mian (希望) 14 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

彼の部屋に飾ってある絵 ・・・

見てると切なくなってくるのに

何故か ・・・ どうしても見たくなる

 

『見える蒼に色によって

 その時の心情が反映される

 どんな蒼に見えてる?』

 

誰に聞かれた言葉だっけ ・・・

誰にも聞かれてない

この部屋に入って

初めて見た絵なんだから 

 

「その絵が好きなの?」

 

彼が花茶を飲みながら

俺の顔を見て笑みを浮かべる

 

「好きなのかな ・・・

 見るたびに蒼の色が変わる ・・・」

 

「今日の色は何が一番強いの?」

 

「深海の蒼 ・・・」

 

そう答えると

彼は寂しそうな顔をして

 

「孤独 ・・・ 迷い ・・・

 そんな感じかな?」

 

そんな感じってどんな感じだよ

孤独でもないし

迷ってもいない

 

ただ ・・・ ぽっかりと ・・・

穴があいた心を持ってるだけ ・・・

 

「当たらずとも遠からじ ・・・

 って、俺は孤独じゃない ・・・

 迷いは ・・・ 誰だってあるだろ?」

 

 

「確かに誰にでもあるな ・・・」

 

見える色で決めつけられるのも

これ以上、詮索されるのも嫌なので

話題を変えることにする

 

「どうして部屋に鍵を掛けないの?」

 

突然、話題を変えてしまったからなのか

彼はポカンとした顔で

目をパチクリさせた

 

「鍵か ・・・ 掛けたり掛けなかったりだな

 まあ、取られてはいけない物など

 置いてないから ・・・」

 

「でも、勝手に入られて

 寛がれても嫌だろ?」

 

これだけ広い部屋

ソファーも最高級だし

空いてると分かったら

昼寝に来る奴もがいるかもしれない

 

「俺がいない時なら

 別に構わないけど ・・・

 ただ ・・・」

 

「ただ?」

 

「誰も入れないと思う

 君は入ってみた?」

 

「入らないよ

 ドアが開いて吃驚しただけ」

 

ノックしても返事がないし

倒れてるかと思って

少しだけ中には入ったけど ・・・

 

「その椅子に君が座ってても

 俺は別に構わないよ(笑)

 しかし、この部屋を用意した人は

 一体、何を考えてたんだか

 こうも広いと落ち着かないよな」

 

それだけ、彼が特別って事だ

何が特別なのか

父に聞いても答えてくれなかった

 

「広い部屋の方がのびのび出来るだろ?」

 

俺の寮の部屋は

かなり狭い ・・・

 

「広くて綺麗すぎて

 部屋で絵は描けない

 汚したら大変だからな」

 

「だから、森の小屋に行くの?」

 

「うん、絵の具とか散乱してても

 誰も文句言わないだろ」

 

「寂しくないの?

 森の夜を想像すると

 ちょっと怖いというか ・・・」

 

「深い闇の中だから?」

 

「まあ、そうかな ・・・」

 

「意外と明るいよ

 空気が綺麗だから

 木々の隙間から月の光が射し込み

 夜空に瞬く星の煌めきも

 はっきり見える

 夜空を見上げたことはある?」

 

「夜空はないかな ・・・」

 

空を見上げることが少ない ・・・

 

「この寮からでも見えるから

 夜の空を見上げてみて

 そうだ、この絵を持って行ったら?」

 

いきなり絵の話に戻って

口を開けたまま固まった

何処からその話にチェンジ出来るんだ?

 

「好きな絵なら

 好きな人の部屋に飾るべきだと思って」

 

「そんな事、出来るわけないだろ?

 そもそも君の絵じゃないし

 この絵はここに在るべき!」

 

この絵はここに在るべき ・・・

どうしてだか、そう思った ・・・

 

「ふ~ん そうなんだ」

 

「そうなんだよ!

 そろそろ、講義が始まる

 花茶、ご馳走様」

 

そそくさと立ち上がって

部屋の外に出た

 

 

 

顔見てると苛立つのは何故なのかな?

決して彼が嫌いな訳じゃないのに ・・・

 

 

 

 

 

 

<続きます>