君のいない迷路 51 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

木曜の午前に出発して

日本に着くのは金曜の午後

土曜の夜の便で帰ると

こっちには土曜の午後に到着する

トニーの言うように

もう一泊することも考えたけど

月曜が使い物にならなくなりそうで

最初の計画通りにした

そう決めたにもかかわらず

人に言われるトン

もう一泊すればよかったと思ってしまう

(優柔不断だな)

 

「難しい顔してどうした?

 明後日、日本に行くんだろ」

 

嬉しいはずなのに

名に悩んでるんだって顔で

冷蔵庫を開けたままこっちを向いた

 

「ああ ・・・ 何でもないです」

 

「お前の何でもないは

 信用できないからな」

 

缶ビルを2本手に持って

僕の前に座り

一本を手渡しした後

 

「何でも聞くって言っただろ

 お兄さんに話して見なさい!」

 

にやりと笑って

缶ビルに口を付けた

 

「大したことじゃないんです

 向こうに泊まるのを

 2泊にすれば良かったかなって

 ちょっとだけ後悔してたところです」

 

「ああ、何泊するか悩むよな

 戻ってからの事を考えると

 一泊の方が良いと思うし

 折角行くんだから

 ゆっくりしたいとも思う

 どっちでゆっくりするかだな」

 

思案顔でビールを飲む先輩

真剣に考えてる様子

(この人は何時も真剣)

 

「なんでそう思ったんだ?

 一泊で良いって宣言してただろ

 俺としてはもう一泊して来いと

 あの時話したよな」

 

頑固なの知ってるから

不思議そうな顔をした

 

先輩にも言われてた

「2泊くらいして来いって

 飛行機に乗ってる時間が長いから

 強行軍は良くない

 芸能人でもあるまいし」と

あの時忠告に従ってたら

迷わなかったのかな ・・・

 

「ええ、強行軍は確かに疲れるけど

 土曜に戻れば

 日曜はゆっくり休めると思って ・・・

 トニーにまで言われて ・・・」

 

一泊して帰ると言ったら

彼はどう思うのだろう ・・・

誰もが強行軍だと聞くと

無理をするなって言う

 

かなり無謀な計画なんだと

考えさせられた

 

「彼奴は一言多いからな ・・・

 ただ、凄く心配はしてたぞ

 仕事はどうにでもなるのにって ・・・」

 

「それは分かってます ・・・」

 

「確かにお前の気持ちも分かるよ

 フライトは疲れるからな ・・・

 でも、木曜を選んだのって

 2泊しても良いって気持ちが

 少なからずあったんじゃないの?」

 

「そうかも知れない ・・・」

 

図星を指されて

ぐうの音も出ない 

 

ただ ・・・ 顔を見に行くつもりだった

会えなかったら

仕方ないとさえ思ってた

でも ・・・ 欲が出ちゃったんだ ・・・

 

「答え出てるじゃん

 もう一泊すればいいの

 帰りの便を夕方にすれば

 こっちには着くのは朝

 一日ゴロゴロできるぞ

 ほら、帰りのチケットを取り直して

 ホテルの手配!」

 

それも有りだなって思ったけど ・・・

手に持ったビールに口を付けて

まだ迷ってる

 

「難しく考えすぎなんだよ

 2泊したからって誰も困らない

 ホテルでゴロゴロして

 一人の時間を楽しむのも良し

 土曜に友人会えばいいだろ

 余裕を持って行動すべきだよ」

 

僕が迷ってるのは

彼に会って何を話そうか

考えが纏まっていないからなんだ

 

どさくさに紛れて

彼の顔を見て帰ってこよう

って、狡い事を考えてた

 

「はい」

 

「今すぐ変更の手続きをする!

 俺が見ててやるから」

 

見抜かれてる ・・・

そのまま変更しないのだろうって

 

他愛のない話をするために

会いに行っても良い

核心に触れることなど話さなくても

二人で飲めたらそれだけでいい

また先輩に背中を押してもらった

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>