韓国映画 フェイク 我は神なり 2013年 | Asian Film Foundation 聖なる館で逢いましょう

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アジア映画に詳しくなかった私がアジア映画を観てます♪
ネタバレはできるだけ避けております…(ㆆᴗㆆ)*✲゚*。⋆

 

 

アンニョン(^-^)ノ

いつもありがとうですキスマーク

 

 

 

 

 

7月2日ですが『エクストリーム・ジョブ』(2019年)のブルーレイ&DVDが発売されますNEW

 

普通版のブルーレイとDVDと豪華版ブルーレイがあるようですが、ディスク枚数はどれも1枚で、豪華版には映像特典として「メイキング」と「コンミョン 撮り下ろしインタビュー」があって、ブックレットが付くようです。

普通版の映像特典は「予告編」だけのようですね。

さらにAmazonさんでは「Amazon.co.jp限定」版もあって、ミニポスターが2枚、付くようです。

ややこしい(^_^;)

 

やっぱり5urpriseコンミョンくん人気をアテにしてる予感が漂いますが、豪華版の方が2000円くらい高い~あせる

 

あと、日本語吹き替え音声はないようなのがすごい残念です(´・_・`)

 

また、『エクストリーム・ジョブ』は現在、1200円で期間限定先行配信中ビックリマークだそうなので、そっちを利用されるのもいいですね。

今すぐですから。

 

作品としてはホントに笑える楽天的なコメディなので、今こそ元気もらうために観てほしいです、是非!!

 

 

 

 

 

4月24日、この作品を観ました・・・映画

 

珍しいかもですが、韓国のアニメ映画。

 

 

 

 

 

フェイク 我は神なり

 

 

フェイク 我は神なり
原題:사이비
英語題:The Fake

(2013年、韓国映画、101分)

監督・脚本:ヨン・サンホ
製作:チョ・ヨンガク
製作総指揮:キム・ウテク
美術監督:ピョン・キヒョン
テクニカルディレクター:ヨン・チャンフム
音響監督:オ・ユンソク
編集:イ・ヨンジョン
音楽:チャン・ヨンギュ

ヤン・イクチュン - キム・ミンチョル
オ・ジョンセ - ソン・チョル(牧師)
クォン・ヘヒョ - チェ・ギョンソク(長老)
パク・ヒボン - キム・ヨンソン(ミンチョルの娘)
ファン・ソクジョン - ヨンソンの母親


キム・ジェロク
キム・ナムジン
イ・スヒョン
キム・ヨンファン

配給:ブロードウェイ

 

 

また凄いものを観てしまったビックリマークって感じですあせる

 

監督は『新 感染 ファイナル・エクスプレス』(2016年)のヨン・サンホ監督。

 

私、ヨン・サンホ監督の『ソウル・ステーション パンデミック』(2016年)を劇場で観たこと、あとあと誇りに思うかもしれません。

 

韓国のアニメ映画、しかもゾンビものって、もともとほとんど興味のなかった世界をあえて観に行ってるわけですから、しかも前売り券を買ってパンフまで買ってるしあせる

ホントにぜんぜん泣けない、イヤな感じの映画でしたよね~(>_<)

 

しかし、それにしても・・・ヨン・サンホ監督、その前にこんなもの凄い映画を作ってたなんて汗

そう思うほどの映画が『フェイク 我は神なり』でした((((;゚Д゚))))

 

原題は「擬似」、「いんちき」。

 

 

例によって萌え度ゼロの絵でイヤ~な感じの話なんですよー汗

 

最初っからイヤなものを見てしまう汗

 

観ようって方は覚悟を決めて観てくださいよー。

 

ダムの建設によって水没する予定の村が舞台です。

 

村の人たちは立ち退きのことで幾らかお金をもらってたんですが、そこへキリスト教系の新興宗教のプレハブみたいなテント・タイプの礼拝堂ができまして、みんな拝みに来てるんです。

 

 

で、教会のリーダー的な(ってゆうか〝経営者〟ですね)長老のチェ・ギョンソクは、青年牧師のソン・チョルを呼び寄せてお説教を依頼します。

 

 

