君のいない迷路 3 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

半年の間、ほぼ毎日君と話をし

週に1,2回は会うことも出来てた

お互いの心もちゃんと繋がってると確信したから

離れている間も大丈夫!

そう思ってたんだ 

 

入社して一か月は

君の方が気を使ってくれてて

俺以上にラインをくれた

週末には電話で話して

俺を支えてくれてた

(自分の事もあるのに)

ゴールデンウイークには会いに行こうとか

夢みたいなことも考えてたけど

実現するのは難しくて

その代わりと言ってはなんだけど

母や池田が遊びに来て

寂しさも感じることもなく5月も過ぎた

 

2か月も過ぎれば仕事にも慣れて来て

任される仕事も増えてくると

今まではなんだったのかと言うほど

忙しくなってきて

漸く、社会人になったのだと自覚をした

 

「忙しくて、寂しいから

 人恋しくなったって事?」

 

「確かに寂しかった ・・・

 会いに行きたいと思ったし

 話をしたいって思った ・・・

 でもタイミングが合わない日が続いて ・・・

 疲れてたんだと思う」

 

「まあ、寂しいお前を支えてくれる人がいたなら

 それはそれで良いけど ・・・」

 

その気持ちは分からないでもないと言う顔で

腕組をした後、小さくため息をついた

 

「そうじゃないんだ

 付き合ってない ・・・」

 

「付き合ってないって ・・・

 じゃあ、セフレ?」

 

「違う、断じて一線は超えてない」

 

「はあ?、じゃあなんで

 部屋の中にエプロンとか掛かってるんだ?」

 

一番目に付くところに

引っかけてあるもんな ・・・

 

事の経緯を順序だてて話して良く

 

*ここから()は池田君の突っ込みです

 

3か月目に入り

社内の人間関係も何となく理解してきた

どの会社にもいるように

お局様的存在はいる

研修期間の間は色々な部署を経験した

そこで知り合ったのが件の女性だ

俺より3つ先輩で

いつもお局様に叱られてた

(男はドジっ子に弱いわな)

6月の中頃だったかな

その先輩がいつものようにお局様に叱られ

給湯室で泣いてたんだ

見過ごすわけにもいかず慰さめた

(フェミニストは変わらないんだな、見過ごせよ)

そしたら後日、お礼にってランチに誘われて

(断ったんだろ?)

断ったけど ・・・ ついてきて ・・・

そこから何度かランチに行くようになった

(昔の来る者は拒まずに逆戻りだろ)

6月の終わりの退社時間に

またも泣いてて ・・・

(ロックオンされてんじゃん)

飲みに誘ったんだ ・・・

 

 

*ここから会話に戻ります

 

 

「なんで誘うかな?

 勘違いされても仕方ないし

 向こうもロックオンしてんじゃん」

 

呆れ果てた顔で

「馬鹿なの?」って言いたげ ・・・

馬鹿なんだけど ・・・

 

「それで ・・・

 二人でしこたま飲んで ・・・

 相手が酔い潰れた ・・・」

 

「それも常套手段だな

 どこかに泊ったとか?」

 

恐る恐る聞いてくる

 

「家を聞く前に酔いつぶれたから

 置いていけないだろ

 仕方なく ・・・」

 

「計算だな

 確実に酔ってない ・・・

 まさか、部屋に連れて来たとか?」

 

そのまさかで ・・・

 

「ホテルに泊まるのに抵抗があって ・・・」

 

「大バカ者!

 叩き起こしてタクシーに乗せろよ

 なんで、ご丁寧にお持ち帰りするの

 相手にとっては好都合だし

 本当に一線超えてないんだな」

 

「超えてない ・・・ 

 どうしようもなかったんだって」

 

一線は超えてない、断言できる

そこまで酔いつぶれてなかった ・・・

ただ ・・・ どんな状況だったかは

曖昧な部分も多い

 

「証明できないだろ

 お持ち帰りしてたら

 お前さあ、優しすぎるよ」

 

ぐうの音も出ない叱責

そうだタクシーに乗せればよかったんだ ・・・

 

「相手は恋人になったつもりだろうな

 後輩だから無下にしてこないだろうって

 高を括ってるし ・・・

 相当な ・・・」

 

池田の言うことは事実だ ・・・

交際しているわけでもないのに

会社の外で待ってたりする

 

「で、どうするの?

 さっきのも

 『明日行っても良いか?」ってラインだろ

 断っても来るだろうけど

 外堀から埋められてくぞ」

 

「やっぱりそう思う?」

 

「ああ、だって

 お前優良物件だから

 立場的にお前から突き放せないし

 相手を知らないけど

 そいつ良い人なの?」

 

その質問の裏側に

『良い子だとは思えない』が潜んでる

 

「う~ん どうもやらかしてる子らしい ・・・

 企画室に配属になり

 指導先輩になった女史に

 少しだけ話を振ったんだ

 その子の事じゃなくてお局様の事を」

 

「まあ、その子の事を聞くのはアウトだな」

 

「ああ ・・・ そしたら意外な言葉が返ってきた

 女史の尊敬する人で

 バリバリのキャリアウーマン

 件の女性は仕事が出来ない上に

 やらなくて良い事ばかりしてるらしい

 その尻ぬぐいに奔走してるのがその人だった」

 

外から見るようになって

女史の話が事実だと分かった ・・・

 

「そっちか ・・・ いるんだよ勘違い女子って

 自分は仕事が出来ると思い込んでるから

 たちが悪い

 やるべきことはやらずに、大失態を繰り返す

 それが悪いと思っていないから

 反省するより泣く

 苛められてますと言わんばかりに

 その策にまんまと引っかかった

 田舎から出てきたお坊ちゃま ・・・

 昔のお前は何処に行った?」

 

君なら慰めるだろうと ・・・

俺も温かみのある人になりたかったのかも ・・・

 

「今、大野のこと思い浮かべた?

 彼奴は引っかからないぞ

 周りをちゃんと見てるからな

 内田でも引っかからない」

 

「そうなのか?」

 

「健気さを前面に出す奴ほど

 健気じゃないんだよ ・・・

 今までいつも優位に立ってたから

 冷たくできたけど

 立場が逆になると脆いんだな ・・・

 言っておくけど

 お前、自分が思ってるより隙だらけだぞ」

 

 

その通りかもしれない ・・・

 

 

 

 

 

<続きます>