君のいない迷路 17 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

賃貸の鍵の交換はなかなか面倒なこともあり

(勝手に変えることはできない)

管理会社の方から急ぎであるのなら

スマートロックにしてはどうかと提案された

セキュリティの高さを重視し

解施錠通知が来て

サポート体制が充実しているものを購入

そのまま部屋に戻り設置した

 

「貼り付けタイプだから

 完璧までとは行かないだろうけど

 万が一、複製鍵を持ってたとしても

 使おうとは思わないだろうな」

 

必要ないのだけれど

オプションの専用キーとキーパッドを買い

ドアの外からでも鍵を変えたことが

分かるようにした

 

「ここまでしても

 無断で入ったのなら

 然るべき対応をするまでだよ」

 

「だな!

 そろそろ調査会社が来る時間だな」

 

池田の言葉通り

数分後に調査会社の方が見え

部屋中をくまなく調査して貰うことに

 

「あると思う?」

 

そこまでしていないと思いたい ・・・

それにそんな時間があったとも思えないし ・・・

 

「9割方ないと思う」

 

「池田もそう思うの?」

 

「ただ、今は誰でも手に入れられるから

 そこまでする人もいる

 『確実にない』が証明されないと

 気持ち悪いだろ?」

 

確かにその通りだ

疑心暗鬼で生活したくはない

 

「ああ、気持ち悪いな」

 

「実は俺も

 ここに入居する前に

 盗聴器の有無を調べてもらったんだ」

 

「何のために?」

 

「電池型の物は電池が切れたら使えないけど

 コンセントから電気を供給するタイプは

 取り除かない限り半永久的に電波を拾う

 前の住人が盗聴されていた可能性だってあるだろ?

 付けた奴は取り外しには来ない」

 

都会に住むと言うことは

そう言う事だと言う顔をした

だから詳しかったんだ 

 

「警戒心を怠るなってことだな」

 

「その通りだよ

 ここは世界的にも有名な大都市だからな

 春の引っ越しの際

 お前に勧めなかったのは

 俺の部屋だったから」

 

自信満々の顔でにやりと笑った

 

つまり4月の時点ではないって事だ

それで出てきたら

あの先輩が取り付けたことになる

 

 

調査会社の方は

かなり時間をかけて

念入りに調べてくれた

幸いなことに盗聴器は発見されなかった

 

ホッと胸をなでおろして一件落着

 

「はあ~ ・・・ 長い一日だったな ・・・」

 

どっと疲れが出て

ソファーに凭れ掛かって座る

 

全て俺の身から出た錆なんだけど

人間不信になりそう ・・・

 

「まあ、精神的にダメージの多い一日だったからな

 夕飯は美味しいものを食って

 美味い酒を飲もう!

 そろそろ来る頃だな」

 

池田が時計を見ながら笑みを浮かべた

 

「誰かくるの?」

 

くたくたで動きたくないし

人に会いたくない 

 

文句の一つも言おうと思ったら

インターホンが鳴った

 

「座ってていいよ

 俺が出るから」

 

「うん、頼んだ」

 

そのままソファーに寝転ぶと

 

「翔、ひ~ちゃん 私よ」

 

聞きなれた母の声

 

「おばさん 時間通りだね

 荷物沢山持ってる?」

 

「ええ、沢山持ってるわよ」

 

「じゃあ、降りてくよ」

 

池田はオートロックを解除して

俺の方を向き

 

「カードキー持ってくから

 寝てていいぞ」

 

早速オプションのカードキーを手にして

部屋を出て行った

 

 

何処までも気が利く奴 

池田様様だ 

 

改めて考えると

母を巻き込む大騒動になってしまった

本当に情けないことで ・・・

合わせる顔がない ・・・

 

 

ちょっと ・・・ いや ・・・

かなり気きまずい 

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>