仁義なき戦い 広島死闘篇 (1973年) | Asian Film Foundation 聖なる館で逢いましょう

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こんならがなんならでどうならビックリマーク

ここは奈良ちゃう、広島じゃけんビックリマーク

とか、書いてしまいましたが、いつもありがとうございます。

 

今日も『仁義なき戦い』シリーズについて書きます。

 

10月23日の夜、1作目の『仁義なき戦い』を観てすぐに続編、『広島死闘篇』を観ました・・・カチンコ

 

 

 

 

 

仁義なき戦い 広島死闘篇

 

 

解説


“仁義なき戦い”シリーズ第二作。日本の社会を震感させた日本のヤクザ組織の代理戦争でもある“広島ヤクザ戦争”の実態を、組織に利用され裏切られる男を通して描く。原作は飯干晃一の同名小説、脚本は「仁義なき戦い」の笠原和夫、監督も同作の深作欣二、撮影も同作の吉田貞次がそれぞれ担当。

(映画.com)

 

 

 

前回の記事では書きませんでしたけれど、『仁義なき戦い』は最初、原子爆弾の投下から始まります。

広島にとって、いや、日本、世界にとって、原子爆弾の投下は、巨大な歴史ですね。

しかし戦争の歴史から時間が経ち記憶が薄れたのか、原子爆弾について語る人も減ってしまった印象ですし、その恐怖を切実に思わない空気も私には感じられます。

かく言う私も、まだまだ知らないことが多く、戦争と原子爆弾から視線をそらせてきたところもあります。

しかし、核兵器を許してはならない気持ちだけは一貫しているつもりです。

核兵器を保有する国に、そこのことでは怒りも感じてます。

 

1作目は原爆で攻撃されたばかりの時代背景でしたので、建物などもバラックだったり、いかにも戦争直後に描かれているのですが、2作目以降、広島の復興も映像的に表現されているのではないでしょうか。

シーンによってはすでに現代と比較して遜色のない景色もある。

 

そして、登場する「原爆スラム」は現実の風景なのでしょうか。

そうだとしか思えないんだけど、映画の撮影時、どの程度、終戦直後の面影を残していたのだろうか。

ここにも戦争を知る手がかりがある。

 

戦争 ―― その殺し合いの時代を過ぎ、次には極道間の殺し合いが始まっているのが『仁義なき戦い』・・・組員の人たちの多くは復員兵であり、戦死の恐怖に脅かされただろうトラウマが、平和な時代にも死闘を欲するのか。

その戦いの意味は、そしてその戦いの果てに得られる未来とは―― 。

 

 

 

2作目の『広島死闘篇』ですが、ショウちゃんこと広能昌三さんは、山守組をやめ、広能組組長となってるわけですが、組員の方々が夕ごはんを用意してくれたまでは良かったが、せっかくのお肉を他の者が食べないので仕方なくスクラップ置き場の番をさせるために飼っていた犬にやりましたところ、この犬も激しく吠えるだけで食さない。

訝る広能だったが、自身が平らげつつあるのがなんと犬の肉。

激怒しそうになるのをグッとこらえ、酒で口をゆすぐ広能だが、そんなにお金がないなら他の仕事をしたらはてなマーク・・・などと言ってはいけない。

広能の目的はこれから3作目、4作目でより明確になる。

 

しかし、この2作目では広能昌三は主役ではなく、北大路欣也さん演じる山中正治と、梶芽衣子さん演じる、村岡組組長の姪で、戦争未亡人の上原靖子のラブストーリーにかなりの時間が割かれているんですね。

 

山中は非常にケンカっぱやい青年で、でも、多勢に無勢でやられてたのを組に拾われ、結局は利用されて殺し屋になっていくわけですね。

 

あ、間違っていたらすみません(^_^;)

一度観ただけですので私の認識違いもあるかもしれません。

その場合はまた教えていただければ。

 

新キャラとして登場してくるのが山中が入る村岡組の、高梨国松(小池朝雄さん)と松永弘(成田三樹夫さん)ですね。

この二人は演じられたお二人のお顔つきもあり、かなり年配な印象なんですが、どうなんでしょう。

 

