アンニョン(^-^)ノ
いつも読んでくださり、ありがとうです
『ザ・バッド・ガイズ』(2019年)を観た次の日
この作品を観てきました
ミナリ
原題:Minari
韓国語題:미나리
2020年製作/115分/G/アメリカ
監督・脚本:リー・アイザック・チョン
製作:デデ・ガードナー、ジェレミー・クレイマー、クリスティーナ・オー
製作総指揮:ブラッド・ピット、ジョシュ・バーチョフ、スティーブン・ユァン
脚本:リー・アイザック・チョン
撮影:ラクラン・ミルン
編集:ハリー・ユーン
音楽:エミール・モッセリ
スティーブン・ユァン - ジェイコブ
ハン・イェリ - モニカ
アラン・キム - デビッド
ノエル・ケイト・チョー - アン
ユン・ヨジョン - スンジャ
ウィル・パットン - ポール
スコット・ヘイズ - ビリー
Cast
Steven Yeun as Jacob Yi
Han Ye-ri as Monica Yi
Alan Kim as David Yi
Noel Kate Cho as Anne Yi (Ji-young, Korean: 지영)
Youn Yuh-jung as Soon-ja (Korean: 순자)
Will Patton as Paul
Scott Haze as Billy
Jacob Wade as Johnnie
配給:ギャガ
この作品、『ミナリ』のことを知ったのは、けっこうあとになってだったんですけど、気づいた時にはすでに「アカデミー賞最有力!」とか煽られてて、ちょっとビックリしましたね。
いや、私も意欲的に映画の情報を仕入れる方ではないので新しい映画について知らなくても当然なんですけどね・・・(むしろすでに公開されて時間が経った映画について調べる方が好きだし)。
パッと、スティーブン・ユァン、ハン・イェリ、そしてユン・ヨジョンさん・・・キャストの顔ぶれだけで観たいと直感したんだけど、韓国映画ではなく、アメリカ映画なんですね。
それを知った時、それは面白そうだって気持ちと、それはどうなんだろうって気持ちが同時にありましたよ。
私にとってはどの韓国映画も必ず観ておきたい作品ですが、アメリカ映画にはそこまでの気持ちが今はないので。
でも、すぐに観ようと決めてましたね。
強い好奇心を感じましたし、前評判がとてもいいんですね。
だったら素通りできない、って感じ
それに、何といっても気になるキャストだったし、きっと話しも好きそうだったんですよね。
1980年代のアメリカ、韓国から移住してきたジェイコブとモニカは、アメリカで娘のアン、息子のデビッドに恵まれるが、デビッドの心臓は心配な状態です。
夫婦がなぜ、アメリカに来たのか、その理由は後半のセリフから垣間見ることができます。
農業で成功しようと考えるジェイコブはアーカンソー州に家族を連れて引っ越すが、妻のモニカは不安を感じていました。
夫婦は激しい口論になり、困る子どもたち。
・・・観ながら思ってましたが、ジェイコブの段取り悪い(>_<)
ちゃんと話し合ってモニカが納得してから引っ越すべきでしょ。
ジェイコブはいい人だけど、計画性に問題がある。
農業をやっていくのにもっと用意も必要だったのではないだろうか。
朝鮮戦争に参加した経験のある男性、ポールがジェイコブの仕事を手伝うことになる。
ポールさんはホンマに信心深い人っぽい。
タバコも近づけてくれるなと。
とにかく韓国映画って感じじゃないです。
やっぱりアメリカ映画ですよ。
一家の暮らしには不安が伴っていた。
ほどなくして、自分の働く時間を増やすことを考えたモニカが子どもたちの面倒を見てもらうために、韓国からから母親のスンジャを呼び寄せる。
このおばあちゃん、アメリカで生まれたアンやデビッドからしたら、そうとう変なおばあちゃん。
特にデビッドはこの新しい家族がいつも苦手。
おばあちゃんの方はどこへ来てもこれまでの自分を変えたりもせず、その自己中のエネルギーでけっこうアーカンソーでの暮らしに馴染んだりしててテレビでプロレス観戦・・・。
このあたりからほのかにコミカルな味が炸裂。
おばちゃんVS孫のちょっと笑える戦いがスタート。
おばあちゃんがお母さんと再会したあたり、韓国らしさがよく出てますけど、それは人間、誰しもにあるルーツってものだと思います。
日本人だってアメリカに住んでも日本人でしょう。
話し的にもっと苦難が連続する不幸な暗い物語も予想してたんですが、そんな感じでもないんですね。
また移住してきた夫婦の物語なので移民への差別があらわなのかと思ってたけど、土地柄なのかそこまでではない。
リー・アイザック・チョン監督の過去がモチーフになってるそうですが、監督が自分の少年時代を嫌ってはいないと思いました。
