雪の声がする庭 (珈琲屋と雑貨屋) | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

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大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

雑貨屋を確保して蒼幻燈に運んだ

異世界ではない場所に店を移動したお陰で

2階の部屋の幻燈は動くこともなく

雑貨屋が過去や幻を見ることもないだろう

 

「寝たか?」

 

庭先でさとち達と一緒に

雪だるまを作っていたマスターが尋ねる

 

「ああ、骨董屋の薬湯を飲んだら

 そのまま眠った」

 

「あおちゃんの やくとうは

 すご~く きくんだよ!」

 

さとちが自分ごとのように自慢げな表情を浮かべた

 

骨董屋家業をしているけれど

彼奴の本業は薬師(本人は副業と言っているけど)

遠い昔から薬屋として有名

 

「流感の可能性もあるから

 暫く掛かるかもな」

 

「ああ、骨董屋の薬があるし

 養生させれば

 明日には熱は下がるだろ」

 

「ねえねえ ・・・ ふたりは

 かぜひかないの?」

 

二人の話を聞いてたさとちが

心配そうな顔をする

聞かれた二人は首を傾げながら

 

「憶えてないなあ ・・・

 いつだっけ?」

 

「ここ最近はないな ・・・」

 

二人とも記憶にないと言う顔をした

 

「そうだ、ちびちゃん 

 風邪ひいたら大変だ

 骨董屋に送ろうか?」

 

「う~んと おいらはだいじょうぶだっちぇ」

 

「大丈夫?」

 

「うん、あおちゃんが

 ばりあーみちゃいなの

 はっちぇくれちゃ」

 

それでなきゃ、薬を持たせないか ・・・

 

「じゃあ、ゆっくりできるな」

 

「うん、あおちゃんがくるまで

 あやちちゃんと

 もうすこちあそぶの!」

 

「だいぶ寒くなってきたから

 部屋の中で遊ぼうな」

 

今日のマスターは

さしずめ保育士さん

 

「は~い なにちようかな ・・・

 そうだ、すごろく!」

 

昔、蒼灯が作ったすごろくが置いてあるのを思い出して

遊びのリクエストをする

 

「豆屋、すごろくだって!」

 

「そこに引き出しに入ってるよ

 お汁粉を作るから食べる?」

 

「うん、たべる!」

 

「んじゃ、マスター

 チビちゃんたちの相手

 よろしく!」

 

「任せろ」

 

豆屋は雑貨屋の世話があり

行ったり来たりするだろうから

ここはマスターの出番とばかり

張り切ってさとちの相手をする気満々

 

「夕飯は ・・・ お粥か ・・・

 煮込みうどんにするか ・・・」

 

そう呟きながら

お汁粉を作り始めた

 

「ざっかやしゃん

 はやくよくなるといいね」

 

「ちびちゃんは 優しいね」

 

「だっちぇ ねこむとたいへんなの」

 

「チビちゃんは経験あるの?」

 

「コロニーにいるとき

 ねこんじゃったの 

 めがみしゃまの おくすりで

 よくなっちゃけど」

 

「コロニーに住んでたの?」

 

ずっと、骨董屋で暮らしてたと思ってたマスター

それを聞いて驚いた顔をした

 

「そうなの ・・・

 おにいさんようせいになるまで

 コロニーにいちぇ

 おおちゃんにあっちぇ

 こうぎょくにすむようになっちゃの」

 

「そうだったんだ ・・・」

 

「すごろくしないの?」

 

二人の話を聞いてた豆屋

テーブルに何も載っていないのを見て

苦笑いを浮かべた

 

「ふふ ・・・ はなちこんじゃちゃ」

 

バツの悪そうな顔で笑いながら

引き出しの前に行き

双六を取り出して戻ってきた

 

「花茶だよ」

 

「わ~い

 のみながらあそぼうね」

 

 

骨董屋がくるって事は

違う薬を持ってくるかもしれない

今は大人しく寝かせておくか

起きたら、大量の小言を言うから

覚悟をするように(笑)

 

二階に上がる階段に視線を向けて

「ゆっくり休め!」と心の中で呟いた

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>