とにかく、この仁義なき世界において、この二人には仁義もあるだろうし、またこの世界のルールを重んじる人たちなんですね。

そうなると、私も若い山中を、このお二人にならお任せして大丈夫と思いますし、山中にとってもお二人は頼れる方々なわけです。

 

この三人の物語、私はとても気に入りました。

 

小池朝雄さんはもちろんコロンボ刑事の声でも有名ですが、私は出演されてる映画に詳しくなく、こうしてじっくり見れるのがありがたいですね。

成田三樹夫さんも・・・すんません、何となく出演されてる映画を観た印象はあるんですけど、やっぱり詳しくはないです。

 

とにかくこの映画でしっかり記憶しました。

 

成田三樹夫さん演じる松永ですが、このあともシリーズに登場してるんですが、『広島死闘編』の時から、ちょっとずつ人柄や考え方が変化していったようです。

これを私は、時代と仁義なき抗争が、松永が昔気質の極道でいることを許さなかったと捉えました。

そう思わないと、あやふやで悲しいので・・・。

 

 

 

北大路欣也さん演じる山中正治は、当初、かなり自暴自棄で、死を恐れていない印象。

だからこそ組に入って、殺し屋となっていくのに適していた人なんですけど、人を殺めたあと、自分でも驚いてるふうに思えたんですけど、同時にまた殺すことに喜びも感じているようで、そうとう危険な性格に思えました。

 

北大路欣也さんの目が怖いビックリマーク

ぜんぜんソフトバンクのお父さんではないですね。

 

しかし山中、女性を愛する気持ちに嘘偽りはないようですし、自分と上原靖子の仲を許してくれた組長さんに深く感謝するなど、純情、且つ、いちずな一面もある。

もしもですよ、愛に生き、暴力の世界を離れていれば、幸せな一生を送ったかもと思いますが、しかし山中には根っから殺人者の素質があった・・・と私には思えました。

ですので破滅的な生き様なんですけど、それにしても彼を操るようにした人、そして悲しい誤解が山中を危険な存在にしていくのです。

 

私は、人を殺す山中は好きではないけど、そうではない山中には同情しました。

 

 

上原靖子は登場してきた時には「鉄火肌」な女性に思えるんですけど、山中と相思相愛になりし後には恋をした女の弱さも出てましたね~。

そこらへん、どうしても映画で描かれる画一的な女って感じもありますが、しかし物語上、そうないとアカンし、何よりもそりゃ人を好きになり、ああまで振り回されたら、どうしようもないですね。

 

『東京物語』(1953年)の紀子(原節子さん)は夫を戦争で亡くしたあと、一人で慎ましく生きてるんですけど、そんな自分のことを「ずるいんです」と言ってましたね。

そうなると靖子はずるくないってことになりますけど、この時代なのもあるんでしょうし、叔父が組長なのもあり、結局、彼女は自分の好きなようには選択できない。

 

山中と靖子の物語には採用されなかった背景もあったかもしれないようなんですけど、興味を惹かれました。

しかし、映画を観ただけでは多くのことに気づけません。

今後、映画ブロガーさんの記事でもっと教えていただきたいですね。

 

 

 

上原靖子を演じられた梶芽衣子さん、私、初めて見たと思う。

綺麗な方ですよね~。

 

『キル・ビル』(2003年)で流れる「修羅の花」(1973年)、「怨み節」(1972年)はよく覚えてます。

 

梶芽衣子さんの出演されてる映画もきっと私は好きなので、また観ていきたいです。

 

 

 

そして、前半で悪目立ちしまくるのが千葉真一さん演じる大友組組長の大友勝利ですね。

こんな下品な人間は見たことがない。

 

え~、人気なんですか~あせる

だったらしょうがないですけど、私はキライです。

イケイケなんですけどね、狂ってますしね、ムチャクチャですね。

 

しかし、千葉真一さんの演技は素晴らしい。

狂いが極まってユーモラスですらありますよね。

 

山守さん(金子信雄さん)もキライなんですよ、基本。

キライなんですけど、金子信雄さんの演技が上手すぎてもう、笑ってしまうんですよ。

あと、一瞬でいいこと言うでしょ。

で、私、すでに昨日、4作目まで観たんですけど、もう4作目くらいになると明らかに好きになってるんですよね~、このおやっさんを・・・。

 