ソン・チョル牧師の声を演じるのはオ・ジョンセさん。

オ・ジョンセさんってこんないい声なんですね。

 

そして長老のギョンソクの声を演じるのはみんな大好きなクォン・ヘヒョさん。

いや、正直、クォン・ヘヒョさん~、こんなイヤな感じのヤツの声を演るのやめて~(>_<)あせるって感じなんですが、また合ってるのよ、やけに汗

 

ソン・チョル牧師は、なんとなくギョンソクを疑わしく思うんですが、必要とされているので引き受ける。

 

 

信者たちの切実な祈りに驚くソン牧師。

 

 

そんな中、一人の男が村に帰ってくる。

男の名はキム・ミンチョル。

 

 

時同じくして、ヨンソンって女の子が仕事を頑張ってお金を貯金してたんですが、ようやくソウルの名門大学に合格して大喜び。

彼女にとってそれがどれほど嬉しいことだったか。

今の暮らしから抜け出せる唯一の道なんです。

 

 

喜び勇んでお母さんに合格を報告したんですが、机の引き出しにしまっておいた、大学に通う時のために貯めた通帳がなくなっていた。

母と娘は一瞬で不安におののく。

 

その頃、村に帰ってきたミンチョルは博打でお金を溶かして、イライラしつつスナックで酒を飲んでたんですが、店の人からも嫌がれてる中、店の客の一人とトラブルになりトイレで殴り倒されます。

相手はあの長老のギョンソクでした。

 

腹に据えかねるミンチョルは追いかけますが、ギョンソクは連れの人たちと車で消えました。

 

交番へ連れて行かれたミンチョルは、そこでギョンソクが手配中の詐欺師だと確信しますが、警察の人たちもスナックのママさんも(こんな下品なおっさんの言うことだし)違うと思って取り合わなかった。

 

 

ミンチョルはヨンソンの父親でした。

 

久しぶりに家に帰ってきたミンチョルに妻はビクビク。

それでもヨンソンは必死で父親に通帳のことを尋ねました。

そのお金がなければ大学に行けないんだから。

 

はたせるかな、ミンチョルは博打と酒でヨンソンの大切な貯金を使い果たしていました。

 

そして問い詰める娘に暴力を振るい、また出かけた。

 

ミンチョルの妻が夫のDVを恐れるあまりに、ことを荒立てないようにしよう、夫を怒らせないようにしようと、そればかりに気にして恐怖と暴力に支配されているのが、現実的に家庭内暴力の典型で、ムカムカきます。

 

ミンチョルはすぐに暴力を振るう粗暴な男で、村中から恐れられていましたし、また嫌われてもいました。

 

大切な資金を使われ、ヨンソンは自ら命を絶つことさえ考えますが、母と娘は村の女性たちから勧められて教会の祈祷に参加することになり、すぐに信者となっていく。

 

教会は信者たちから寄付を募り、立派な「パンソク花園祈祷院」を建設しようとしていた。

 

信者たちもそこが完成すれば、そこで暮らし、幸せになれると考え、寄付の額を増やしていくのだった。

 

 

そんな中、ギョンソクへの復讐に燃えるミンチョルは仮説の祈祷所に押しかけて怒鳴りまくり、娘のヨンソンがやめてと言うのにもまた暴力を振るい、ソン牧師に制止される。

そしてギョンソクの手下たちに捕まり、人気のないところでリンチを受け、監禁される。

 

たしかに、牧師が起こした〝奇跡〟は疑わしいものだったが、信者たちはそれでも信じているようでした。

 

 

ギョンソクは若いヨンソンに目をつけ、言葉巧みに騙して別の働き口を世話する。

 

 

そして村の人たちには、さらに寄付するよう煽りまくるのだった。

 

 

最初の30分くらいのところだけ、ストーリーを書かせてもらいました。

 

このあと1時間、もっと凄いことが起こります。

 

観てて思い出したのは、昔によくテレビで放送されてた、ビートたけし原作の『教祖誕生』(1993年、天間敏宏監督)・・・なんですけど、『フェイク』はもっとむごたらしく、怖い。

 

観てて、ドヨ~ンと気が沈むし、イライラもするんですが、それでも最後まで観なければ絶対に気がすまない。

そんな面白さもあります。

 

