四季・奈津子 1980年 五木寛之原作 ネタバレ | Asian Film Foundation 聖なる館で逢いましょう

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ネタバレはできるだけ避けております…(ㆆᴗㆆ)*✲゚*。⋆

 

 

 

 

 

 

 

 

アンニョン(^-^)ノ

いつも、ありがとうございますキスマーク

 

29日に記事を公開すると「29=肉」みたいでちょっとイヤなんですが、ま、いいでしょう。

 

今日は、1980年とちょっと古い邦画について書かせてもらいます。

最後までネタバレしますね。

 

 

4月26日、この作品を観る・・・カチンコ

 

 

 

 

 

四季・奈津子

 

 

四季・奈津子
Shiki Natsuko


(1980年、日本映画、120分)

監督:東陽一
原作:五木寛之
台詞:粕谷日出美
プロデューサー:吉田達、前田勝弘
撮影:川上皓市
美術:綾部郁郎
音楽:田中未知
音楽プロデューサー:五木寛之
録音:久保田幸雄
照明:上村栄喜
編集:市原啓子
助監督:栗原剛志
スチール:山田脩二

烏丸せつこ - 奈津子
佳那晃子 - 波留子
影山仁美 - 亜紀子
太田光子 - 布由子
阿木燿子 - ケイ
岡田裕介 - 医師・沢木
本田博太郎 - 写真家・中垣
風間杜夫 - 金森達夫
牟田悌三 - 奈津子の父
山谷初男 - 北京料理店のチーフ
火野正平 - 中垣の友人・河本
岡田眞澄 - 俳優・森隆人
田村隆一 - 詩人・田村隆一
白井佳夫 - 監督・黒川竜作
宮本信子 - 奈津子が出演する映画の俳優
鶴田忍
長谷川諭
藤木敬士
星正人
姫田真佐久
白井佳夫

配給:東映洋画

 

 

この『四季・奈津子』は、ハッキリしたことは思い出せませんがずっと前の十代の頃に、おそらく古書店さんで映画のパンフレットを見てた時だと思いますが、Tシャツとパンツだけの女の人が海にいるビジュアルを目にして、それを見た時、「あ、なんか好き」とか思って、『四季・奈津子』って題を記憶したと思うんですね。

 

それで、そんな映画もあるんだと知ったんですが、絶対に観るぞとは思ってなかったんだけど、なんとなく70~80年代の映画だろうとは思ってて、それもハッキリしないんですが、五木寛之先生の作品の映画化っていつの間にか知ってたように思います。

 

五木先生の本は数作品ですが私も読んでるけど、『夜のドンキホーテ』とゆう作品が好きでした。

九州の頑固じいさんが東京に世直しに行ったら、けっこう若者たちと仲良くなったりして共感もする話で、1973年の作品みたいですが、「紅蝙蝠」ってロックバンドが出てきたりして面白かったです。

また『四月の海賊たち』って、ラジオの海賊放送の作品も気に入りました。

 

『四季・奈津子』 ―― いい題名ですよね、時が過ぎるにつれ印象が不思議に大きくなり、ネットで調べたらDVDも出てるし、観たい気持ちが消えなかったんです。

 

それで数ヶ月前から本気で観てみようと思い、ついに観た。

 

アメブロで検索したら俳優の田中俊介さんも一昨年の夏にこの映画を観てはりますし。

 

 

波留子、奈津子、亜紀子、布由子、福岡に小峰四姉妹がいました。

 

末娘の布由子は心の病で入院していたが、次女の奈津子が病院に行く場面から始まります。

布由子は奈津子にその夜あるお芝居を観に連れてってくれるよう頼みまして、布由子の主治医の先生と3人でかなりの大雨の中、行くこととなる。

 

行きしに一人の男性、中垣昇を車に乗せてあげるが、この人は写真家で、奈津子みたいな人を写真に撮りたいと言う。

 

帰りにもその中垣をまた乗せることになるんだけど、その時、奈津子は中垣に自分のヌードを撮ってくれないと急に言い出した。

 

奈津子には3年付き合っている達夫とゆう恋人がいて結婚も考えてるんだけど、何だかつまんなくなっちゃったのだった。

 

奈津子は撮影のため東京へ行くことになる。

 

 