一番いいところを取る、一番かっこ悪い欲深さと姑息でしょ~。

いや、もうね、『悪いやつら』(2012年)のチェ・ミンシクさんに影響を与えたんじゃないかと思えたほどで、ハ・ジョンウに「伯父貴は極道ですか、それとも堅気ですかビックリマークむかっ」と怒鳴られても仕方がないほどなんですよね。

 

 

 

で、山守さんが狡さでユーモアになってるのに対して、大友は狡さはなく直線的に狂ってることでユーモアになってるんですよね。

あんまり作戦とか立ててないでしょ。

周囲もバカそうだし、ついていけない人はついていけてないし。

だからやっぱり破滅一直線だったと思います。

 

ところが2作目では死なないんですよね~。

で、3、4作目では出てこないので、5作目の『完結編』では出てくるそうですが、演じる方が代わって宍戸錠さんになるそうですね。

 

私、千葉真一さんの映画もほとんど観てないんですけど、8月に急逝されて、結局、私にとっては千葉真一さんの代表作でもあるだろう『広島死闘編』を観ることが追悼になりました。

 

映画の中の千葉真一さんは元気いっぱいでしたね。

元気いっぱい過ぎて怖いんですけどね。

 

また違う千葉真一さんも見たいので、千葉真一さんの映画もまた観ていきますよ。

 

 

 

『広島死闘編』に関しては、最後の方は、こうなるのか、って感じでした。

1作目とは趣きが違いますし、広能の出番が少ない分、外伝的な位置づけで捉えることも可能かと存じます。

やっぱり暗いですかね・・・やはり、人の思惑で人が死ぬ話しですし。

 

3作目の『代理戦争』と4作目の『頂上決戦』ですが、より抗争度が増すと言いますか、謀略、計略の仁義なき戦いの世界になりますよね。

もうほとんど「あったことをそのまんま」ズラズラっと映画化していく感じで。

 

なかなか感想を書くのが大変です(;´∀`)

 

でも書きだすと何やかんや、書くんですよね、私も・・・。

 

 

 

1作目について書いた記事の方に、たくさんのコメント、ありがとうございます。

お返事が遅くなっておりますが今日にも、少しずつでもお返事させていただきますね、すんませんヾ(´▽`;)ゝ

 

今日も読んでくださり、ありがとうさんでした・・・☆⌒(*^-゜)v

 

 

 

 

 

 

 

 

 


仁義なき戦い 広島死闘篇
Battles Without Honor and Humanity: Deadly Fight in Hiroshima
의리없는 전쟁: 히로시마 사투
无仁义之战2:广岛死斗篇


1973年製作/100分/日本
劇場公開日:1973年4月28日
配給:東映

監督:深作欣二
脚本:笠原和夫
原作:飯干晃一
企画:日下部五朗
撮影:吉田貞次
美術:吉村晟
音楽:津島利章
録音:溝口正義
照明:中山治雄
編集:宮本信太郎
助監督:清水彰
スチール:中山健司

菅原文太 - 広能昌三
前田吟 - 島田幸一
松本泰郎 - 岩見益夫
司裕介 - 弓野修司
金子信雄 - 山守義雄
木村俊恵 - 山守利香
名和宏 - 村岡常夫
成田三樹夫 - 松永弘
北大路欣也 - 山中正治
山城新伍 - 江田省三
宇崎尚韶 - 野中雄二郎
笹木俊志 - 友田孝
木谷邦臣 - 下条章一
小池朝雄 - 高梨国松
堀正夫 - 景浦長次郎
遠藤辰雄 - 時森勘市
国一太郎 - 浜田隆吉
川谷拓三 - 岩下光男
藤沢徹夫 - 片倉克己
白川浩二郎 - 助藤信之
千葉真一 - 大友勝利
大木晤郎 - 須賀政男
室田日出男 - 中原敬助
八名信夫 - 浅野卓也
志賀勝 - 寺田啓一
広瀬義宣 - 神谷英司
北川俊夫 - 三上善輝
加藤嘉 - 大友長次
中村錦司 - 倉光俊男
梶芽衣子 - 上原靖子
小松方正 - 南良坂誠
北村英三 - 石田栄輔
宮城幸生 - 佐野刑事
松平純子 - ホステス
汐路章 - 修験者