ステラ SEOUL MISSION
アンニョン…(^-^)ノ
5月もありがとうさんでした…
6月もよろしくお願い致します…
5月27日でしたが、バルタザール・コルマウクル監督の『ビースト』(2022年)の前に 韓国映画…『ステラ SEOUL MISSION』を観ました…
『ステラ』…日本では去年の11月に公開されたんですけど、京都では上映がなかったのかなあ…
私は劇場では観ませんでした。
でもブロともさんのnoriさんが観に行かれたので、気になってたんですよ。
で、「SEOUL MISSION」とかタイトルにくっついてるし、「ヤバい ミッション発動!」とか日本の映画会社さんが煽ってるので、なんか「ワイルド・スピード」系の派手なカーアクション映画かと思ってたんですが、確かに車も主役なんだけど、年代物のボロい車でウロウロするゆるいコメディで…しかもハートウォーミング系です。
私ゃ例によってな~んも知らへんと観たんですが、こんな映画やったんか~と逆に驚きました。
いや、実は私の好きなタイプの韓国映画でホンマ嬉しかったんですよ~
ちょっとわかりにくかったんですが、主人公パク・ヨンベはボスのソ社長の下で、自動車を違法に入手しては売り飛ばす仕事をしてるみたいなんですが、カンボジアのシアヌークビルに売り飛ばすはずだったロッソマーズレッドのスーパーカーを運送業をやっている幼馴染みのイ・ドンシクに持ち逃げされてしまう。
ちなみに実はドンシク、転売しようとしてどうも騙されたらしいんですが、そんなことは知らないヨンべ、ソ社長を怒らせたら怖いので、慌てる。
で、実はソ社長も、その上のナム会長を怒らせたらやばいので、切羽詰ってる。
ナム会長を演じてはるのはユン・ジェムンさんなんですが、ちょっと出たと思ったらもうあとは出てこないので残念…。
なんしか、韓国社会においては悪しき縦社会、上にはまだ上のワルがおるっちゅうことかな。
で、時同じくしてヨンベのお父さんが5年の闘病生活ののち、借金だけを残して亡くなりまして…。
唯一、遺してはったのが、古くなってボロボロになってる「ステラ」っちゅう車やったのです。
「ステラ」とはラテン語で「星」を意味するそうですが、車のステラは韓国ヒュンダイ自動車が1983年5月から1997年1月まで生産していた中型セダンだそうです。
いや、私ゃ車にぜんぜん詳しくないのでアレなんですが、要はこのステラ、映画を観てると今となっては古くさ~い、懐かし~い車みたいですね。
亡きお父さんは、それこそヨンベが子どもだった頃にこの車を買うて、タクシーをやってはったんですよね。
ヨンベの妹のヨンミを演じているのはキム・スルギちゃんです。
ヨンミはお兄さんに喪主として、ちゃんとお父さんを弔ってほしいのですが…。
しかし、ヨンベは実はずっとお父さんを恨んで無視してきたので、亡くなっても悲しくないどころか、どうでも良かったんですけど、そこへソ社長とその子分たちがやってきてしまった。
で、もう完全にヨンベがスーパーカーを盗んだと思い込んでるから臓器を売って死ねの一点張りで
でも、父親の葬儀が終わるまでは待ってくれることになったんですけど、その時、ヨンベはステラのキーを見つけて逃げ出す…。
ま、当然ソ社長一派は追いかけますわな。
こうして走ってるのも危なっかしいお父さんの形見のステラで、ヨンベは一路、ソチョン(舒川)にあるドンシクの実家を目指す…。
が、口の軽いユ・チョルグ(コ・ギュピルさん)のせいでヨンベの行き先はソ社長に筒抜け…
もう、ここらへんであらすじは終わりにしてもいいんですが、ドンシクの実家に行くとドンシクのお母さんだけがいて、ドンシクは子どもたちを連れて出て行ったと…。
もうね、このあたり私の大好きな気の抜けたようなコリアン・ギャグが炸裂しまくりです(´∀`*)
また、ホンマにええんですわ、韓国の田舎の風景が…。
と、同時に、ヨンベはことあるごとに自分の過去を思い出していく…。
