君のいない迷路 106 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

歌を謳いながらお土産を渡していく

歌いながら俺の脳内では

 

♪ 走り出せ走り出せ

  君が選んだ土産~ 

  俺の手を目指してきてよ

  来たら抱きしめるよ~

  迷わないで迷わないで

  行先は一つ

  どんなに小さな物でも

  一つだけのHappiness♪

 

欲だけの歌詞が流れてた

 

正直、自分が選んだ土産は

誰の手に渡っても良い

悩みに悩んで買ったものは

捻りも面白みもない無難な物

(金額もほぼ千円)

 

どうか神様、お願いします!

曲が止まり俺の手の中にある袋は

持った感じ俺のではない

ちょっとホッとした

 

「さて、一人ずつ見ていく?

 それとも一斉に開ける」

 

そこは一斉の方がよくないか?

注目されながら開けるのって

その土産を選んだ人もドキドキする

反応が気になるし

 

「僕は一斉が良いかな

 開けてテーブルに置く」

 

「そうしよう

 じゃあ、開けるよ」

 

君の案が採用され

内田がGOサインを出した

 

俺の袋の中に入っていたのは ・・・

東京駅の丸の内駅舎クリアファイルと

ポストカード(作者が分からない)

 

これって ・・・ 当たり!の気がする

内田がアートなポストカードを選ばない

池田ならあり得るかも ・・・

いやいや、彼奴なら捻ってくるはず

 

間違いなくこのお土産は君の選んだ物

あの歌の効き目かも

 

君が手にしてのは

なんと俺のだ ・・・

奇蹟じゃない

全員、目を瞑ってたから

誰も小細工できない

 

池田が手にしたのは

歌舞伎の隈取パック

これは内田のだ

にやにや笑いながら見てた

 

そして内田が手にしてるのは

まさかの食べ物

東京駅の駅舎の煉瓦を模したレンガあんぱん

これ人気あるんだよな

内田は興味津々の顔で嬉しそうだ

 

「じゃあ手にしてるお土産が誰のか

 一人ずつ発表して行こうよ

 正解は後で発表する」

 

何となく全員誰のか分かってるようだけど

ここは自信がある俺から行く

 

「じゃあ、俺からな」

 

手を挙げると

池田がにやりと笑った

まさかお前?

ちょっと不安になってきて君を見たけど

いつもと表情が変わらない

(読めないんだよな)

 

「んじゃ、櫻井からどうぞ!」

 

内田に指名されて答えることに

 

「俺の土産は智(さと)のだと思う!」

 

「その理由は?」

 

内田君突っ込むねぇ ・・・

 

「駅舎ファイル、アートじゃん

 ポストカードもそうだし

 だから絶対に智(さと)」

 

にやりと笑うと

「どうかな?」って顔をした

やっぱり違うのか?

 

「じゃあ、次は」

 

池田が手を挙げた

 

「この隈取パックは内田!

 大野と迷ったけど ・・・

 日本土産を探しに行った二人だからこそ

 選んだのは内田だと思った

 遊び心満載だし」

 

「なるほど ・・・ 池田君って

 観察力が凄いんだね」

 

君が感心したように呟く

 

「どういたしました

 じゃあ、次は大野な」

 

「うん」

 

指名された君が

俺の選んだ土産を手ににっこり笑った

 

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>