取り敢えず打ち破ろうか 216 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

本家邸にも長の間がある

当然と言えば当然だけれど

この屋敷はほとんど使われていない

 

 

上段の間の絢爛豪華な襖絵

床の間の襖絵も有名絵師が描いたものだと思う

上段の間と下段の間の間には

御簾の仕切りもある

(今は上がってる状態)

 

俺達はもちろん下段の間

それもかなり後ろの方に控えた

御前がすぐ前に座ってくれた

 

上段が20畳くらいで

下段が30畳くらいかな?

(もっとかも)

 

場の雰囲気といい

正直、かなり緊張してる

長は貴方なのに ・・・

 

「翔兄、本家邸に長が泊まる場合

 あの上段の間で休むのかな?」

 

気を紛らわせるための質問

 

「どうかな?

 寝室は別にあるんじゃないか

 ここはいわゆる謁見の間だな

 二の間、三の間迄ある場合もあるけど

 長が誰かは秘匿されてるから

 この広さなんだろうな」

 

「こんな広いのに?」

 

上段に座った貴方の顔が見えるんだろうかと

ちょっと心配になる

 

「長就任の前

 現長はこちらの上段で

 お休みになられたよ」

 

御前が振り向いて教えてくれた

 

「こんな広い所で寝たんですか?」

 

「本家邸の長の寝所は作らない

 離れと言う屋敷があるからな」

 

もしかして俺が想像してる『離れ』とは

全く違う『離れ』なのかも ・・・

一族の長が住まう場所なんだから

本家邸に入ってスケールの違いを肌で感じた

 

緊張がMaxになった時

綾野君の声がした

 

暁の里で貴方と対面できる

それだけで胸がいっぱいになってきた

 

スーツ姿で入ってきた貴方

後光が射してるように見えた

 

「スーツ着て来て正解だったな」

 

翔兄が苦笑いを浮かべて呟いた

画伯、俺たちを試したよね ・・・

ちゃんと線引き出来るか

 

御前が誂えてくれたスーツ

それにも意味が有ったって事だ

 

一通りの挨拶が済み

御前と綾野君とのやり取りで

儀礼的な対面はお終いとなり

いつの間にか画伯が翔兄の隣に座った

 

「画伯、試したでしょ?」

 

恨めし気な視線を向けると

くすくす笑って

 

「無理強いするのは良くないだろ

 サクちゃんにとって

 彼は長である前に大切な人

 長も同じ ・・・

 俺はどっちでもいいと思ったけど

 二つの一族が新しい関係を築く第一歩

 それに気が付いてくれたから

 二人とも合格!

 翔ありがとう」

 

まさか ・・・ 翔兄はグルなんだ

視線を向けると

「してやったり」って顔をして

くすっと笑った

 

「俺たちは画伯の手のひらの上だよ(笑)」

 

貴方が俺の横に座って

叶わないなって顔をした

 

「この二人には敵わないな ・・・」

 

「まあ、色々考えておるのだろう

 綾野、昼食の支度は」

 

「出来ております

 皆様、隣の広間に移動してくださいませ

 長、ご両親様もお待ちです」

 

「ありがとう

 家族の団らんだな」

 

貴方の言葉に俺もだけど

翔兄が凄く嬉しそうな顔をした

 

家を捨てた翔兄は

新しい家族を得たんだ ・・・

頑固親父まで(笑)

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>