取り敢えず打ち破ろうか 256 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

相葉君に連れられて入った部屋は

仕事部屋のような感じ

 

「櫻井さんに来ていただいたけど

 櫻井さんで間違いないよね?」

 

少し不安げな顔をして

椅子に座る二人に聞く

 

「間違いないよ」と答えながら

二人が椅子から立ち上がり

 

「バタバタしてる最中に

 お呼び立てして

 申し訳ございません」

そう言って笑みを浮かべた

 

確かにバタついてる

俺も彼らも平安の装束姿

(もちろん相葉君も)

誰かがこの光景を見たら

時代劇の撮影と思ってしまうだろう

 

そんな中、呼び出されたのだから

警戒するのは当然だけれど

二人とも全く敵意は感じられない

寧ろ友好的な感じがする

 

確か ・・・ 二人とも学生だったはず

どこからどう見てもかなり若い

 

「自己紹介をさせていただきます

 僕は蒼穹ミュージアムの館長になる予定の

 二宮和也です」

 

「僕はまだ筆頭長老家の次期当主

 松本潤です」

 

新体制になっていないから『まだ』なのだろう 

 

「初めまして

 櫻井翔です

 先ほどご挨拶が出来ずに

 申し訳ありません」

 

今は耀の一族とは関係ないから

全く肩書は無い

智君のパートナーですと言うのもねぇ(笑)

 

「どうぞ、お座りください」

 

「はい」

 

二人の椅子の前に

一つだけ置かれた椅子に座るように言われた

尋問でも始まるの?

 

二人の近くの椅子に相葉君が座って

 

「話が通じてないみたいだけど

 メールで送ったんだよね?」

 

「うん、送ったよ」

 

「心当たりがないって言われて

 間違ってるのかドキドキした」

 

二宮君と話をする相葉君

多分俺の事だよな ・・・

 

二人の会話を聞きながら

ハタと気が付いた

 

面接だ!

館長直々の ・・・

 

でも、即位の儀の最中にするかな?

真夜中だよ ・・・

 

半信半疑な状態で

彼らが話すのを待つことにした

 

「心当たりありますよね?」

 

二宮君が俺の様子を窺うように尋ねる

 

「はい、この席に着いて気が付きました

 面接ですよね」

 

そう答えると

相葉君がホッとした表情で

「良かった、間違ってなかった」ってぼそっと呟いた

 

「面接の予定でしたが

 その必要はないと判断して

 採用が決定いたしました

 出来れば直ぐにでも

 こちらで働いていただきたいのですが」

 

二宮君の言葉を聞いてるんだけど

あまりにも唐突な言葉に

理解が追い付いかず

ポカンとしてしまった

 

「長老家でも承認されたことを

 お伝えするために

 私も立ち会わせていただきました」

 

松本君が後に続く

 

「文化財保護のお仕事をされていたんですよね

 そう言う意味では

 僕よりも詳しい方なので

 即戦力になると判断しました」

 

「そう言っていただけると

 非常にありがたいですが

 もしかして ・・・」

 

貴方が採用を決めたの?

それだとズルしたような気がして ・・・

ここは辞退した方が良いの?

 

貴方の相談すればよかった ・・・

 

「長は知らないですよ 

 櫻井さんが募集に応募されたこと

 お世話係の判断で伝えておりません

 ですから、貴方が懸念されているような

 事実はないです

 厳正な審査をして

 面接のメールを送っていますので

 ご安心ください」

 

「和の言う通りですよ

 櫻井さんの職歴を鑑みて

 即戦力になる方だと判断したと

 聞いています

 実は僕たちは審査に関わっていないんです」

 

二人が顔を見合わせて

大きく頷いた

 

「つまりは?」

 

「人事権は5長老会の審議を経て決まります

 そして和也はまだ館長ではないので

 発言権もありません

 そう言う意味では

 櫻井さんはかなり不利な立場だったと思います

 ですが、採用の決め手は職歴です

 文化財保護に明るい方が適任だと判断された

 ですから胸を張ってください」

 

彼らの言葉には嘘はなく

漸く実感がわいてきた

 

「ありがとうございます

 仕事に邁進いたしますので

 どうぞよろしくお願いいたします」

 

立ち上がって深々とお辞儀をした

すると相葉君が立ち上がって

 

「櫻井さんと一緒に仕事が出来る事

 嬉しく思います

 館長予定の和が大学に戻るので

 半年は館長不在となります

 忙しくなりますが

 よろしくお願いします」

 

その場で一礼する

 

「僕の経験が役に立つなら

 どんどん使ってください

 直ぐにでも、こちらに移り住みます」

 

物件探しは綾野君を頼ろう ・・・

出来る事なら

このまま移り住むけど

 

「これで帝の御璽の使用は

 彼が第一号になるね」

 

「俺達からのお祝い

 喜んでくれるかな」

 

二宮君と松本君が頷きながら笑みを浮かべた

彼らからのお祝いの気持ちだから

今日、この時間なんだ

 

 

ただ、俺は第一号にはならない

何故なら即位したことを

国内外に伝える書面に押すのが最初のはず

でも、そんな事は関係ない

彼らの気持ちが重要だし

俺はここで暮らすことが出来る

 

 

 

 

貴方に会ったら

最初に伝えないと

喜んでくれるよね

 

 

 

 

 

 

<続きます>