君のいない迷路 94 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

考えたら俺達はまだ友人のままで

全く進展はしていない

「会いたかったから来た」と

言って貰えたけれど

例の件があったから来たんだと思うんだ

(詳細は話していないけど)

 

「櫻井、ぼ~っとしてるんじゃないよ

 次どこ行く?」

 

池田が思いっきり

わき腹を肘で突いた

かなり痛かったが我に返った

 

「ああ ・・・ ごめん ・・・

 どこが良いの?」

 

またも頓珍漢な返事をする

 

「今それを話し合ってるんだろ」

 

呆れた顔の池田が

『困ったものだ』と両手をあげた

 

「櫻井、疲れてるだよ

 ゆっくりできる場所がいいよな」

 

疲れてると言うよりは

焦ってるんだけれど

内田にはそう映ったのか

気を遣ってくれる提案に

君も同意するように頷いた

 

「そうだ ・・・ 

 公園とかはどう?」

 

「公園だと ・・・

 上野か日比谷か井の頭かな?」

 

君の提案に池田が候補をあげた

距離的には上野か日比谷かな?

 

「日比谷公園は日本初の西洋公園だよね」

 

君の瞳が好奇心旺盛な色に染まった

アニメーションの参考にしたいのかな?

 

「そうなんだ 

 櫻井知ってた?」

 

池田に聞かれて

思いっきり頭を振る

 

「全く知らない

 勉強不足だな ・・・」

 

「智は何で知ってるの?」

 

内田が不思議そうな顔で

君の方を向いた

 

「開園当初からある洋食レストランを参考に

 外観を描いたことが有って

 明治期の建物ってモダンなものが多くて

 実際に見てみたいなって思ったんだ

 東京にはそう言う建物が多いよね」

 

「かなり残ってるよ

 明日洋館巡りでもする?」

 

「それも楽しそうだね」

 

「洋館巡りは明日として

 今から行くのは日比谷公園 

 暑いから向こうでビールでも飲もうよ」

 

「賛成!」

 

君と内田が笑みを浮かべて手を挙げた

 

池田のGOサインで

駅に向かう

君と内田が前で

池田と俺は後ろ歩く

 

 

「いきなりポンコツになるなよ

 そんな疲れたの?」

 

案内人にあるまじき行為だぞと

言いたげな顔をした

 

「疲れたと言うか ・・・

 俺って大馬鹿だなって思ってさ」

 

正直、落ち込んでるんだよ

俺の不甲斐なさに ・・・

 

「あ~ さっきの ・・・」

 

勘のいい池田は

さっきの君との会話で

俺の気持ちを把握したのか

何度も小さく頷いた後

 

「焦ったってしょうがないだろ

 それに相手はただの仕事仲間」

 

そう言い切る池田 ・・・

だけど ・・・ 

どうも引っ掛かるんだよなぁ ・・・

 

「釣り仲間で英会話の先生だぞ

 これが焦らずにいられるか?

 自分の事で手一杯で

 そう言うこともあると

 考えもしなかったんだよ」

 

「ちょっとまて

 名前からして男だし

 考えすぎだって

 会ったこともない相手にヤキモチ?」

 

呆れた声で

大きくため息をつく始末

 

「嫌な予感がするんだよ ・・・

 絶対に下心が有るって ・・・」

 

「それはお前」

 

俺は下心じゃない

既に想いは伝えてある

 

「俺の野生の勘に間違いはない」

 

「野生の勘なんて持ち合わせてたの

 全くないだろう

 危機管理も出来てないのに」

 

全て事実だけれど

そこまでケチョンケチョンに言わなくても

ため息が出てきた

 

「俺だって傷付くぞ ・・・

 少しは優しくしろよ」

 

「これ以上どう優しくするんだ?

 教えて欲しいよ ・・・」

 

「もっと優しく話を聞くとか」

 

「だから考えすぎだって」

 

堂々巡りだな ・・・

こうも池田に伝わらないのか

そっちの方が悲しくなってきた

 

「そうかな ・・・ 」

 

「そうだよ ・・・

 確かめたい気持ちはわかるけど

 確かめる方法ねぇ ・・・

 先輩に聞く?」

 

「ああ、先輩なら教えてくれるかもな ・・・

 でも、そうなると ・・・

 俺の気持ちを話さなきゃ無理じゃん」

 

内田にも言ってないのに

いきなり先輩に言うのはどうなの?

 

「確かにそれは拙いな

 う~ん ・・・ 

 来月会うしかないな」

 

やっぱり此奴も

俺と同じ考えに行き着いた

 

「だろ?だから会いたいって言ったの

 そしたら ・・・ 

 バカンスに行ってなければ紹介するって

 ちょっと嫌そうだった」

 

「嫌そうだったの大野が?」

 

さっきまで関係ないと言い切ってた池田の声が

怪訝な声に変わった

 

「うん ・・・」

 

「お前の野生の勘も

 強ち間違ってないかもな」

 

その言葉でますます焦ってきた

どうしたら良いんだ?

仕事辞めてアメリカに行くか ・・・

 

俺の思考が透けて見えたのか

 

「仕事は辞めるなよ!」

 

思いっきり釘を刺されてしまった

当然なんだけど

 

 

どう対処するか

策を練らないとな  

 

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>