何となく、難しかったり、退屈だったらどうしようっちゅう不安もあったんですが杞憂でした。
素直に面白かったです。
「笑える」のが意外でしたが、嬉しかったですね。
特に孫が運んできた飲み物をおばあちゃんが飲んで「ぐわぁ」ってなるとこ(;´∀`)
確かに淡々とはしてるんですけど、そうして日常をじっと描いていく感じがすごく好きでした。
思慮深い映画だと思いました。
感情に振り回されてないっちゅうか、こじつけじゃないし、何よりもいかにも悪人が出てきてどうこうって話ではないの、80年代のアーカンソーが舞台ですが、それはどの時代のどこでもそうだったのかもしれないみたいなのはあります。
一つ、特にここずっと感じてましたが、私は映画の中で何かがあることを象徴するような意図があっても、それに気づかない場合も多いってことが、映画を観てるうちにわかってきたように思います。
なぜって知識がないから。
この映画を観てからパンフレットも読んだし、少し他の方々のレビューも読ませていただいてます。
それで、ああ、そうゆうことだったのか、と気づいたことが多いんですね。
だから私はこの映画を解説できる立場にはないんですが、後半・・・あることが判明します。
そのことはジェイコブの一家にとっていいことだったんですが、その時、腑に落ちた気がしました。
監督のリー・アイザック・チョンと主演のスティーブン・ユァン。
リー・アイザック・チョン [監督/脚本]
Written and Directed by Lee Isaac Chung
PROFILE
1978年、アメリカ、コロラド州に生まれ、アーカンソー州リンカーンのオザークにある小さな農場で育つ。イェール大学の学士課程で生物学を学んだ後、ユタ大学で映画学の修士号を取得。2012年には、全米アーティスト・フォード・フェローシップを授与される。脚本家と映画監督として、受賞実績を持つ。長編映画デビュー作『Munyurangabo(原題)』(07)は、2007年カンヌ国際映画祭でプレミア上映され、絶賛を浴びる。その他の長編映画作品には、『LuckyLife(原題)』(10)と『AbigailHarm(原題)』(12)がある。新作は『君の名は。』のハリウッドリメイク版『YourName』。本作で世界中のメディアと映画ファンに熱狂を巻き起こし、現在も受賞リストを更新し続け、一躍、エンターテイメントの未来を担う存在となった。
私は作品を観たことがなかったし、知らない監督さんでしたけど、新海誠監督の『君の名は。』(2016年)の米国版リメイクの監督を担当されるそうで・・・大きな話題ですね。
스티븐 연、スティーブン・ユァン・・・先日もイ・チャンドン監督の『バーニング』(2018年)を観返してて、あの映画がいかに優れた作品かがようやくわかってきましたわ~、って感じなんですが、その中でユ・アインと共にスティーブン・ユァンの演技にも目を奪われた次第です。
私は結局、まだ『ウォーキング・デッド』(2010年~)を観てないので、『バーニング』でしかスティーブン・ユァンを知らなかったのですが、『バーニング』ではお金持ちだったのに『ミナリ』では貧乏。
そう考えると変な感じですが、『ミナリ』を観ていて別に不思議ではない。
それが俳優さんですが・・・。
確かなことはスティーブン・ユァンの演技をずっと見ていたかったことです。
ハン・イェリを初めて見たのは『ザ・スパイ シークレット・ライズ』(2013年)の科学者役だったと思いますけど、すぐにユチョンと共演した『海にかかる霧』(2014年)を観てますね。
ユン・ゲサンと共演した主演作、『ワンナイト・カップル』(2015年)なんかもよく覚えてますし、短い出番だった『群盗』(2014年)のハ・ジョンウの妹役も大好き。
マ・ドンソクさんと共演した『ファイティン!』(2018年)も良かったなあ。
いつの間にか「二人の子どものお母さん」を演じるようになってました。
この映画は一家5人の全員が主役なんだと思いますけど、特にアラン・キムくんが演じたデビッドの視点が印象深いです。
おとなしいちょっと引っ込み思案な子なんですが、おばあちゃんに対してはハッキリしてますね~。
ノエル・ケイト・チョーが演じた姉のアンはお姉ちゃんらしくわきまえもあり、弟の面倒も見ている。
家族が家族に見えるってのがいいキャスティングですよね。
ホント、家族にしか見えない・・・。
ジェイコブの仕事を手伝うポールさんを演じるウィル・パットンさん・・・何度か出演作を観てると思いますが、『アルマゲドン』(1998年)の宇宙穴掘り軍団の一員もですし、『60セカンズ』(2000年)もありますね。
ポールさんは、どこか地域社会にいずらいのかなあ・・・。
