取り敢えず打ち破ろうか 246 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

皇子と画伯の着替えが済んだと

綾野君が呼びに来てくれた

2人が蒼穹殿に向かう前に

話せなくても姿が見たいと

伝えていたからだ

 

「ありがとう

 二人の姿を見たら

 そのまま支度に入るよ」

 

「承知しています

 お二方とも

 凛々しいお姿に

 なられました」

 

見惚れてしまったのだろう

綾野君の瞳がきらりと光って

その様子を物語っていた

 

高貴な生まれの皇子は想像通り

画伯は普段ラフな格好で

あまり身なりに気を使わないから

凛々しい姿が想像できなかったけど

元が良いから様になる気がする

 

直ぐにでも目に焼き付けたくて

急いで部屋を飛び出すと

綾野君が後ろから追いかけて来た

 

手には使い捨てカメラが ・・・

皇子って写真に写るのか?

画伯と並んだ姿

残せるなら残して欲しい

 

部屋の中に入ると

綾野君が見惚れた気持ちが分かった

 

冠下の髻姿で

蒼穹国の皇子だけの色の袍を身に着けている

紅掛空色かな?その色に少し蒼が交じってる?

皇子だけの色だから色の調合は秘密

 

蒼穹国の禁色とされた色は二つ

帝だけが身に着けられる色は

瑠璃よりも少し明るい色

 

どちらも空を表す色だ

空に浮かぶ太陽が

帝であり皇子だという考え方だ

中の装束は白で統一しているが

袴の裾と束帯は赤丹に染められている

 

着ている人の輝きが

裾から漏れているように見える

 

まるで空に陽が昇るようないで立ちに

思わず息を呑んだ

 

「皇子 おめでとうございます」

 

ありきたりな言葉しか浮かんでこない

それくらい美しい

 

「なんだか不思議な気分だ ・・・

 私が皇子で帝になると言うことが

 里の長としても半人前だったのに ・・・」

 

「何を言っているんです

 貴方が居たから里は今の時代まで続いたんですよ」

 

見極める者(画伯)の袍は白

中に着ている装束の色は天色のような色

これも特別な色の様な気がする

画伯も凛々しく

翔兄が見たら固まると思う

 

「この日を待ち望んでいた

 父上、母上、そして長老に兄弟たち

 そして里の皆への恩返しになるのなら

 堂々としないとな」

 

「そうですよ

 胸を張って

 回廊を歩いてください」

 

2人が笑みを浮かべて

大きく頷いた

 

「恐れ入ります

 そろそろ蒼穹殿に向かう時間となります

 お二人ともお支度をお願いします」

 

声を掛けたのは御前

回廊前まで見送るのも御前だ

 

 

先導する画伯は

即位の儀の後、皇子が身に着ける物

帝の冠、勾玉が入った箱を持って歩く

皇子は顔が見えないよう工夫された烏帽子をかぶり

ゆっくり蒼穹殿に向かう

 

戦いを好まなかった蒼穹国

蒼穹殿内に宝剣を持ち込むことはせず

即位後のお披露目の席で

身に着けることとなる

鏡(真実を映す鏡)は

蒼穹殿に祀られているため

持ち出すことはない

 

「綾野君、写真」

 

小さい声で声を掛けると

うっかりしてたのか

慌ててカメラを二人に向ける

 

「画伯、皇子と写真を」

 

門外不出の写真なのだから

問題ないだろう

 

「長のお許しが出ておりますので

 写真を撮らせていただきます」

 

二人が並んだ姿をカメラに収めた

 

満面の笑みを浮かべた二人

後で翔と翔兄に見せてあげよう

 

2人が回廊へ向かうのを見送り

ここからは俺の支度

 

 

歩く姿が見たかったけど

致し方ないな

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>