君のいない迷路 110 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

写真を見るまでは安心できない

そう思っていたけど

何気ない一枚の写真を見て

より不安が増した

それは君に対してではなくトニーに対してだ

 

その写真は君と先輩のツーショットで

近くにトニーが映ってた

(二人の輪に加わってるわけではない)

『目は口程に物を言う』と言われるが

まさにその通りで

君を見る眼差しが

まさに恋慕の眼差し

見た瞬間、蒼ざめてしまった

 

一緒に写ってる写真は

必ず先輩が真ん中にいる

まるで君のボディガードの如く

池田がそう言うのだから

彼奴も同じように感じたはずだ

俺の考えすぎだと一笑できないだろう

 

 

君にその気がないのは

写真を見ても明らかで

かなり素っ気ないように見えた

俺の問いにも真摯に答えてくれて

安堵はしたものの ・・・

離れているからこそ不安は増す

 

相手はかなりの美形

職場も同じで交流もある

遠く離れた日本で

ビジュアルそこそこの俺が

太刀打ちできるか? 

 

考えただけでも憂鬱になってきた

 

「ハイボールが飲みたくなった

 炭酸水化に行くけど

 他に欲しい物は有る?」

 

唐突に池田が声をあげて立ち上がった

 

「水割りじゃダメなの?」

 

水割り用の水は買ってきたが

炭酸水は買ってこなかった

君が池田の顔を見上げて聞く

 

「最近、ハイボールにハマってて

 ソーダストリームも買ったんだ

 だから炭酸水を買うの忘れてた」

 

「すっきりするからな

 俺も飲みたい時がある」

 

内田が分かるって顔をした

 

「買いに行くなら付き合うよ

 他に欲しいものある?」

 

池田に愚痴を聞いて欲しい

多分、そのつもりでの提案でもあるはず

 

「特には無いけど ・・・

 智は有る?」

 

「それならアイスクリームが食べたい!」

 

「俺も食べたい」

 

確かに飲んでるとき

アイスが食べたくなることは有る

 

「じゃあ、アイスクリームも買ってくるよ」

 

池田と二人で部屋を出た

 

「お前なぁ ・・・ 

 顔に出すぎなんだよ

 大野がハラハラしてて可哀想だった」

 

いきなり小言を言われたけど

それどころではない

 

「お前だってそう思ったから

 炭酸水を買いに出たんだろ?」

 

俺の話を聞く為に

外に出たのは明白なんだから

 

「俺は単にハイボールが飲みたかっただけ!」

 

「そう言う見え透いた嘘は必要ないの

 酒買う時一緒に居ただろ」

 

本当にハイボールにハマってたら

炭酸水は真っ先に買うはず

 

「ソーダストリームを買ったのは本当だよ ・・・

 まあ、お前が吐きだしたそうだったから

 出てきたけど・・・」

 

「やっぱりお前も危機感を持ったんだろ」

 

「お前に対してだよ

 このままの流れだと何を言い出すか

 分からないからな」

 

「それは有り得るな ・・・」

 

「確かに好意を寄せてるように見える

 その好意がどんなものかは

 写真だけでは分からないけど」

 

「どの写真も先輩が防波堤の如く

 真ん中に居るって事は

 友人としてではなく

 それ以上の好意を抱いてるって証拠じゃないの?」

 

「そうだとしても ・・・

 大野は何とも思ってないだろ?」

 

「うん、さっきの言葉に嘘はないって思ってる」

 

「ならお前があたふたしてどうすんの?

 大野に失礼だよ

 お前のことが心配で

 日本の飛んできたのに

 あらぬ疑いを掛けられたら ・・・」

 

「智の事は信じてるよ

 でも距離感が近いと言われたら

 心配になるだろ

 あの手のタイプは絶対に押しが強い!

 その毒牙にあてられたら ・・・

 考えただけで不安になる」

 

結局は俺のヤキモチなんだ

それは分かってる

近くに居られないジレンマもあり

君を閉じ込めておきたいとさえ思ってる

考えたら俺が一番危ない奴だけど ・・・

 

「結局大野を信じてないじゃん

 彼奴は見た目と違って硬派だぞ

 自分なりの対処を考えてるよ」

 

「は~ ・・・ 本気でサンフランシスコに住もうかな ・・・」

 

 

そう呟いたら

思いっきり特大なため息をつかれた

 

「普通に考えたら荒唐無稽に聞こえるけど

 お前の場合やろうと思えばできるから

 始末に負えないの

 半年もしたら日本に帰ってくるんだから

 その必要あるか?」

 

正論を言われたらぐうの音も出ない

 

「ないよ ・・・ ないけど ・・・」

 

「そんな事で来られたら

 大野は離れてくぞ ・・・

 それでも良ければ行けば」

 

冷たい言葉が返ってきた ・・・

分かってるよ ・・・

そんな事をしたら行けない事も

出来ないこも ・・・

そう思う気持ちが有るのは仕方ないだろ

 

「池田君は冷たいねえ ・・・」

 

「当然だろ

 お前の暴走を止めるのは俺

 気持ちに任せて

 無意識に相手を傷付けないように

 見ててやらないとダメだしな」

 

このまま居たら

酔いに任せて

君に絡んでしまったかもしれない

 

「お前のお陰で落ち着いたよ ・・・

 来月、相手に釘をさすから

 その時は止めるなよ」

 

「大野の居ないところで釘をさせ

 それだけ守るなら

 俺は何も言わないよ」

 

あくまで君の側で話をしてくれるから

冷静になれる

 

「ありがとう 

 さて、アイスを買って帰るか」

 

話をしながら歩いてたら

あっという間にコンビニ

炭酸とアイスクリームを買って

部屋に戻ることにした

 

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>