奈津子の着替えをじっくり映すのが女の裸を見せたいだけにしか思えないのだが、実際、この映画にはそれが目的なところもあったに違いない。

 

音楽は劇団「天井桟敷」や寺山修司さんの、詳しくは知らないのですが、そういった芸術の方、田中未知さんで、そう知るとそう聴こえるように思いましたが、憂鬱なメロディー。

 

 

奈津子は九星飲料の配達で頑張ってる。

彼女は車が好きみたいですね。

 

奈津子の恋人、達夫を演じるのは風間杜夫さん。

私はこの達夫が好きになれませんでした。

なんか、昭和の男って感じはてなマーク

 

達夫は奈津子と結婚したいようだけど、奈津子はもっと他の世界を見たいと思っていた。

でも、ま、好きは好きなんですがね、達夫は奈津子の態度に苛立っていた。

 

 

長女の波留子だけ嫁いでます。

 

五木寛之の長編連作「四季シリーズ」は四姉妹の物語みたいですけど、映画化されたのは次女「奈津子」だけのようですね。

 

 

列車の中で、詩人の田村隆一さんと知り会った。

 

この列車の中でのシーン、いきなりおそらく「アドリブ」なんだと思うんですけど、強引な映画表現だと思いつつ、このシーンだけでこの映画を観た甲斐があった!!って思いました。

 

田村隆一さんを私は知らなかったんですが、セリフじゃなく、単に奈津子の悩みごとに自分なりに回答されておられるんですね。

それでもう、そう来られたら凄い。

 

 

布由子はロシアの詩人、セルゲイ・エセーニンの本を欲しがってたんですが、(おそらく妹ほどには文学とかに興味ないだろう)奈津子が田村隆一さんにそれを話したことで、あとで田村さんから布由子にエセーニンの詩集が届くのが心あたたまるエピソード。

 

田村さんはこの映画の中で私がただ一人、好きな男性キャラ。

 

 

写真撮影のために中垣昇が連れて来たアトリエ・Kで奈津子はケイとゆう女性と出会う。

 

この人が浮世離れしたとゆうか変な人なんですが、でもまたいかにもいそうな気がする人でもある。

 

演じてるのは夫・宇崎竜童と共に数々のヒット曲を手がけてきた、あの有名な作詞家の阿木耀子さんで、セリフの話し方がものすごいインパクト・・・本職の俳優さんの中で独特の引力を発生させるビックリマーク

実は私の従姉とよく似てるんですよ~。

一瞬でそう思いました。

 

 

で、なぜか「うん~、服、脱いだらはてなマーク」とか煽り始めるケイ。

なんかおかしいんですが、いつの間にか納得させられてる魅力がある。

奈津子もそこに惹かれたんじゃないですか。

 

そして撮影が始まるがケイも参加。

あんたも脱ぐんすか!!

 

なんか宇崎竜童さんが戸を蹴破って怒鳴り込んできそうな錯覚に陥りましたが、宇崎竜童さんの音楽はホントに素晴らしいです。

この映画の音楽にも参加されたら良かったのにね。

 

それと、中垣昇を演じるのは本田博太郎さん。

ここまでお若い頃は初めてでしたけど、なんかルパン三世みたいだ。

 

 

夜、奈津子と中垣はビデオで、マルセル・カルネ監督の『天井桟敷の人々』(1945年)を観ている。

私はその映画を観たことないんですが、奈津子の性格からして観そうにない映画に思えました。

が、一生懸命観ている。

中垣と知り合い、そうゆう難しい映画を観たことも奈津子のその後の変化に関連がありそう。

 

その後、奈津子と中垣は飲み屋に行くが、まだ行くんかいっ!!

