君のいない迷路 109 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

忘れてくれたかもと思ってたけど

やっぱり憶えてた

 

トニーの写真か ・・・

どれが良いんだろう 

勘違いされない写真

頭の中でチョイスする

 

最近の写真で良いかな

 

携帯のフォルダーに保存してある写真を

身ながらどれにするかを考えてるとき

 

内田がチラッとこっちを見て

「選ばないとダメな写真が有るの?」

ジト目で聞いてくる

どういう意味だよ ・・・

僕何かした?

 

彼もちょっと強張った表情を浮かべて

既に勘違いしてますって顔をした

 

「そんな写真はないよ 

 一緒に釣りに行った時の写真で良いかな ・・・」

 

携帯画面に写真を出して

皆に見せることにした

 

「めっちゃイケメンじゃん!」

 

見た瞬間、内田が叫んだ

池田君も彼も携帯を覗き込み

同じように頷いた

 

トニーは彫の深いライトブラウンの瞳で

長身のイケメンさんだ

モテるのかどうかは知らない

 

「そうだね、かなりイケメンさんだと思う」

 

「一緒に移ってる人って先輩?」

 

先輩を知らない池田君が

トニーの隣に移ってる人を指さした

 

「うん、熊さんみたいな人が先輩」

 

「この人がそうなんだ ・・・

 なんかボディガードみたいだな」

 

まさにその通りで

何処かに出かけるときは

大概は一緒に来てくれる

特にトニーが一緒の時は

必ずついてきてくれる

 

「先輩が居れば安心だよな」

 

内田の言葉に思わず頷いた僕

 

「これ以外はないの?」

 

彼の言葉が氷みたいに冷えてるんだけど

見せない訳にも行かないし ・・・

 

「もっとあるけど見る?」

 

どんな人か見たいだけじゃなかったんだ

 

「うん」

 

最近の写真は二人で撮ったものは無いから

見せても大丈夫だけど

疑われてる様な気がする

 

何枚か写真を見せていくと

明らかに表情が硬くなっていく二人

 

「なんでこの人

 こんな距離が近いの?」

 

一枚だけ隣同士の写真が有った

それを見た内田が不服そうに声をあげる

 

なんでそこ突っ込むの?

内田、空気を読んでくれ

 

「トニーって距離感が馬鹿なんだよ

 近いって言っても離れないの

 先輩と何度も言って

 この距離になった」

 

肩を組まれた時は

目が点になったんだから ・・・

それは言わない方が良さそう

 

「はあ? 言ってこの距離?

 じゃあ、前はもっと近かったの?」

 

彼の代弁者のようになってる内田

だって写真を見る眼差しが怖い

 

「今度来たら分かるよ

 距離感馬鹿だって理解できるから」

 

「内田も落ち着けって

 男にヤキモチ焼いてどうする

 写真を見る限り

 二人で出掛けてるわけでもないし

 大野の表情を見ても分かるだろ」

 

池田君が助け船を出してくれた

トニーと写真を撮るときは

同僚としての距離感を守るために

ちょっとだけ硬い表情になる

ただ釣りの時はどうしても

楽しくて緩んでしまう

 

「一緒に出掛ける事ってあまりないんだ

 釣りだって3回かな

 夕食も食べに行ったことは有るけど

 それも数えるほどで

 先輩と一緒だし」

 

「もし彼がローダンセに入りたいって言ったら

 智(さと)はどう答えるの?」

 

ずっと黙り込んでた彼が

真っすぐに僕の顔を見た

 

「僕の大切な人たちの集まりだから

 君を入れることは出来ないって

 はっきり答えるよ

 英会話の先生だけど

 そこはちゃんと線を引く

 プライベートにも入って欲しくないから」

 

それは先輩も同じで

僕の中ではローダンセの会は特別だから

 

「櫻井、内田 安心した?」

 

池田君に言われて

二人とも「うん」って頷いた

 

 

やっぱり勘違いしてるよな ・・・

やましいことはないんだけど ・・・

 

 

 

 

<続きます>