセージ』もまさしくSF映画ですが、こうなるとまたSF以外のジャンルの作品も観たくなるものです。

 

日本では『メッセージ』というタイトルだけど、原題は「Arrival」で、これは「到着」という意味でいいのだろうか。

いや、英語がわからないのであせる

韓国では「컨택트」…「コンタクト」という題で公開されたそうですが、中国では「降临」だったそうです。

「降临」は「訪れる」や「舞い降りる」といった意味だそうですね。

このあたり、日本語のイメージに近いように感じました。

 

 

まず、画面が暗い。

「重い」というか…。

 

そして少しわかりにくいところもありましたが、不思議と難解だとは思いませんでした。

もちろん、じゃあ間違いなく説明してみなさいと言われたらできないんですが、観てて難しくて困るということはなかったな~。

ただ、掴みにくいというか、悪夢的に迷ってる気分にはなってました。

 

言語学者のルイーズ・バンクスは、軍の要請で未知のエイリアンとコンタクトし、意思疎通をはかることになるんですね。

これについては、私も宇宙から来たエイリアンといつか人類が出会うこともあるかもしれないと考えるので、つまり映画を観ていてゾクゾクきたわけです。

これは、こんなふうにエイリアンとの出会いがあるのではないかと…それをリアルに体験する気分でした。

もちろん私なんか何の取り柄もないので、この場には呼んでもらえないでしょうけど、ニュースなどで報道を食い入るように見ることになるでしょう。

 

考えてみると、私が報道に集中したことって、もう長らくないんですよね。

もう20年以上前になるんですけど、2001年のアメリカ同時多発テロ事件 ―― あの夜は ―― 日本は夜12時頃だったんですね ―― 朝まで徹夜でニュースを見たものでした…。

『メッセージ』で描かれる事態って、あの時のような気分にさせられるんじゃないだろうか。

最初は怖さでしたね。

 

ルイーズのいる場所はいわば「現場の最前線」で、彼女は物理学者のイアン・ドネリーと、エイリアンとコンタクトする。

この流れはかなり専門的なので知識のない私は頑張ってついていくしかないんですが、それでも面白いんですよ。

確実にドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は難しそうな題材を面白い映画にする方なんだと思います。

 

これがいかにもなハリウッドのテンプレな娯楽映画的作風だったら私はこうまで興奮しなかったかもしれない。

やっぱりドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の映画だからですよね。

 

来年、『デューン 砂の惑星 PART2』を観に行きたいのはもちろんなんですが、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督のこれまでの映画作品…私はまだまだ観ていない作品が多いので早く観たいところです。

 

『メッセージ』のキャストですが、そうは言っても画面のトーンが暗くて、フォレスト・ウィテカーさんも観終えたあとであの役だったんだって気づいたほどであせる

自己顕示欲の強い俳優さんだったら怒ったりしてしまいそうな絵作りですがあせる

でも、そういう絵だからさらにいいと思うんですよ。

この映像、そして作品のリズムだから良かったんですよね。

 

ジェレミー・レナーって『スタンドアップ』(2005年)で演じた役が強烈すぎてすごくイヤだったんですよあせる

でも、ようやく、それだけの人ではないと思えてきましたあせる

逆にエイミー・アダムスはずっといい印象でしたね。

 

エイミーが演じるルイーズは特に感情的に激しいわけではなく、落ち着いた人ですね。

しかし知的好奇心は強い女性のようです。

彼女は映画の間、「白日夢」「幻影」=「ある記憶」に悩まされます。

その「白日夢」「幻影」=「ある記憶」についてはいったいどういうことなのか、かなり戸惑いましたが、最終的に理解できます。

 

 

ここから、結末に少し触れますのでご注意くださいまし。

 

すでに観た方向けの感想になると思います…。

 

結末についてはエイリアンたちがなぜやって来たのかも明かされ、それが人類の世界にどう作用するかも判明します。

 

ルイーズはまさしく人類の歴史上、大役を担ったわけです。

 