甲斐性なしのお父さんのせいで家に借金取りが来て怖かった夜のこと…。
と、思い出にひたる間もなくソ社長たちにまた捕まる(;´∀`)
ヨンベも口八丁ですけど、ソ社長もそんな言い訳が通じるほど甘もうもない。
で、ホント不思議な偶然なんですけど、「ステラ」が勝手に動いたりして結果的にヨンベを助けることになる…。
で、いろいろあれやこれやあるんですけど、映画は完全にコメディで…パク・ヨンベを演じるのはソン・ホジュンさんで、この映画ではヨンベの独り言がやたら多いんですが、それも車である「ステラ」との会話みたいになってる。
ハンパ者とボロ車の珍道中なんですね。
そしてヨンべ、恋人のソンヒ(パク・セヨン)が妊娠して…父親になるんですね、近い将来。
でもダメダメなハンパ者のヨンベですので子どもの父親になる自覚がぜんぜんない。
そして彼は思い出す…父親にとって「ステラ」がどんな意味を持つ車だったかを。
お父さんはお金を稼げなかったかもしれないけれど、家族のためにステラに乗って必死で働いていたんだ。
お父さんと一緒にステラに乗った時、いろいろ教えてもらったなあ。
ドンシクの離婚した奥さんからの頼みもあり、変な気を起こされても困るので、ヨンベは必死で探してドンシクを見つけるが、逃げられてしまう。
で、また牧場のおじいさん(パク・ヨンギュさん)を車に乗せることになったりして旅は道連れ世は情け…。
父親になるのに器や資格が要るか?
四苦八苦しながら ――
子どもを育てるうちに父親になるんだ
ヨンべ、恋人のソンヒを思い出して電話する…。
父親になるには
資格試験が必要だよ
ヨンベのお父さん…
借金を苦にしたのか、お母さんと離婚して…
お母さんが働きすぎて体を壊して…
ヨンベがお父さんに手術代と付き添いがいると
頼んだけど、お父さんは来なくって…お母さんは亡くなり
それでヨンベはお父さんが大嫌いになって
以後、お父さんが訪ねてきても許せなかったのだ…。
目も合わせなかった。
逃げ回ったヨンベだが、ソ社長はとうとうソンヒを人質に取り、3時間以内にスーパーカーを持って来いという…。
ヨンベはドンシクの実家で待ち伏せて、とうとうドンシクを捕まえた。
が、まあ、まあ、もともとが幼馴染み…。
ドンシクの子どもたちも泣くし、そうまで締め上げられない
親になるのは簡単だが
父親として生きるのは難しい
この期に及んでまだドンシクのタバコの火の不始末で「ステラ」の座席は燃えてしまうし
そんな中、ドンシクが車を売るのに仲介してもらったWoW motorsのドゥボンさんと連絡がついて例のスーパーカーは返品されたとのことで、行ってみるが二人は捕まってしまう…。
車を積む港に連れて行かれるとソ社長とその子分たち大勢がいてヨンベとドンシクは絶体絶命。
そしてなぜソ社長がそこまであの車にこだわったのか真相も判明するが ――
って話です。
だーっ
かなり後ろの方まで書いてしまった
でも、ここからこそがイイんですよ
「廃車寸前のレトロカーでスーパーカーを追跡する羽目に陥った男の奮闘を描いた韓国発のアクションコメディ」って概要から勢いのあるアクション映画を想像するとぜんぜん違って、ものすごくユルいコメディなんですよ。
のらりくらりって感じで。
で、ま、ずーっとアホな雰囲気なんですが、いろいろ伏線があって、最後は私、泣きました。
あの、「ステラ」がね、ヨンべのお父さんであるんだと考えながら観るとホント泣ける映画なんですね。
要は、父と息子の和解の物語であり、自分は父親になんてなれないと考えている息子に、彼の父親が最後の時間を過ごすことで息子を助け、そっと背を押してやる話でもあるんですよね。
映画としては現実ではありえないようなことも起こりますし、ファンタジーの趣きもあります。
それがハマるとグッとくる映画だと思うんですよね~。
監督はクォン・スギョン監督です。
裸足のギボン 2006年
