君のいない迷路 101 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

東京駅の構内で総菜を買い

集合場所に向かうと内田は電話中

あれ?彼はまだ来ていない

電話中の内田の横に並ぶと

直ぐに電話を切って携帯をポッケに仕舞った

 

「櫻井は?」

 

聞くと「え?」って顔をして

 

「一緒じゃなかったの?」

 

不思議そうな顔をした

 

「まだ悩んでるのか ・・・ 彼奴」

 

池田君が驚きを隠せない顔で

眉間に皺を寄せた

 

「千円のハードルが高かったかな?」

 

内田は困惑の表情を浮かべながら頭を掻いた 

 

「そこまで高くなかったけどな ・・・

 彼奴は考えすぎなんだよ」

 

やれやれって表情を浮かべたい池田君が

ポケットから携帯を出して

彼に電話をした

 

一体何で悩んでるんだろう?

記念になるお土産は

船の上で購入してるから

割と気軽にお土産を買ったけど

それじゃダメだったのかな?

 

「もしも~し 今どこに居るの?

 こっちは買い物も終わってるぞ

 内田もここに居る」

 

呆れた声で話し始めた

 

「櫻井と一緒じゃなかったの?」

 

「途中で合流したんだけど

 まだ決めてないって言うから

 それなら一緒に居られないだろ?」

 

「確かにホテルで見せ合う約束だからな

 何を迷ってるんだろう?

 俺は秒で決めたけどな」

 

「僕もそれに近い」

 

そんな迷わないよなと

二人で顔を見合わせた

 

内田が千円以内と決めたのは

気軽に購入できる物って意味なんだと思ったからだ

 

「変なところが真面目だよな ・・・」

 

「うん、真面目だと思う」

 

変なところで(笑)

二人でくすくす笑ってると

電話を終えた池田君が横に来た

 

「向かってる最中だったって

 すぐ来るよ」

 

その言葉を聞いて

人の波に視線を向ける

東京駅は一つの街と言っても過言ではなく

かなり広いし通路も沢山ある

どっちから来るのか予測すらつかない

 

「ごめん、待たせたな」

 

申し訳なさそうな声が後ろから聞こえた

どうやら僕の予想は外れたようだ

そう簡単には見つけられないな

 

もし昨日が東京駅だったら

絶対に見つけられなかったと思う

 

「遅すぎる!

 何を迷ってたの?」

 

池田君に突っ込まれ

苦笑いを浮かべて

 

「遅れた一番の原因は

 レジで待たされたの

 どうしようもないだろ?」

 

好きで遅れたんじゃないと

力説する彼(笑)

でも、迷い過ぎだと思う

 

「それがあっても

 迷い過ぎだよ(笑)」

 

僕が思ったことを

内田が代わりに言った

 

「まあ、貰って嬉しい物を考えてたら

 時間が経ったんだよ ・・・

 その分期待して!」

 

自分でハードル上げちゃったけど

大丈夫なのかな?

僕はそこまで自信あるお土産だとは言えない

 

「お披露目を楽しみにして

 じゃあ、ホテルに向かいますか」

 

「そうだな・・・

 あれ?お酒は買った?」

 

池田君と僕のビニール袋を見ながら

彼が首を傾げた

 

「酒は買ってないよ

 大野がホテルの近くに

 コンビニがあったって言うから

 そこで良いかと思って」

 

「じゃあ、どうやって行く?」

 

「タクシーで行こうよ

 荷物もあるし」

 

荷物を一番沢山持ってるのは僕で

次が総菜を持ってる池田君

内田も結構持ってるな

 

「そうだな

 3人とも結構な荷物だよな」

 

「お前と違って

 お土産を買う必要があるの」

 

池田君の言葉に僕たちも頷く

 

「じゃあ、総菜は俺が持って行くよ

 それならいいだろ?」

 

「うん、任せた」

 

荷物を受け取り

改札を抜ける

 

池田君が南改札を選んだ理由は

丸の内駅舎は重要文化財で

南改札口は特に当時の面影を残している

駅舎は何度か描いたことがあるが

内部は見たことがなかった

 

「ここはホテルと繋がってるんだ」

 

上を見ながら呟くと

彼が僕の隣で同じように上を見た

 

「もしかして初めてだった?」

 

「うん、ここを通るのは初めて ・・・

 一度来ようと思って迷ったことがある

 それを池田君に言ったら

 ここを集合場所にって提案してくれた」

 

「じゃあ、今度は東京駅のホテルに泊まる?」

 

「うん、いつか泊まりたい」

 

結構人気のあるホテルで

予約が取れないと聞いたことがある

 

「じゃあ、また計画を立てないとな」

 

「櫻井は東京に住んでるから

 旅行は別の場所で良いよ

 ここに泊まるのは

 櫻井に会いに来た時にするよ」

 

彼が東京にいる限り

会いにくる

それを言葉にすると

ちょっとだけ恥ずかしかった

 

「それなら俺の部屋で泊ってよ」

 

彼はそう言って照れくさそうに笑う

 

「それもそうだね

 今度は櫻井の部屋に泊めてもらうよ ・・・

 あ ・・・ ちょっとだけ待ってて

 写真撮りたい」

 

3人の断りを入れて

駅舎の写真を撮った

出来れば細部まで撮りたいけど

そこは我儘言えないかな

 

「智(サト)ゆっくり撮っていいよ

 荷物持っててやるから」

 

彼が僕の手から荷物を取って

「急がないで良いから」って言ってくれた

 

 

3人とも急かさないで待っててくれる

この雰囲気が心地いい ・・・

 

 

写真を撮った後

タクシーに乗ってホテルに向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>