映画を観たあとで・・・。

 

そこで奈津子は中垣から今売れっ子のCMディレクター・河本を紹介されるが、この人キモい~汗

演じるは火野正平。

小さい頃に観た、この人が死刑囚を演じたドラマを私はもう一回、観たいんですが題名がわかりません。

 

奈津子の妹、亜紀子は東京の大学に通ってるので奈津子は彼女の部屋に泊まる。

 

医学生の亜紀子は学生運動に熱中してほとんど帰ってこない。

殺風景な亜紀子の部屋にたどり着いたのは午前2時だった。

 

福岡に帰る時、中垣は奈津子に、これから十年間くらい東京へ奈津子が来るたびにヌード写真を撮らさせてくれないかと言う。

 

 

ボスホラスへは行ったことがない。

ボスホラスのことは 君 きいてくれるな。

でも、ぼくは海を見たんだ、君の目に。

碧の火の燃える海なのだ。

 

奈津子は布由子から届いた手紙にあったエセーニンの詩からボスホラスの海に思いをめぐらせ、布由子が絵に描いた唐変木の夢を見る。

布由子は今は病院の外に出かけられないが、自分はどこへでも行ける・・・。

 

達夫は反対だったが奈津子は東京へ行くことにする。

 

長女の波留子は結婚してたんですが、布由子の病気のことが向こうさんの耳に入ったらしくてね、実家に帰ることになるそうです。

 

 

達夫は見合いをすることにしたみたいです。

そんなことを言ってもアカンしビックリマーク

 

 

東京への列車の中、達夫が現れ、奈津子を次の駅まで送ると言う。

まあ口ではいろいろ言ってますが、結局、奈津子に未練があるのだ。

だったらなぜもっとちゃんとした形で引き止めないのか。

「さよならー」と奈津子。

 

 

東京ではとりあえず、亜紀子の部屋に厄介になる。

亜紀子は北海道へ行くとゆう。

 

 

私は四姉妹の中でも亜紀子の話をさらに知りたいと思いました。

かっこいいじゃないですか、この時代の学生運動とか環境保護とか。

 

奈津子は中垣やケイと再会するが、ケイは(体と引き換えに)横浜まで行きずりのジローちゃんのトラックに乗せてくれるよう頼んでた。

中垣はそんなケイを「ちっとも自分を大事にしないんだからなあ」と嫌がる。

だったら本人に直接言えよ。

 

思いつくままに生きるケイと奈津子はもっと話してみたいと思う。

それで帰りはまた関係のない若者の車で送ってもらうが、ケイの話に若者も混乱して何もせず帰ってしまう。

奈津子はケイの奔放さについて話してみるが、逆に視野が広がったりした。

 

奈津子はホテルの「ルームメイド」のアルバイトをしようとするが、面接した昭和のクソ親父のセクハラ&パワハラ対応ががちで最悪でさすがに奈津子も怒る。

 

あんまり人をナメるとぶっ飛ばされるけんね。

よか年寄りのくせして、ちいとは礼儀ちゅうもんも思い出したらどうね。

心配せんでよか、こげなホテルはこっちから願い下げや。

 

 

次はハンバーガーの普及を媒介に社会全体のハーモニーを回復しようとゆうヒューマニスチックな運動のヤングハーモナイザー大募集!!の説明会に行くが、このバイトも狂ってました。

 

説明会で居眠りし、奈津子は布由子が自殺する夢を見る(大丈夫でした)。

 

 

続けてお父さんが亡くなる夢まで見てしまう。

東京に出てきて不安になってたのかな。

 

八月、風はそよとも動かない。

よどんだ空気、にごった空。

 

奈津子はホテルのプールに行くがそこで中年俳優の森隆人にナンパされ、車を見せたいっちゅうので乗せてもらうことになったが、そこで偶然ケイと再会、わざとらしい。

ケイは野生の大麻を取りに北海道へ行ってたとか・・・ってゆうか北海道へ行ってるのは亜紀子じゃなかったっけはてなマーク

 

 

いろいろあって奈津子は「いい体してる」って理由で森隆人が出演してる映画『愛の迷宮』のオーディションを受けてみることになる。

ケイもやってみればと言う。

 

奈津子は今売れっ子のCMディレクター・河本と再会し、酔って身を任せてしまうのがまたイヤな気分なんですが、烏丸せつこさんの酔った時の演技、上手いですね~。

 

 

奈津子は中垣にもうヌード写真をやめる、私女優になるのと宣言。

中垣はやめとけと言う。

中垣の言い分にも一理ある。

彼はギリギリで芸術家だけど、奈津子の目指す世界はどうなのだろうか。

 

 

映画のオーディションがホントにイヤな感じ。

いきなり女優志望の人を裸で立たせてジ~ッと見てるってどんな商売なんかよ。

 

