mian(希望)45 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

彼が言った一言が妙に引っ掛かった

 

特別居住区「RAY」の存在は

O国に住む者はほぼ知ってる

この国以上にアルフヘイムの加護を受けた場所

エルフの王が住んでるとの噂もある

そこに異変?

 

「どうしてさっき

 『「RAY」で何かあった?』

 って聞いたの?」

 

彼は俺の問いを予測してたのか

慌てる様子もなく

 

「日本食に必要な調味料は

 「RAY」から輸入してるだろ

 だから、何かあったのかなって思っただけ」

 

本当にそうだろうか?

それ以上の事を知ってる気がした

絶対に何か隠してる

 

「この星の危機?」

 

思わず口に出てしまうが

彼は全く動じる様子はなく

 

「この星の危機はずっとだよ

 この国は恵まれてるから

 忘れてしまうけど」

 

その通りだ

アルフヘイムの加護のお陰で

環境は守られ

食料にも困らない

 

そう言う意味では

この星の命運を握る国ともいえる

 

特権階級の人間は月に移住して

母星の事など考えていないけど 

 

「忘れてるわけじゃないよ

 外に出られないからね」

 

「それは仕方ない

 この国の人たちは外に出たら

 環境に対応できないよ」

 

「本当にそうなの?」

 

行ったことがないから分からない

 

「一旦外に出たら

 帰って来れないけど

 それでもいいなら

 国外に出てみたらいい」

 

そう言われたらぐうの音も出ない

 

俺たちは守られてる

それは知ってるけど ・・・

 

「『RAY』で何か起きてるなら

 力になりたいと思う

 どうしてかは分からないけど

 じっとしてたらダメな気がして」

 

胸騒ぎがするんだ ・・・

一度も行ったことがない場所なのに

何故か大事な場所の様な気がして

 

「気持ちはわかるけど ・・・

 何も出来ないよ」

 

「そうだけど ・・・」

 

なんだろう ・・・

何も出来ないのが歯がゆい ・・・

 

「今は何も出来なくても

 この先、何かできる

 ゆっくり考えれば良いんじゃない

 いつか「RAY」にも行けるようになる」

 

何を聞いても誤魔化す彼が

急に真面目な顔をした

 

多分、何が起きてるのか知ってる

 

「君は何もしないの?」

 

「俺?」

 

「そう、君なら出来るんじゃないの?」

 

「おかしなオブジェばかり作ってる俺に

 何が出来るんだろうねぇ ・・・」

 

彼はそう言って

にやりと笑った

 

 

蒼 ・・・ 

チビちゃん ・・・

 

 

頭の中に浮かぶ言葉

 

 

心の中で繰り返したら

懐かしくて

それ以上に切なくて ・・・

 

大事な何かを忘れてる

そんな気がした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>