取り敢えず打ち破ろうか 218 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

暁の一族に謝罪すると意気込んで

長の住む屋敷に向かったあの日

後先考えずに先走った俺を止めたのは

他ならぬ貴方だった

あの日の事は今も鮮明に憶えている

 

あのまま暴走してたら

今日の日は来なかったと思う

 

「色々な人に助けられて

 今日が有るんだね」

 

隣に座る貴方の顔を見て

奇蹟が起きたのだと実感する

 

「まさか本家の関係者として

 里に入るとは思ってなかったな

 耀の一族の当主と同行すると思ってた」

 

確かにそれが一番有り得る方法だ

でも、それだと貴方には会えない

 

「御前と画伯と翔兄のお陰だよ

 御前と翔兄、ものすごく気が合ってて

 実の親子みたいなんだ」

 

「そりゃ、画伯が大好きな二人なんだから

 気が合うに決まってるだろ」

 

貴方が笑いながら

御前と翔兄に視線を向ける

画伯を囲んで楽しそうに話してる

 

「お前の言う通り

 諦めなくて良かったよ」

 

こんな嬉しそうな笑顔

久しぶりに見た

願えば叶うんだと改めて思う

 

「御前が

 皇子と翔様の事

 もう許されても良いだろうって

 言ってくれたんだ」

 

だから、面接の通知が来たと

俺は思ってるけど

まだ貴方には言わない

迷惑はかけたくないからな

 

「御前らしい ・・・

 多分 ・・・ 画伯が噛んでるな」

 

「俺もそう思う」

 

「あの人は何なんだろうな(笑)」

 

見極める者なんだよ

ちびちゃんとも繋がってて

豆屋さんとは古くからの知り合い

 

「確かに謎が多い

 豆屋さんとの関係が一番の謎だけど」

 

「そうそう、今朝ちびちゃんが着て

 豆屋さんが翔のご両親を連れてくるって」

 

「へ? ・・・ それは聞いてないけど ・・・」

 

「皇子と翔様との話に

 俺の両親と翔の両親も同席するって」

 

「石帯と平緒を届けてくれるのは豆屋さんだよね」

 

「うん、そのはず

 詳しくは教えてくれなかったんだ蒼さん」

 

「あの人は無駄なことは言わなさそう(笑)」

 

一見冷たそうに見えるけど

かなり優しい人だと思ってる

それでなければ

さとち君があんな素直に育たない

 

「言わないな

 すぐに分かる事だし

 豆屋さんだから心配はいらないよ」

 

貴方の言う通り

その日になればわかる事で

あれこれ詮索しても仕方ない

 

「そろそろ食べ終わってそうだから

 父ちゃんと母ちゃんと4人で話そう

 結構、気を遣ってる(笑)」

 

久しぶりに会うのは

ご両親も同じなのに

俺が独占してしまった

 

「着いて直ぐにご挨拶したんだよ

 即位の儀を前にして

 息子よりも緊張してるって話してた」

 

かなり緊張してた

息子が帝になると言われたら

俺でもそうなると思う

 

今は御前の所で仕事をしてるから

ある程度の話は聞かせてもらってるらしいけど

 

「そんなこと言ってたの?

 さっき暁殿で会った時

 緊張してるように見えなかったけど」

 

ん?って怪訝な顔をして首を傾げる

 

「それは、息子の前だから

 心配させまいと

 普段通りにしてたんじゃない」

 

「ああ、そうかも知れない

 心配かけてるんだろうな

 まだまだ頼りないから」

 

「そんなことはないよ

 そろそろ、家族団欒を始めよう」

 

「うん、もう一人の息子とも

 仲良くしてもらおう」

 

いつになく上機嫌の貴方が

俺の腕を掴んで

ご両親の前に座る

 

「父ちゃん、母ちゃん

 翔が話したいって」

 

貴方の言葉に

ご両親が満面の笑みを浮かべた

 

「堅苦しい挨拶は抜きだよ(笑)」

 

貴方の同じように柔らかい笑みを浮かべた二人が

 

「お父さん、息子たちと

 ゆっくり話がしたいわよね」

 

「ああ、まずはビールをどうぞ」

 

息子と呼んでもらっただけで

喜びはひとしお

 

少しずつ家族になっていけたらいいな

 

 

 

 

 

<続きます>