君のいない迷路 93 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

トニーの名前を出した瞬間

彼の表情が少しだけ険しくなった

だからと言って話を変える訳にも行かず

そのまま続けたけど ・・・

何か勘違いしてる様な ・・・

でも、それを正すのも違う気がするんだよな

(勘違いだったら恥ずかしい)

 

トニーを紹介するのは構わないけど

大丈夫かな? ・・・

 

スキンシップが多めなのを除けば

人の良い陽気なお兄さん

(ちょっとばかり遊び人)

3人の中で一番気が合いそうなのは内田

池田君は合わない気がする

彼は ・・・ どうなんだろう ・・・

意気投合すればダイジョブかな ・・・

ノリが軽いからトニーは合わせるだろうけど 

 

トニーの一番のお気に入りになりそうなのは

見た目は華奢だけど中身が武士な池田君

僕以上にちょっかいを出されそうな感じがする

(分かんないけど)

 

「櫻井、めっちゃ汗かいてるけど

 どうかしたの?」

 

前を歩いてた池田君が振り向いて

彼の顔を凝視する

 

「陽射しが強いなあって思って ・・・」

 

そう言いながら

ハンカチを取り出して額を拭う

 

本当にそれだけ?って思ったのか

「何が有ったの?」って顔で僕を見るけど

話をしてただけなんだけど ・・・

思い当たらないから頭を振るしかない

 

「確かに日差しが強いし

 陸に上がると暑いな」

 

眩しそうな顔で空を見上げながら

同じように汗を拭う内田

ナイスフォローと心の中で拍手をする

 

「来月の旅行の話をしてたの

 智の向こうの同僚にも会いたいって」

 

話の流れで隠す必要はないと判断したのかな?

って事は ・・・ 僕の思い過ごしで

そんな気にしてなかったんだ ・・・

 

「アメリカの同僚の話?」

 

話が見えたのか

池田君が僕の顔をまじまじと見て聞いた

 

「うん、僕の釣りを教えてくれた人なんだ」

 

「てっきり先輩に教わったと思ってた」

 

釣りの話をした時

トニーのことは言ってなかったっけ?

 

「先輩と二人で教わったの

 名前はトニーで

 若手№1のクリエイターさん

 気さくな人だよ」

 

「智の英会話の先生らしい ・・・」

 

彼の声がムスッとしてる ・・・

やっぱり気にしてるのかな?

 

「櫻井はヤキモチ焼だからな

 仲間を取られたみたいに気になるんだろ」

 

池田君のちゃちゃに

ムスッとした表情をして

 

「ヤキモチなんて焼いてない!

 どんな人なのか気になっただけ

 内田だって会ってみたいよな」

 

道連れにされそうになった内田

ちらちら僕の方を見ながら

 

「智の釣りの師匠なら

 会ってみたいかな ・・・

 でも ・・・ 釣りがしたければだけど」

 

 

興味があるようには見えないけど

やればハマるかな?

釣りはせっかちな人が向いてると

聞いたことが有る

 

「あはは ・・・ 確かにそうだな

 釣りがしたいの櫻井?」

 

「智がハマったんなら

 一緒に釣っても良いかなって思って ・・・」

 

本気でそう思ってる?

興味がなければ退屈なだけな気がする

先輩はハマってないんだよな ・・・

 

「船の上でものんびりなの?」

 

内田が真面目な顔で聞くから

吹き出しそうになった

 

「ううん ・・・

 船の上では別人だって言われた

 割とテキパキ動いてるからかな」

 

のんびりしてると

エサが無くなった事にも気づけない

釣る楽しさを憶えたら

アクティブにもなれる

 

「へ~ ・・・ そうなんだ

 釣りに興味はないけど

 船の上の大野には興味がある」

 

 

なんで?

そんな面白そう?

 

「池田らしい ・・・

 でも、そういう奴は陸で待ってろ!」

 

ジト目で池田君を睨みつけた彼

そこまで怖い顔しなくても ・・・

池田君には効き目はなさそうだけど(笑)

 

「随分とつれない言葉だことで

 まあ、3人で何をするか

 ゆっくり考えたらいいだろ

 そのトニーって人にも予定があるだろうし

 急に言われても困るよな大野」

 

池田君に助け舟を出してもらい

この話題はこれで終われそうだ 

 

下船した人たちも

移動した後で

待合所には次のクルージングの乗る方々が集まって来てて

朝の僕達の用に

船をバックに写真撮影などをしていた

 

 

そういえば彼のおじさん家族は

既に次の場所に移動したのか

何処にも姿は見えなかった

 

 

 

 

<続きます>