取り敢えず打ち破ろうか 255 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

翔兄に同行を頼んだら

考えるそぶりも見せずに

「一人で行け!」と

あっさり断られた

何で?と食い下がったら

「俺は本家側の人だからな」と

嬉しそうに答える

確かに御前に息子認定してもらってたから

本家側と言えばそうだけど

恨めし気な眼差しで睨みつけても

どこ吹く風状態で手をひらひらさせて

「一人で行ってこい!」と繰り返された

 

渋々一人で廊下に出ると

綾野君と小滝君が待っててくれた

 

「俺 ・・・ 何かしたのかな?」

 

はっきり言って

名前が出た二人とは会ったことがない

(暁殿での対面が初めてだったはず)

 

「櫻井さん、何も心当たりがないんですか?」

 

小瀧君の言葉の中に

『あるでしょ?』って意味が隠されてるけど

全く心当たりがない

 

「お会いしたことがない方だし

 確かお二人は長老家の次期当主でしょ?」

 

「ええ、お二方とも長老家の方です

 ただ、当主になるのはまだまだ先になります」

 

綾野君が説明してくれるけど

貴方から聞いてたことと違ってる

 

「長の交代と共に当主になるんじゃなかったの?」

 

「ええ、当初はその予定でしたが

 即位の儀が執り行われることが決まった時点で

 里の体制も変わることになり

 東の家が中心となり改革を進めることに決定し

 それにより当主交代は未定となりました」

 

「ああ、暁の一族ではなくなるからか ・・・

 それなら納得だけど

 長老家には変わりないよね ・・・」

 

用件が分からずに呼び出されるのは

どうしても落ち着かない ・・・

何度も首をひねって考え込んでる俺を

小瀧君だけではなく綾野君も

『信じられない』って顔をして

俺と同じように首を傾げた

 

「二人とも用件は知ってるんだよね?」

 

どう考えても知ってるよ 

それなら教えてくれても

 

「櫻井さん、あの渡り廊下を抜けると

 屋敷表です

 小瀧、頼んだよ」

 

綾野君は俺の問いには答えず

渡り廊下前で俺に一礼して

別の場所に向かって歩いて行った

 

綾野君は口が堅いから

最初から期待できないが小瀧君なら ・・・

 

「何も話しませんよ

 どうぞお入りください」

 

俺のすがるような視線をスルーして

にこやかに釘を刺された

 

観念して腹を括るか ・・・

小さくため息をついて

屋敷表に繋がる廊下を渡り

小瀧君が開けてくれた戸を潜ると

相葉君が迎えに来てくれてた

 

「櫻井さん、お久しぶりです

 お元気でしたか?」

 

暁殿では顔を合わせただけで

話していなかったから

会いに来てくれたようだ

 

出会った頃の悲壮感はなく

見違えるほど明るくなった彼は

満面の笑みを浮かべて立ってた

 

「久しぶりだね

 見ての通り元気だよ

 智君から君と風間君が里に戻り

 元気に過ごしてると聞いてた」

 

「はい、二人で戻り

 春に開館する美術・博物館の仕事をしています

 櫻井さん、迷いのない瞳をされているので

 安心しました」

 

彼には情けない姿を見せてるからな ・・・

かなり心配も掛けた

 

「相葉君のお陰で

 今、この場に立ててるんだ

 君には感謝してるよ」

 

「それは俺の方です

 長と櫻井さんのお陰で

 里に戻れましたから

 お会いできてうれしいです」

 

満面の笑みを浮かべて

右手を差し出したので

両手でつかんで

思いっきり握手をした

 

「小瀧君も忙しいでしょ?

 ここからは俺が案内するよ」

 

「それでは

 よろしくお願いします

 櫻井さん、ここで失礼いたします

 お戻りの際は、お呼びください」

 

最後まで口を割らずに

その場で一礼して戻って行った小瀧君

 

「相葉君、用件って知ってる?」

 

今度は相葉君に聞くと

目をパチクリさせて

「はい?」って驚いた顔をする

 

迎えに来てるんだから

知ってて当然なんだけど ・・・

 

「全く心当たりがなくて ・・・」

 

「もしかして別の人だった?」

 

不安げな表情になり

何度も首を傾げて

 

「取り敢えず来てください」

 

慌てふためいた顔で

俺の腕を掴んで引っ張っていく

 

 

 

別の人?

どういう意味?

 

 

 

 

 

<続きます>