女の裸を出さんと売れんような映画、最初からやめとき、ホンマ。

だのに、女の子たちはそんな映画にすら出たがるとは。

薄っぺらい世界である。

 

 

しかし奈津子もなかなかふてぶてしい。

そして監督も変。

 

 

ここで「Kプロ」とか出まかせを言うケイの機転が素晴らしい。

 

そして奈津子はなぜか嬉し泣き、ってゆうか嘘泣きはてなマーク

 

 

女優になると亜紀子に報告すると「バカみたぃw」と言われる

三女は直後に善人を装いつつ盗みを働く。

 

週刊誌に奈津子のヌードが掲載される。

布由子から奈津子を励ますような手紙が届いた。

 

奈津子ねえさん、週刊誌に出ていたヌード写真、とってもきれいでした。病院でも大評判だけれど、波留子ねえさんは写真を見て寝込んでしまったそうです。

でも、奈津子ねえさんは生きている限り可能なことは何でも試してください。

ねえさんが自由に生きる姿を見ることで、私は自分が生きてられると感じられるのです。

ねえさんがポシャった時は私が死ぬ時です。

田村さんからまた一冊、詩集を送っていただきました。

私は

 

ここまで言われたらもう頑張るしーかなーいさあせる

 

奈津子はケイに「有名になりたいあたし」と明かした。

 

「人は皆、それぞれに生きて、それぞれに死ぬの」とケイは言った。

 

奈津子は撮影の前に実家に一度帰り、ケイもついてきた。

 

ケイは波留子と打ち解けるが、口が軽すぎ(^_^;)

 

奈津子は父と並んで寝て話した。

 

奈津子は、あったかい手してるな。

 

金森達夫は財産家のとっても素敵なお嬢さんと先月、結婚しており、波留子は布由子のいる病院の沢木先生と恋愛中だった。

 

ねえ、魂って、どこにあるんだろうはてなマーク

 

 

今の私には、魂って肉体のことだわ。

 

 

けっこう我慢して観てた時間もあったんですが、一生けん命、観まして、観た甲斐がありました。

 

イヤな気分になる場面もあったけど、昭和の空気を感じられましたし、作品の中で描かれる奈津子の選択も昭和の時代の中であがいた結果みたいで映画のラストがスタートラインみたいな終わり方で、なんか爽やかだったかな。

 

この作品は「これまでの映画の形にこだわらず、自由な映像を目指すということから、シナリオを作らず原作をもとに演出がなされた。ダイアローグ・ライター(セリフ作家)に、ニッポン放送第一回青春文芸賞を受賞した粕谷日出美が参加、そのダイアローグをもとに、撮影現場で状況に応じてセリフをふくらませていく試みがなされた」とのことなんですが、驚いたことにその粕谷日出美さん、私が以前、「観たい映画」として書かせてもらった『無力の王』(1981年、石黒健治監督)の原作の方なんですね、いや、ホントに映画を観たあとで知ったんですが。

 

つまりここにも私の昭和への思いが一人の女性作家によってシンクロニシティなんですね、すごいわー。

 

映画としてはキャストの方それぞれのセリフ回しの個性が魅力でした。

日本映画ならではの楽しみですね。

 

男性キャラが魅力的に描かれないのは、奈津子に結婚とゆうゴールを目指させないためはてなマーク

わかりませんが、そうならこれは女性映画でしょう。

女の生き方の映画じゃないですか。

その感じで観れて良かったです。

 

そして、できたらホントに原作が読んでみたいな~。

映画もいいけど、そればかりではね。

たまには本も読まなあきません。

 

でわ、今日もおおきに、ありがとうさんです・・・☆⌒(*^-゜)v

 

 

チャプターリスト

 

01 五月の風を切って

02 妹、布由子

03 揺れる、奈津子

04 男、どこか退屈

05 詩人と出会って

06 二人ヌード 

07 何か、求めてる

08 奈津子の裸身 

09 姉妹の絆

10 男を振り切って

11 妹、亜希子

12 ケイ、謎めいた女

13 都会の海へ

14 二枚目スターになろうと・・・

15 女優になろう

16 ヒロインを射止めて

17 真夏の光のように

18 姉、波留子の恋

19 魂はどこに・・・

20 奈津子、女優へ