それは私も、もっとあやふやにですが、想像していた理想でした。

こうなれば、人類はこれまでの歴史の苦しみから解放されるだろう ―― というものでした。

 

面白いのが、その最も高ぶりを覚えるシーンで登場するのが中国のシャン上将で、この人物をツィ・マーさんが演じてるんですよ。

ツィ・マーさんは『ラッシュアワー3』(2007年)で「ハン大使」を演じてはりますのでね~、一日で続けてツィ・マーさんの出演作を観ることになった偶然が私は楽しかったですよね。

 

で、なんというか、いい加減なことも書けないんだけど、日本のウェブでの世論においてはロシア、北朝鮮と並んで中国が「危ない国」、「日本を侵略するかもしれない国」、だから日本ももっと防衛費を増やさないと危ないぞ、みたいな意見も多いんですが、私はそれについてはそんな確信は持てないんですけどね。

故・安倍晋三元総理はロシアのプーチン大統領とも中国の習近平さんとも親密に外交していた印象です。

それについてはやっぱり長く政権を担ってきた自民党がロシアや中国とも親密だし、北朝鮮とも対話できる党なんだと思いますね。

 

また靖国神社参拝問題もですが、中国と不仲になるような行動をする日本の政治家は経済界、経済団体からの支持を損なうでしょう。

私はやっぱり中国があまり日本に対して攻撃的にならないように思うのは、中国の経済界がそれを嫌がるからじゃないかと思います。

 

…って、わかったようなことを書きましたが何を書きたいかといいますと、中国やアメリカ、ロシアといった大国ってそりゃ国際情勢を振り回すもんですし、ロシアなんかウクライナを攻めてしまって、平和な世界を願う人たちから嫌われてしまってる思うんですよ。

アメリカの視点では(それに日本も従ってしまうんだけど)中国は何するかわからん国なんだろうか。

でもアメリカと中国が戦争なんかしたらホンマに大変なことになるでしょ。

日本だってどうなるかわからないでしょ。

 

『メッセージ』では12隻の宇宙船が世界各地に登場して、それぞれの国でコンタクトするんですが、メッセージの解釈によって映画の後半で危機的な状況に陥り、中国はエイリアンに対して攻撃することを決定してしまうんですよ。

現実の国が架空の映画の中で、危険な選択をしてしまうんですが、しかし ―― 中国のシャン上将は寸前でルイーズ・バンクスと話すことになります。

 

このあたりもう、私はハッとさせられて思わず落涙したんだけど、心から話すことで解決するという理想があったんですね。

そしておそらく、このことで人類は大きく正しい方に前進します。

それはまさしく現実の世界で実現してほしい未来なんですよね。

 

映画のストーリー上、ルイーズと直に話し合うのが中国のシャン上将になったのは現実の世界情勢にのっとっているからなのかもしれませんが、この映画では要するに、言葉による解決ができたんですよね。

 

その結末に私は非常に感動しました。

『メッセージ』は中国でも公開されたようですが、中国の観客たちも同じ気持ちだったのではないかと思います。

 

だから私は他国への批判もうさ晴らしで仕方がないのかもしれないけど、それは未来的ではないし、もちろん国同士、双方ともに良くないと思いますね。

数百年の後、今、世界の国がいがみ合っていたことがいかにバカらしく無駄だったかと歴史の教科書に載る時代が必ず到来すると思います。

あるいはその頃には領土、国境といった概念も廃れているかもしれません。

 

 

そして、もう一つ、ルイーズとイアン・ドネリーの物語ですが、こちらはより哲学的というか、全く新しい視点で人の人生を考えさせられるものだったと思います。

 

ルイーズが映画の中で見ていた光景は未来のものでした。

彼女はもしもイアンとの未来を選べばどうなるのか知っています。

 

3000年後に何があり、人類はどうエイリアンを助けるのかはわかりませんが、わざわざ地球に来てこうしてコンタクトしてくれたんだからエイリアンには大事なことなんでしょう。

