取り敢えず打ち破ろうか 165 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

古い洋館をそのまま博物館にしたため

室内のインテリアやなどは古いものが多い

それに合わせるように

全ての家具がアンティーク調に揃えられている

応接室のソファーもその一つ

そこにちょこんと並んで座る二人

俺が入って行くと手を挙げて笑みを浮かべた

 

「話は終わった?」

 

珈琲を飲みながら笑みを浮かべる

 

「うん、終わったけど

 どうかしたの?」

 

俺が出掛ける時

今日は一日中絵を描くと言ってたのに ・・・

 

「豆屋さんが君に用が有るって言うから

 連れてきてもらった」

 

連れてきてもらったと言うことは

綾野君は知らないな ・・・

 

「立ってないで座って

 君に一番に見せようと思ってね」

 

ニヤリと笑った豆屋さんが

ローテーブルに視線を移した

テーブルの上には風呂敷に包まれた箱?

 

「長、珈琲をお持ちします」

 

後ろから入ってきた小瀧が告げる

 

「小瀧君、そこは径君だよ」

 

画伯に諫められて

仕舞ったと言う表情を浮かべて頭を掻く小瀧

 

「博物館で働いてるのは径君

 気を付けないとダメだよ」

 

「はい、気をつけます

 先輩、珈琲を淹れてきます」

 

「ああ、頼んだ」

 

さっきまで仮の暁殿に居たから

それは致し方ないが

気を抜いてるとバレてしまう

 

向かい側に座り

豆屋さんが持ってきた物を眺める

何だろう?

 

「何だと思う?」

 

腕組をした画伯が

俺の顔をじっと眺めて

眉尻を下げた

 

「もしかして ・・・

 俺が依頼した器ですか?」

 

さっき話が出た

蒼灯さんの器

 

「ぶっぶ~ ・・・ 違う!」

 

思わずのけ反ってしまった

 

「違うんですか?」

 

がっかりした表情を浮かべたら

豆屋さんが笑いながら頭を振って

 

「君が依頼した智翔の軸と

 蒼灯の器は

 現上毛屋の当主の蔵から発見されたよ

 明日辺りにはニュースになる

 必ずここに来るようにしてあるから

 上毛屋の現当主からの連絡を待ってくれ」

 

「ふふ ゲンキンな奴

 一気に表情が明るくなったよ」

 

画伯に突っ込まれ

タジタジの俺

 

「でも、その連絡を待ってたんですよ

 信じてましたけど

 ハラハラしてたのも事実です」

 

「本物の鑑定がされたら

 ここに運ばれるよ」

 

それじゃあ ・・・ これは何?

 

「開けてごらん

 これは君への贈り物だよ

 ただし、見たら

 持ち主に届けるけど」

 

「はあ ・・・」

 

よく分からないけど

開けてみることにする

 

風呂敷包みを開けると

桐の箱が出て来て

書付には夫婦茶碗と書いてあった

 

「夫婦茶碗?」

 

「当時は知らなかったみたいだよ

 だからこの名を付けたらしい」

 

画伯がくすくす笑いながら

豆屋の顔を見る

 

「江戸時代の蒼灯には意味が分からなかった(笑)」

 

「まあ、その言葉自体ないからね

 早く開けてごらん」

 

袱紗に包まれた茶碗が二つ

並んで入っていた

 

袱紗をほどくと

『智』と言う名が飛びこんできて

結構大きめの茶碗

 

「これは ・・・」

 

裏を見るとカタカナで『サク』と

銘が入っていた

 

「もしかして彼奴が作った物?」

 

「ああ、時代を超えて

 ここにやってきた」

 

「因みにそれは

 カフェオレボウルだ」

 

画伯がこの茶碗の正体を教えてくれた

 

 

 

 

 

 

<続きます>