君のいない迷路 142 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

声を聴いていないから

彼の反応が分からない

いきなり空港で会わせるよりは

前もって言った方がと判断したけど

そもそも、車を頼んだことがNGだったかもしれない

「嫌ではないけど ・・・」の文章が

躊躇ってるように見えるけど

『じゃあ、断るね』って言うのも違う気がする

 

「ノア君ってどんな人なの?」

 

池田君が少しだけ話題をずらしてくれた

 

「ノアはクレイアニメのクリエイター

 映像の仕事もしてて

 アニメーションの編集もしてる」

 

ノアの作るクレイのキャラクターは

愛嬌が有って可愛らしい

僕も興味が有って粘土を買ってきたけど

時間がなくて手付かずの状態

いつかは作ってみたいと思ってる

 

「あの気の遠くなるクレイアニメ?」

 

池田君が乗せたスタンプが

思いっきり驚いてる

 

「クレイアニメってなに?」

 

「粘土が動くアニメってあるじゃん」

 

「ああ、あれってどうやって動かしてるのか

 凄い興味がある」

 

内田がその話題に乗っかって

話を広げ始めた

 

気になるのは彼なんだけど ・・・

まだ一言も発していない

 

「少しずつ動かしながら撮影するの

 分かりやすく言うと

 粘土のパラパラ漫画みたいなもの」

 

漸く彼が会話に加わってくれた 

でも ・・・ なんかモヤモヤするな ・・・

 

「空港で会ったら

 詳しく教えてもらおう」

 

「きっと喜ぶよ」

 

ノアは僕と性格が似てて

温厚だけど

怒ると怖いから

トニーは頭が上がらない 

 

「ノアも日本語は出来るの?」(池田)

 

「二人とも日本が大好きだから

 トニーは翌日「真面目」Tシャツを

 オフィスに着て来たよ

 ノアも漢字Tシャツがお気に入り」

 

「ノア君にも買ったの?」(彼)

 

「うん、『禅』て書いてあるシャツ」

 

「きっと、そのTシャツを着てくるんじゃない?」

 

「俺もそんな気がする」

 

池田君と内田の意見に一票

多分着てくる

 

「皆に会うのが楽しみなんだって

 隈取パックを選んだセンスが最高だって

 大喜びしてたから ・・・」

 

「俺は関わってないけど

 大丈夫かな」

 

「大丈夫だよ

 池田君も入ってる(笑)」

 

観光案内については

皆に会ってから相談した方が良いと思った

此処で話してしまうと

決定事項になっちゃうし

僕が望んでいると思われかねない

 

「智 ・・・ 迎えに来てもらうだけだよな

 その後とか予定してるの?」

 

内田の直球の質問が

僕にとって救いになった

この流れだと

僕が予定を決めてるように思われてしまう

 

「何も予定は無いよ

 長旅で疲れてるし

 家に送り届けて貰うだけ

 トニーたちにも言ってあるから

 そこは心配しないで」

 

夕飯をご馳走したいとか言ってて

それも良いのかなって思ったけど

やっぱり、気心が知れた4人で

ゆっくり過ごしたいって思った

 

いくら飛行機の中で寝てても

疲れてるのには変わりない

 

「夕食は僕が用意するから

 外食するつもりもないよ」

 

「それを聞いてホッとした ・・・

 実は人見知りなんだ俺」

 

「そうだったの?」

「初耳!!!」

 

彼の言葉にすぐさま突込みを入れる二人

 

「そうだよ

 何で知らないんだよ(笑)」

 

面白おかしく返す彼

 

強ち間違ってない気もする

人見知りではないけど

簡単に人を信用しない

冷たい笑みを浮かべた仮面をかぶるからだ

それが旧家の後継ぎの

あるべき姿なんだろうな 

 

 

だからここは

彼が素で居られる場所

 

余所者には入って欲しくないだろうな 

 

 

 

 

 

<続きます>