君のいない迷路 2 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

ほんの数か月前の自分と

今の自分が変わってしまったのは

池田に言われなくても自覚している

 

唯一変わっていないのは君への想い

それは事実だけど

胸を張って言えるほど

品行方正でもない

それが情けなくて恥ずかしい ・・・

 

「古い歌に ・・・

 『東京の一夜』って曲があるんだけど

 それが頭に浮かんだ 

 都会に憧れるけど

 住むには覚悟がいるな」

 

酔いが回ってきた池田が

自嘲気味に呟く

 

「そうだな ・・・

 流されない様に必死で抵抗するけど

 気が付くと ・・・

 自分を見失ってる ・・・」

 

「街中に出れば人で溢れてて ・・・

 みんな忙しそうに足早に歩いていくじゃん

 その時気が付いた ・・・

 これだけ人が居るのに

 一人ぼっちだなって ・・・

 かなり寂しかった

 その頃はフォローしてくれる彼女がいたから

 そこまで落ちなかったけど ・・・」

 

池田の彼女が月に2回ほど

会いに行ってたのは聞いた

  

「なんで別れた?」

 

あの時は深く聞かなかったけど ・・・

 

「都会に疲れてた俺と

 都会への憧れが強くなっていくアイツ

 そりゃ、都心に住むって

 若い女性の憧れじゃん

 それを叶えるためには

 俺と結婚するか

 会社を辞めて上京するかの2択

 同棲の考えてたみたいだ」

 

何処まで行っても続く田んぼ道

そんな田舎に住んでれば

ここまで煌びやかな都会は

憧れの対象になって当然

 

「確かに憧れる場所ではある」

 

現に俺も東京に来て暫くは

熱に浮かされたように

都会の生活を満喫してた

 

「俺がそこまで考えられなかった ・・・

 そこから、ちょっとずつすれ違って ・・・

 気が付いたら心が離れてた

 アイツ、結婚するよ」

 

展開が早すぎてついて行けない ・・・

マジで ・・・ 別れたの3月だったはず ・・・

 

「凄いな ・・・」

 

「今の彼氏が海外転勤になったから

 置いて行かれるのは嫌だったらしい

 俺たちは長すぎた春」

 

「悩みの相談をしてた人?」

 

「そうだろうな ・・・

 お前が思うほど俺はダメージを受けなかった

 そうなるかもって予感もあったし

 恋人と言うよりは親友で

 今でも会えばお茶したりする

 それと、俺も夢が出来たから」

 

「夢?」

 

「ああ、形になるまでは内緒!

 今はひたすら働くだけだよ

 って ・・・ 俺の話ばかりするけど

 諦めたの?」

 

真っすぐな眼差しで

ストレートに聞かれて

返事に窮してしまう

 

 

「 ・・・ 諦めてはいない ・・・」

 

「歯切れが悪いな ・・・

 また変なのに捉まったの?

 それとも、そっちも本気だとでも?」

 

「どうしてこうなったのか

 考えても分からなくて ・・・

 いつの間にか ・・・」

 

「いつの間にかで

 部屋にお前の者じゃない物が増えるの?

 さっきから携帯が光ってるけど

 その持ち主からだろ?」

 

どうしてこうなったのか

本当に分からないんだ

一番好きなのは君で

想いも変わっていない

 

なのに ・・・

何故か ・・・

俺の隣で笑う人がいる ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>