君のいない迷路 149 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

サンフランシスコの上空に差し掛かり

機内アナウンスが流れた

シートベルトをつけ着陸準備に入る

 

「もうすぐだな ・・・」

思わず声に出してしまった

 

それを聞いてた内田が

同じ気持ちだったのか

嬉しそうに笑って

「ああ、もうすぐだよ」と言って頷いた

 

「入国手続きがスムーズにいくと良いな

 後は荷物だな ・・・」

 

常に冷静な池田が

ぼそっと呟く

少しは燥いでくれると有難いのだが

引率の先生みたいな立ち位置だ

 

「櫻井にチェックして貰ったから

 スムーズにいくだろ?」

 

そう言いながらも

ちょっと不安なのか

笑顔が固まってる 

 

問題なくても荷物検査はある

それは仕方ない事だから

あまり気にしない

 

「いつも通りにしてれば大丈夫!」

 

飛行機の中で

入国審査の受け答えの練習もしたから

そこも心配する必要はない

 

『大丈夫』の3文字だけで

表情が和らいでいく

3人一緒なんだから安心してていいよ

自分にも言い聞かせるように

心の中で呟いた

 

飛行機が空港に着陸

シートベルトを外せのサインが出た瞬間

さっきまでの不安はどこ吹く風の内田が

嬉しそうな顔をして

「ついた~!」って小さく叫んだ

流石に9時間は長かった

(寝てたとは言え)

俺も叫びたかったな ・・・

 

「櫻井も叫んどけば(笑)」

俺の後ろで池田がぼそっと呟いた

見透かされてるというか

此奴ってそう言う所を逃さない

 

「あはは 心の中で叫んだからいいよ」

 

「大野を見たら叫べよ

 会いたかった~って(笑)」

 

笑い飛ばしたいけれど

そうしたい俺もいて

思わず頷きそうになる

許されるなら

順番を待たずに駆け出したい心境なんだから

 

「順番は守ろうな!」

 

「そこは俺も櫻井も守るよ」

 

内田が代わりに答えてくれた

気持ちが同じの二人は通じ合ってるんだな

此奴も君に会えるのが嬉しくてしょうがないんだから

 

「3人で出迎えてくれるのかな?」

 

君がトニーたちと並んでいるところを

あまり見たくなくて

考えないようにしてたけど

言葉にされると心がざわつく

平静を保っていられるか心配

 

「心の準備をしておかないと ・・・

 俺ヤキモチ焼だからさ」

 

親友を自負する内田にとって

仲良く並んで出迎えられたら

それはそれで複雑なんだと思う

自問自答して答えを導き出し

自分で認めているのだから

此奴は凄い奴だなと思う 

 

心がざわつくのは俺も同じ ・・・

 

そんな俺達を見て

池田は苦笑しながら

 

「大野一人で出迎えてくれるよ

 そこはちゃんと気遣いが出来る奴だから

 二人とも心配せずに

 思いっきり抱きついていいんじゃない」

 

確かに君は気遣いの人だ

一人で待っててくれる気がする

 

飛行機から降り

入国審査も

荷物を受け取りも

スムーズに済み

 

いよいよ君が待つ出口に向かう

 

 

池田が言ったように

笑顔の君が一人で待っててくれた

 

 

内田より先に抱きつかないと

出来るかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>