 

誰もが正しいことも言うのに、誰もが間違ってる。

まっすぐ行こうとして、曲がっていく。

そんなふうに思えました。

 

だって私も誰かに当てはまると思ったから。

 

凄い脚本を書かはりますね、ヨン・サンホ監督・・・。

 

ってゆうか、凄い映画作家ばかりですよ、韓国映画。

 

 

幸せを目指して努力してきた人がさらに苦しむ理不尽。

人を騙したり、暴力を振るうような人間がのさばる不条理。

そして信仰とは、信心とは何なのか。

 

この作品は宗教を哲学した映画で、さらに人間を哲学した映画でしょう。

ねえはてなマーク

めちゃくちゃ深いですよ、もう。

 

だから私なんかがちょっと考えたって難しくってわからないし、えらそうなことも書けないんだけど、でもホント、観て良かったですよ。

観終えて、観て良かったって思ったもん。

これは観ておかなきゃダメだって思いましたよ、ホント。

 

絵もね、好きじゃないんですけど、凄く圧倒された。

絵が凄いなあ、と思いました。

怖い、悲しい絵です。

アニメはこんなこともできるんだ!?って思った。


 

暴力DVクソ親父のミンチョルがホントに憎たらしくって早よ死ねとしか思えないんですが、途中でこいつが主人公だと気づいて愕然としましたわ汗

 

声はヤン・イクチュンさんです。

凄い声で演じてるなー汗

 

この方、どんな仕事も全開ですね。

 

それと、チルソンっておとなしいおじさんの役でキム・ジェロクさんも声の出演でした。

『新 感染』の最初で鹿を轢いた人を演じた俳優さんです。

 

キム・ジェロクさんが主演したシン・ドンイル監督の『訪問者 Host & Guest』(2005年)もいい映画ですよ。

 

 

ネタバレですが、ラストの解釈、私なりに書かせてもらいますね。

 

ミンチョルはまったく信仰心のない男でしたから、ああして宗教のインチキを見抜き、それにこだわってました。

 

でも、自分の行動で事態が最悪な結末を迎え、そののち、年老いて心が弱ったこともあったんでしょう、もう暴力で人を脅かすこともできなくなったんでしょう、そして何よりも罪の意識に苛まれてきたんでしょう、彼は救いを求めて祈ることになったんじゃないでしょうか。

ああして人知れず、初めて信仰にすがり。

 

皮肉だし、悲しいラストだと思います。

 

 

ヨン・サンホ監督は『新 感染』のあと、リュ・スンリョンさん、シム・ウンギョン主演の実写映画、『サイコキネシス -念力-』(2018年)を完成させましたね。

 

『サイコキネシス』は私は観てないんだけど、Netflix(ネットフリックス)で観れるみたいです。

 

そして、ヨン・サンホ監督の最新作はご存知、『新 感染』の続編、『半島 Peninsula』(2020年)・・・今年の夏、公開予定。




『新 感染』の4年後を描く『半島』ですが、私は、実は・・・『フェイク 我は神なり』や『ソウル・ステーション』の方にはやっぱり行ってほしくはないんですよね~(^_^;)

 

だって、そうなったら『新 感染』のファンがイヤがると思うしヒットもしないと思うんですよね~。

 

まあ、もうとっくに撮影も終わってるし、今さら言っても遅いんだけど、でもきっと周囲の人たちと相談して、ヨン・サンホ監督も娯楽映画の方に振りきってくれてると思うビックリマーク

そう願います(^_^;)

 

ティーザーの予告を見たらさらにお金もかけてそうだし、なんかホントに凄そうですけどね。

やっぱり期待していいんじゃないですかー!?

 

とにかく、『半島』、めちゃくちゃ楽しみです音譜

日本での題名はどうなるんだろー!?

 

いや~、でも、もう、『フェイク 我は神なり』みたいな映画はしばらくは堪忍ですあせる

こんなん続けて観てたらやばいって~あせる

 

けど、ホントに観て良かったです。

まがまがしいほどにものすごい傑作!!

 

でわ、今日もおおきにです、アンニョン(^.^/)))