君のいない迷路 4 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

どうして拒否しない?と問われ

即答できなかった

そんな俺に池田は黙り込んで

考えた後

 

「このまま付き合っても良い

 そう言う気持ちが

 少なからずあるんだな

 それなら、俺はお前の気持ちを尊重する

 そもそも、大野とは付き合っていないんだし

 裏切りでも何でもないよ」

 

突き放したように言った後

ウイスキーの水割りを口に流し込んだ

 

俺達は付き合ってはいない 

現実を突きつけられて

何も言えなくなった 

 

「黙ってるって事は

 肯定と取って良いんだな

 まあ、お前の人生だ好きにしろ

 ふ~ ・・・ 今晩だけ泊めて

 明日の朝早くに出て帰るよ」

 

グラスの水割りを飲み干して

そのままソファーに横になった

 

「池田 ・・・ 付き合う気は一ミリもない

 ただ、どうして拒否しなかったのか

 分かんないんだ ・・・

 寂しかったのかもな ・・・

 さっきお前が言ってた曲

 俺も知ってる ・・・

 ここでの1週間は一か月で ・・・

 一か月は4か月で ・・・

 3か月だと一年 ・・・

 ほんとにそれくらい離れてる気がしてて

 この都会に置いて行かれたような感覚に陥った

 智(さと)は 「大丈夫?」って

 何度も聞いてくれたんだ

 「大丈夫じゃない」って答えられなくて 

 答えたとしても会えないだろ ・・・」

 

「だから遊びで付き合っても良いかって思ったんだ

 その人が大野の代わりになり得ないのに?」

 

寝転がったまま声だけが飛んでくる

 

「いや、そんな気持ちはないんだ

 世話を焼いてくれるから ・・・

 断り辛くて ・・・」

 

人恋しかっただけなのかもしれない

今度来た時、ちゃんと話そう

 

「下心満載なんだから

 甲斐甲斐しく世話を焼く決まってるだろ

 そう言えば東京の大学に来た時も

 同じ間違いをしてたよな

 自分を見失って流されて ・・・」

 

「自分で器用な方だと思ってたんだ

 だから、実家にいた頃のように

 嫌なら嫌と意思表示は出来ると思ってた

 なのに、色々なこと考えて

 ・・・ 気が付いたら ・・・」

 

「まず、前提が間違ってる

 お前は器用じゃない

 実家に居た頃は

 失うものは何もなかったから

 冷酷にもなれたし、好き勝手出来てた

 それに守りたい人がいたから

 強くもなれた ・・・

 今はそうじゃないんだよ」

 

むくっと起き上がり

座りなおして 

俺の顔を凝視する

 

「どうしたい?

 相手が女性の先輩で

 初手を間違ってるから強く出れない

 このまま相手の手中に落ちるか

 何としても諦めてもらうか」

 

「諦めてもらう!」

 

「宜しい!

 で、俺の力は必要?」

 

「必要!」

 

「相手を傷付けずに諦めてもらう方法

 一つだけあるけど

 どうする?」

 

悪戯っ子の様な顔をして

にやりと笑った

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>