mian(希望)38 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

どうしてこんなに彼の事が気になるのか

ずっと考えていたけれど

答えは見つけられなかった

ただ、彼にとって俺は

一番最初の友人だと自負している

森のアトリエにも遊びに行ったし

とっておきの場所まで連れて行ってくれた

友人というカテゴリーの中ではトップレベル

それが嬉しいと言えば嬉しい

 

しかし、とっておきの場所って

一体どこにあるんだろう

あれだけ綺麗な庭なら

O国の中でも屈指な名所になってるはず

寮に戻りPCで検索をしてみたが

それらしき場所はヒットしなかった

 

ダークヘッジから広がる森については

O国ではタブーになっているから

その中にある特別な場所なのかも ・・・

多分、誰に聞いても知らないだろうな

(王家の人間だって知らないと思う)

 

そう言えば、アカデミーに

この国の王子が在籍してた

一度も遭遇したことはないが

もし会う機会があれば

ダークヘッジの森について聞いてみようかな?

不躾にもほどがあると

側近から大目玉を食らいそうだけど(笑)

 

俺と一緒に寮に戻った彼

真面目に講義に出ていると思っていたけど

考えが甘かった

その日のうちに森に帰ったようで

あの日以来、顔を会わせることがない

 

近づいたと思うと離れていく

掴みどころがなく

何を考えてるのか

全く分からない

 

作品が出来たら招待してと言った手前

会いに行くのも癪に障る

 

空を見上げながら

大きくため息をついて

 

「そろそろ寮に戻ってきてくれない

 もう1週間会ってないんだけど」

声に出して呟いた

 

同じ空の下にいるけれど

伝わるはずはないよな ・・・

 

その時、大きな木の枝葉が

風もないのに揺れた

その音が『お伝えします』と

言ったような気がした

 

気のせいだな ・・・

 

苦笑いを浮かべて

天色の空を見上げた

 

「天色か ・・・」

 

彼が教えてくれた空の色だ

 

そう言えば ・・・

あのマグカップ、天色だったような ・・・

確かめたいけど

彼の部屋には入れないし ・・・

 

「ラーイ先輩、何してるんですか?」

 

声を掛けてきたの後輩のアイーバ

何故か此奴は俺の事を家名で呼ぶから

俺も同じように家名で呼ぶ

名前は知らない

 

「あれ、今日は一人?」

 

いつもニーノとジェィの

3人で一緒に居ることが多い

 

「いつも彼奴らと一緒じゃないですよ」

 

不服そうな顔をするけど

ちょっと寂しそうに見える

 

アイーバは農学士を

ニーノは税理士を

ジェイは舞台の演出家を目指している

 

 

アイーバとニーノは幼馴染で

常に一緒に居ることが多い

将来は二人で農園を持つ夢があるようだ

ジェイとはアカデミーのイベントで会い

意気投合したと聞いた

 

学長の息子と言うだけで

遠巻きにされていた俺に

気さくに話しかけてきたのが此奴だった

 

「何時も一緒だろ(笑)」

 

「違います!!!

 それで、何してたんです?」

 

何処までも認めない奴(笑)

 

「空を眺めてたの

 雲一つない空だなぁって ・・・」

 

「そんな趣味あった?」

 

怪訝な声で

熱でもあるんじゃないかと

言わんばかりの表情

 

「それくらいの趣味は持ち合わせてるよ

 まるで無趣味見たいじゃないか」

 

「無趣味だったじゃん」

 

「違います

 ちゃんと趣味は有るの

 言ってないだけ」

 

向きになって反論したけど

趣味らしきものは無い ・・・

 

「じゃあ、教えてよ」

 

興味津々の顔でにやにや笑いだす

 

「お前にだけは教えない」

 

「ケチ!」

 

ムスッとした顔をしたけど

そこは気付かない振りをする

 

「さて、のんびりしてると

 講義に遅れるから行くよ

 お前も遅刻しない様に」

 

「はいはい、それより

 ラーイ先輩

 ダークヘッジに行ったんですか?」

 

何処から聞いてきたんだ

誰にも話していないのに

彼と話してるのを聞かれたとか?

 

「何で知ってるの?」

 

「この前話してるのを聞いて ・・・」

 

「そうなんだ ・・・

 ダークヘッジを抜けただけ」

 

「すげえ ・・・ どんなところでした?」

 

この反応は普通だ

 

自分と向き合う道とか

異世界に通じる道とか

言われてるから

誰も近寄ろうとはしない

 

「普通の道だったけど」

 

「マジで、どこにも繋がってないの?」

 

「どこって何処だよ」

 

「異世界とか ・・・迷宮とか」

 

「生憎だが異世界には行けなかった

 地図で言う森の向こう側に出ただけ」

 

道は真っすぐに続いてるから

森の横を通り抜けるだけ

彼が居たから森には入れたけど

一人だったら

森への道も見つけられない

 

だから会いに行かないんだけど ・・・

 

「じゃあ、今度チャレンジしてみよう」

 

好奇心だけは旺盛なんだから

多分ニーノに止められて終わる

 

「健闘を祈る」

 

それだけ言い残して

その場を離れ

外の回廊を歩いていると目の前に彼が居た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>

 

 

 

 

 

 

 

アイーバ、ニーノ、ジェイは

『これ恋』に出てきた

翔先生の教え子とその友人です

最初のお話では

アイーバとジェイは元神様

地上に降りる際

全ての力と記憶を無くしているので

人としての記憶しか持たず

 転生しています

原初の神のサトシの事も

全く憶えていません

ニーノはショウの友人でした

神の庭に教会を建てたのは

この3人になります