取り敢えず打ち破ろうか 240 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

夕方、綾野君が部屋に入ってきて

難しい顔をして俺の前に座った

 

「紀之さんが長にお願いがあるそうです」

 

「紀之さんが?」

 

「皇子に会わせて欲しいと仰ってます」

 

皇子の即位の儀については

紀之さんには伝えてあり

同席することになっている

 

「長、この機会を逃したら

 彼らは会うことが出来ない

 何処かで会わせてあげたらどうだ?」

 

傍で聞いてた画伯が

その願いは叶えてあげるべきだと言った

 

「そうですね ・・・

 帝たちとも会っていただきましょう」

 

会いたいと言ってるのは

皇子を育てた長老だ 

此処に集った彼らに

心残りのないよう願いを叶えるべきだな

 

「綾野君、空いてる部屋はある?」

 

暁殿は明日の準備に入っているため

誰も入ることが出来なくなっている

 

「暁殿の長の控えの間はどうでしょうか?」

 

「そうだな ・・・ そこで待っててもらおう

 画伯、俺はどうしたらいい?」

 

即位の儀の前

夕方からのスケジュールは分刻み

それは画伯も同じなんだけど ・・・

 

「長は許可を出すだけで良い

 俺は皇子達を呼びに行く

 その後は彼らに任せよう」

 

「綾野君、頼める?」

 

「畏まりました

 私は部屋の準備をしてまいります

 紀之さんを呼びに行くのは小瀧に頼みます」

 

「長老の悲願が叶う日だ ・・・

 綾野君、紀之さんの相手は頼むよ」

 

「承知いたしました」

 

急ぎ足で部屋を出て行った綾野君

それを見送った後

画伯にお願いをした

 

「画伯、俺も一緒に行ってもいい?

 翔様と話がしたい」

 

皇子とは蒼穹殿で話が出来るけど

翔様とは話せない 

 

「確かにそうだな

 この時間しか会えないな ・・・」

 

画伯もそれに気が付いて

賛成してくれた

 

「じゃあ、急ぎましょう

 皇子も支度が有る」

 

皇子の支度の方が早く始まるから

それこそ時間がない

画伯と一緒に長の執務室に向かう

(書院と言った方が分かりやすいかな)

 

「皇子 ・・・ 入っても宜しいですか?」

 

声を掛けると直ぐに声が聴こえた

 

「どうぞ」

 

部屋の中は和気藹々の雰囲気で

昔話に花が咲いている様子

翔様側の方々とも

打ち解けたようで

みんな笑顔だった

 

「お話し中、失礼いたします」

 

「このような機会を設けてもらい

 心から礼を言うよ」

 

「恐縮に存じます

 それで ・・・ 

 皇子にお願いがございます」

 

「私に?」

 

「はい、長老がお会いしたいと

 先ほど願い出られました」

 

その言葉を聞いて

皇子が感慨深い顔をして頷いた

 

「漸く会ってくれますか ・・・

 私から申し入れようと思っていたのですが 

 良かったです ・・・

 父上と母上そして私たち4人で会いに行きます」

 

雅紀様、和也様、翔様

そして帝と妃が笑みを浮かべて頷いた

 

彼らも長老と話がしたかったんだ ・・・

一番大変だったころの里を支えたのは長老だ

会わないで終わらせる訳にはいかない

 

「それでは

 すぐにご案内いたします」

 

画伯がそう告げると

皇子達はこぞって立ち上がり

画伯の後に続いて

部屋を出て行った

 

「智慈さん

 翔様達を本家邸にご案内くださいますか?

 皇子もすぐ本家に参りますので」

 

「長も一緒に行かれますか?」

 

画伯そっくりの顔で

にこやかに笑う 

その横に翔兄さんそっくりの真翔さんが並ぶ

その姿を見るとホッとする

 

「ご一緒させていただきます」

 

翔様とはこれが最後になりそうだから

ちゃんと話をしておきたい

 

「では、参りましょう」

 

翔様のご両親が2人の後に続き

俺の横に翔様が並んだ

 

 

 

 

 

 

<続きます>