君のいない迷路 147 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

新幹線から降りてきた二人は

大きなスーツケースも何のその

最高の笑みを浮かべている

迎える俺も同じような笑みを浮かべてるんだと

容易に想像が出来た

(俺が一番燥いでるかも)

 

「すんなり乗れた?」

 

仕事が終わってからの移動

それも大きな荷物を持ってる

大変だっただろうな ・・・

 

「タイムカードの前で待ってて

 終業時間になったと同時に退勤した」

 

「同じく!」

 

内田も池田もミッションクリアとでも

言いたいのだろう

二人でハイタッチして頷きあってる

 

「俺も似たようなもんだけど

 ここに早く着きすぎて困ったよ」

 

「家に戻っても間に合っただろう?」

 

池田の言う通り

家に帰りシャワーを浴びる時間もあった

最初はそうしようと考えたけど

会社を出た瞬間から

旅が始まったと思うと

家に戻って仕切り直しっていう気分ではなかった

 

「会社で着替えて

 そのまま来た」

 

その瞬間、二人が声を立てて笑う

 

「あはは ・・・ 池田の予想通りだな」

 

「だろ?

 だから賭けにならないって言ったの」

 

まさか俺の事を賭けに使った?

訝しげな顔をすると

池田が肩を叩いて

 

「一回家に戻るのかなって

 内田が言うから

 俺は絶対に帰らないって言ったの」

 

「最初は帰るかなって思ったんだけど

 俺だったら

 やっぱ帰らないなって思って」

 

「もし池田だったら?」

 

「俺だったら帰るな」

 

「そうなの?

 無駄な荷物は置いていきたいだろ」

 

池田らしいと言えばそうだけど

逸る気持ちとかないのかな?

 

「一旦家に戻ると

 ワクワクした気持ちが

 リセットされる気がするんだけど」

 

「内田の言う通り ・・・

 リセットされる気がする」

 

「着替えをどこでするかって話だよ

 家に帰って着替えてから出発!

 の方が旅行に行くって感じじゃん

 起点が家か会社かって事だろ」

 

「違うって

 朝家を出た瞬間から旅行気分だから

 今日一日仕事になった?」

 

「ならない」

「なんない」

 

2人とも即答

弾んだ気持ちは持続するから

 

「で、何してたの 

 飯食ってないだろ?」

 

「食ってないよ

 母からミッションが出たから

 それをこなしてた」

 

「「ミッション!!」」

 

2人が声を揃えて

不思議そうな顔で

何度も首を傾げる

 

池田は一瞬難しい表情を浮かべた

考えてることが何かは想像できる

だからすぐに種明かしをしないといけないと判断

 

「智に食べ物以外の土産を買って行けって

 言われたの

 考えたらスーツケースの中

 食材だけだって気が付いて

 慌てて探した」

 

センスの良い物ってなに?

アワくって走り回った

時間が足りないくらい

大忙しだった 

 

「おばさんらしい(笑)

 焦って走り回ってるお前が

 目に浮かぶ」

 

池田が頭の右の上あたりで

俺の姿を想像してるのだろう

視線を少しだけ上に向けて

クスクスと肩を揺らして笑った

 

楽しんでくれてありがとう!

 

「櫻井って慌てると

 ポンコツになるもんな」

 

「それは褒め言葉なんだろうか?」

 

「ああ、褒めてるよ

 可愛いじゃん(笑)」

 

こいつも同じように肩を揺らせて笑ってる

 

内田よ、俺は君より年上なんだが ・・・

可愛いとは ・・・

 

「何を買ったのかは 

 向こうで見せて貰うよ」

 

「そうだな

 そうしてくれ!」

 

君が一番に見るお土産だから

何を買ったかも言わない

 

「内田、その手に持ってるのは何?」

 

大きめの紙袋を手に持ってる

お土産かな?

 

「これは今朝

 智の母ちゃんから預かった物

 滞在が長引くようだから

 冬の洋服と

 智の好きな菓子だって」

 

「それは重大なお役目だな」

 

「ああ、一番に渡したいから」

 

紙袋を持ち上げて

こちらも重要なミッション進行中って顔をする

 

「さて、出発しますか」

 

3人で空港に向かい

搭乗手続き後、君にラインをして

飛行機に乗り込んだ

 

9時間後 ・・・

君が待つサンフランシスコに着く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>