あの日、兄貴が灯した光 2016年
ステラ SEOUL MISSION 2022年
そうですか~、『あの日、兄貴が灯した光』の監督さんでしたか。
ちょっと違うけど、「コメディ」でもあり「泣ける」ってところが同じかな。
『あの日、兄貴が灯した光』の方がきっちり感動作だと思うけど、アホ度が高い分、『ステラ』も捨てがたい…。
なんだろうか、こういう韓国映画の味わい…ホントに好きですね、ええ。
2006年の『裸足のギボン』はまだ観ていないので、いつか観たいと思います。
また『ステラ』に脚本で参加されているペ・セヨンさんもヒット作の多い脚本家ですよね。
主人公パク・ヨンべを演じるのはソン・ホジュンさん。
私は2作しか出演作を観てなかったけど、ヨンベ役、良かったですわ~。
楽しくって感動的です。
悪役ソ社長を演じるのはご存知ホ・ソンテさん。
怖いんですよ。
怖いんですけど、この人はこの人なりに踏んだり蹴ったりなので笑ってしまう(^_^;)
セリフの中でこの人にも子どもがいると示されてますけど、いいのだろうか、この人だけその点、放置で…
ソ社長の子分たちも変に個性的で笑ってしまう…。
ヨンベの幼馴染みで厄介事の元凶、イ・ドンシク役はイ・ギュヒョンさん…。
ドンシクはあまり出てこないけど、ヨンベと合流してからは二人の「コント」が素晴らしいです。
イ・ギュヒョンさんも作品ごとにイメージが違う俳優さんですがコミカルもいいですね。
そうですか~、こういう映画でしたか~。
いや~、私は非常に気に入りました。
ほとんどゆるゆるでアホなコメディなんですけど、ハッと気づくと涙してしまう愛すべき感動作…。
観ないともったいないと思いますね。
観てなかったらまた是非、観てください。
今日もありがとうさんです…おおきに
原題:스텔라 ステラ
英語題:Stellar: A Magical Ride
中国語題:超跑斯特拉
2022年製作/98分/G/韓国
韓国封切:2022年4月6日
日本公開:2022年11月11日
配給:ファインフィルムズ
PD:イ・ウォネン
脚本:ペ・セヨン
脚色:ユン・ユギョン、キム・ジナ、ホ・ダジュン
監督・脚色:クォン・スギョン [第3作]
助監督:チェ・チョンイル
撮影:イ・ソンジェ
照明:イ・ドンファ
編集:シン・ミンギョン (A.M.POST)
音楽:シム・ヒョンジョン
美術:パク・イリョン
武術:チョン・ジェヒョン(ソウルアクションスクール)
出演
ソン・ホジュン → パク・ヨンベ 自動車金融の取立て屋
イ・ギュヒョン → イ・ドンシク ヨンベの幼なじみ トンシク託送
ホ・ソンテ → ソ社長 ボス
チョン・ノミン → ヨンベの父 パク・ウンリョル
イ・ジュンオク → チョン室長 ソ社長の手下
コ・ギュピル → ユ・チョルグ ヨンベの同僚
キム・スルギ → パク・ヨンミ ヨンベの妹
パク・セヨン → ソンヒ ヨンベの恋人
シン・シネ → トンシクの母
パク・ヨンギュ → ソおじいさん 乳牛牧場
イ・ヨンス → ヨンベの母
キム・ゴヌ → スェマンチ(かなづち) ソ社長の手下
ペ・ジェギ → パック ソ社長の手下
ムン・スア → スヒョン トンシクの前妻
チュ・ソクチェ → ブローカー
ノ・ジョンヒョン → トゥボン WoW motors
ソ・ドンウォン → 港警察1
チャン・ジョンヨン → 港警察2
イ・ジュウォン → 幼いヨンベ1
イ・ヒョジェ → 幼いヨンベ2
チェ・ソヨン → 幼いヨンミ1
カク・チヘ → 幼いヨンミ2
イ・ヒョビ → チェア トンシクの娘
チョン・シユル → チュナ トンシクの息子
パク・チョンファン → 模範タクシー 運転手
特別出演
イム・ヒョンジュン → 騒動男
ソン・ビョンスク → 大家
ユン・ジェムン → ナム会長
チェ・ビョンモ → ボンゴ(乗用車)の父
※ 輝国山人の韓国映画様から転載させていただいてます。