取り敢えず打ち破ろうか 157 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

カンテラは朝・昼・夜と

それぞれの時間帯に常連客がいる

夜ともなればお酒を飲みに来る人で賑わう

喫茶店なのに(cafeと言うほどお洒落じゃない)

 

「カンテラって夕方までは

 古い喫茶店だけど

 夕方以降はバルみたいだよね」

 

メニューにないものを注文する客に

喫茶店らしからぬ酒の種類の多さ

その上、価格はリーズナブル

常連になったら

週3くらいは通いたくなる店

 

「まさにバルだろ!」

 

にやりと笑って頷いた

 

「ああ、そうか ・・・

 イタリアとかスペインのバルだ」

 

朝はモーニング、昼は軽食、夜は居酒屋

海外を放浪してた直人さんが目指した形

 

「時代の先駆者だったんだね」

 

バルと呼ばれるお店が現れる前から

このスタイルってことは

このお店は先駆けとなる

 

「時代が俺に追いついてきたんだな」

 

そう言って可笑しそうに笑いながら

手をひらひらさせて

 

「冗談だよ

 隠れ家的な店で

 いつ来ても誰かと話せる

 そう言う店にしたかった

 ただ、始めた頃は

 閑古鳥が沢山来てたよ」

 

「隠れ家と認識されるまでだよね

 この細い階段を上がる勇気がいる」

 

「そうなの?

 普通、細い道って

 歩いて見たくならない?

 子ども心の探検ってやつ」

 

「うん、それはあるけど

 階段はないんじゃない?

 開いてるか否か悩むからさ」

 

「そっちか!」

 

今頃分かったの ・・・

呆れた顔をすると

くすくす笑う

 

「お ・・・ 常連客が来たな」

 

マスターの視線を追うと

ドアの向こうに翔兄

独特の音を鳴らしながらドアが開く

 

「おかえり~」

 

「ただいま」

 

椅子に座るや否

携帯を取り出して

 

「サク、驚くなよ!」

 

前置きをしながらにやりと笑った

 

「うん ・・・」

 

「何かあったの?」

 

直人さんも興味津々

 

「本家の御前からラインが来た」

 

御前? ・・・ 大野本家の当主だ ・・・

そんな人がライン?

 

「御前がラインするの?」

 

「意外だな ・・・」

 

直人さんと顔を見合わせて

お互い首を傾げた

(本物?)

 

「智が教えたらしい」

 

「じゃあ、頻繁にやり取りするの?」

 

「時々かな?

 って ・・・ そんな話じゃなくて

 これを見て!」

 

ライン画面を見せてくれる

 

読み終わった後

固まる俺と直人さん

 

「まじなの?」

 

最初に確認したのは直人さん

 

「俺も読んですぐに固まった

 前にその話題が出た時

 希望的な話で、現実は有り得ないと思ってたから」

 

 

「うん、俺も冗談だとばかり ・・・

 でもさ、御前の身内としてって事は

 翔兄、認めてもらえたんだよ

 画伯とのことを正式に」

 

「確かにそうだな

 画伯のパートナーとして認めてくれたんだな

 そうでなきゃ、ここまでして貰えないよ」

 

俺達の話を聞いて

満面の笑みを浮かべた翔兄が

「俺に親父が出来た(笑)」

それはそれは嬉しそうな声で呟いた

 

多分、画伯は知ってたよね

だから、平気な顔で

暫くは会わないと言えたんだと思う

 

「俺も行って大丈夫なのかな?」

 

翔兄は身内でも

俺の立場は?

 

「本家が長のパートナーだと認めたんだよ

 長のご両親とも会ってるだろ?」

 

「会ってるけど ・・・」

 

「深く考えなくていいんだよ

 多分、彼も了承してると思う

 サクちゃん、胸張って行ってきな」

 

直人さんに言われたら

大丈夫な気がしてきた

 

「里に入る前日

 小栗君が迎えに来るから

 そのつもりで予定して

 それから、陽の一族の代理で

 親父さんが里に行くことになるはず」

 

「そりゃそうだ、陽の一族が動くわけがない」

 

直人さんの言う通り

それが既定路線だ

 

 

もう少しで貴方に会える 

話せる時間があるかは分からないけど

頑張ったご褒美だな 

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>