しかしエイリアンは地球の国々の関係がどうなろうと、またルイーズの人生にもそこまでの興味がなかったかもしれない。

映画の最後に起こったことはエイリアンが初めて地球人と対話した結果なのかもしれないですね。

 

ルイーズは仕事を成し遂げ、世界をきっと大きく変えたけど、変えられないこともあるかもしれない。

それは最後的に悲しいものかもしれない。

 

でも…という結末でした。

これは難しかったのですが…私はエイリアンのメッセージを正しく理解し、それに基づいて行動したルイーズが到達した結論なのだから…と思っていました。

 

エイリアンとのコンタクトをめぐる世界情勢のことは、割と理解しやすかったと思いますが、ルイーズという人物の物語はさらに深いものだと思います。

だから言葉でこうですとは書けないんだけど…とにかく『メッセージ』は感動的な映画でした。

 

追記:

『メッセージ』を最後まで観て、過去に観ていた映画のどれかがバ~ッて重なったんですが、その映画が思い出せなくって…さっき、ようやくわかりました。

イ・チャンフン監督、ソ・ジソブ、ソン・イェジン主演の『Be With You〜いま、会いにゆきます』(2018年)です。

と、いうことは市川拓司先生の『いま、会いにゆきます』(2003年)ということになると思います。

自分でも腑に落ちました…ひらめき電球

(↑追記ここまでです。)

 

人類がエイリアンと接触して新しく進化するって映画には『2001年宇宙の旅』(1968年)もあるんですけど、いや~、その~、私は『2001年宇宙の旅』は一回だけ観て、ぜんぜんわからなかったので…また私もきちんと『2001年宇宙の旅』を観るとして…少なくとも『メッセージ』が与えてくれるものは受け止めたし、この映画ならではの感動を得ました。

そう言えると思います。

 

さすがは、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督。

もちろんテッド・チャンさんの原作も凄かったのだと思います(読んでないけど「あなたの人生の物語」という題がすでに深いじゃないですか)。

 

しつこいようですが、今のところ、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の映画にハズレはない、どころか、やっぱり私には特別な映画作品ばかりのようです。

『メッセージ』、素晴らしかったです。

 

私の感想でお伝えしたいことも上手く書けなくってちょっとモヤモヤも残ってますがあせる

こうして書けて良かったです。

 

今日も読んでいただき、ありがとうさんでした☆⌒(*^-゜)v

 


メッセージ


原題:Arrival
中国語題:降临
韓国語題:컨택트


2016年製作/116分/G/アメリカ
日本公開:2017年5月19日
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント


監督 ドゥニ・ビルヌーブ
製作 ショーン・レビ ダン・レビン アーロン・ライダー デビッド・リンド
製作総指揮 スタン・ブロドコウスキー エリック・ハイセラー ダン・コーエン カレン・ランダー トーリー・メッツガー ミラン・ポペルカ
原作 テッド・チャン 『あなたの人生の物語』
脚本 エリック・ハイセラー
撮影 ブラッドフォード・ヤング
美術 パトリス・バーメット
衣装 レネー・エイプリル
編集 ジョー・ウォーカー
音楽 ヨハン・ヨハンソン
視覚効果監修 ルイ・モラン

ルイーズ・バンクス - エイミー・アダムス (中村千絵)
イアン・ドネリー - ジェレミー・レナー (加瀬康之)
ウェバー大佐 - フォレスト・ウィテカー (立木文彦)
ハルペーン捜査官 - マイケル・スタールバーグ (石原辰己)
マークス大尉 - マーク・オブライエン (川原元幸)
シャン上将 - ツィ・マー (堀越富三郎)

 

Cast
Amy Adams as Louise Banks
Jeremy Renner as Ian Donnelly
Forest Whitaker as Colonel G. T. Weber
Michael Stuhlbarg as Agent Halpern
Mark O'Brien as Captain Marks
Tzi Ma as General Shang
Abigail Pniowsky as 8-year-old Hannah
Julia Scarlett Dan as 12-year-old Hannah
Jadyn Malone as 6-year-old Hannah

第89回 アカデミー賞(2017年)音響編集賞 受賞