そう思うような場面もあった。
デビッドの友達と、そのお父さんも、セリフでドキッとさせますね。
本人たちは意識してないようだけど・・・。
途中から登場してくるおばあちゃんのスンジャを演じるのは韓国を代表する偉大な女優の一人、ユン・ヨジョンさん・・・。
この前も『藁にもすがる獣たち』(2020年)や『君が描く光』(2016年)を観たわけですけど、いつも見てもホントに素敵だし、素晴らしいユン・ヨジョンさん。
予告編を見た時から感じてたけど、この映画でも出てこられたあとは、やっぱりユン・ヨジョンさん半端ないってって感じですかね~。
たしかに、『怪しい彼女』(2014年)のマルスンばあさん(ナ・ムニさん)筆頭に、韓国のおばあさんたちって口は悪いし意地悪だし怖いし、毒舌、凶暴、おせっかいなのかもしれませんが、実はご苦労されてたりして情け深いっちゅうのが第一印象。
そしてやっぱり孫が可愛い。
『ミナリ』のおばあちゃんも最初、孫とバトルしてどうするって笑いましたけど、実は愛情にあふれてもいた。
もう、おばあちゃんのキャラだけで映画ができてしまう・・・。
でも、作ったようなわざとらしさがないんですよね。
そういったあたりに、監督がご自分のおばあちゃんを投影されてるイメージがあるし、ユン・ヨジョンさんもインタビューでそれについて触れられてます。
このおばあちゃん役でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたそうですし、実際、他の賞も受賞されてるそうですが、たしかにユン・ヨジョンさんの決定版みたいな演技ですよね。
デビッドがおばあちゃんに、徐々に慣れて絆が生まれていく過程がホントにいいんですよね。
もう、それだけでも観てて良かった。
アーカンソーの風景ですか、それがホントににおいまで感じられて素敵でした。
その風景の中での物語なのでおおらかなんだと思います。
そのことの意味も大きかったんじゃないですか。
物語は先が読めず、結末も予想できない・・・だから、そういった結論は私も書かないけど、私にはそれがいいように思います。
ただ、感動があり、ため息ももれました。
音楽はエミール・モッセリさんって方で初めて知ったんですが、音楽も素晴らしいんです。
あまり主張しない音楽なんですが、映画に寄り添うように存在してて、ハッとしましたね。
パンフレットは880円(税込)でした。
・ イントロダクション
・ ストーリー
・ レビュー 韓国移民の象徴としてのミナリ 金原由佳 (映画ジャーナリスト)
・ インタビュー スティーヴン・ユァン
・ コメンツ ハン・イェリ アラン・キム ネイル・ケイト・チョー
・ インタビュー ユン・ヨジョン
・ キャスト
・ コラム 大地に根を張る、ミナリのたくましい生命力 永 千絵 (映画コラムニスト)
・ レビュー <ミナリ>とは、厳しい社会の中で開拓者精神を継承することの象徴である 松崎健夫 (映画評論家)
・ コラム アメリカン・ドリームの背景にあったもの 李 里花 (中央大学准教授)
・ コメント リー・アイザック・チョン 脚本 / 監督
・ フィルムメイカーズ
・ プロダクション・ノート
・ 作品データ
チラシサイズなんですけどパンフレットとして読むところが多く、またインタビューやコラム、レビューが少なくないので私なんかは本当に嬉しいですね。
観たあと、作品について知ったり考えたりする助けになるから。
私にとって知らないことが多かったので読めて良かったです。
映画を観て興味を持たれた方は是非、買って読んでみてください。
最後に、『ミナリ』はいつも韓国映画を観ている韓国映画のファンにはもの足りなく感じられるかもしれません。
感動のさせ方が違うので。
韓国映画だったらもっと圧力を感じるしエネルギッシュですよね。
ルール無しだぜ、みたいな。
逆に普段、韓国映画はちょっと・・・と感じてる人の方に向いてるようにも思いました。
まあ~、これは一概には言えませんけどね。
やっぱり人の好みは千差万別で決めつけられないものですからね。
まずその前に、国別で映画を分けるのも変な発想かもしれないけど。
いずれにせよ、『ミナリ』は観るべき傑作。
私はほぼ、キャストに惹かれて観ましたけど、それ以上に大きな収穫がありました。
いろいろ文句や不幸もあるけど、人がなぜ生きるのか、考えさせられましたね。
封切りからもう一ヶ月が経とうとしてますけど、まだ上映してると思うので是非、スクリーンで観てください。
それもできるだけ大きなスクリーンで・・・。
書けない気がしたけど書き始めたら、なんだかいろいろ書きました。
最後まで読んでくださり、ありがとうでした・・・
アンニョン(^.^/)))