取り敢えず打ち破ろうか 147 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

お茶を飲みながら最初に口火を切ったのは翔兄

 

「おじさん、思いっ切ったことをしたって聞いたけど

 CEO退任のニュースは報じられて知ってたけど

 相談役としても残らないの?」

 

取締役会から会長職のポストを提示されたそうだけど

それも固辞したと聞いた

 

「ああ、当主を降りる以上

 会社に残るのは如何なものかってなるだろ」

 

「ならないでしょ

 おじさんがいなくなったら

 櫻井グループは終わるよ」

 

翔兄の言ってることは一理ある

無責任だと言われかねない

それを心配してるんだろうな ・・・

 

「そんな脆弱な会社じゃない

 会社を支える人材を育ててきた自負はある

 だから大丈夫だよ」

 

そう言い切る父には

自信があるのだろう

 

「上に立つものが無能であれば

 あっという間に壊れる

 本家のあの方々にその力があるとは思えない」

 

不思議だな ・・・

あれだけ本家を嫌ってるのに

会社の事を心配してる 

俺は全く気にならなかった

正直、壊れても良いとさえ思ってる

我ながら薄情な人間 

 

「それならそれで仕方ないな

 権力だけを持ちたいと言うのは

 ただの我儘 

 それに見合うだけの仕事をするのは当然」

 

きっぱり言い切る父は

既に耀の一族と決別してるように見えた

 

「確かにそうだけど ・・・って ・・・

 なんで俺が心配してるんだ」

 

多分、規模は違うけれど

社長と言う立場で考えてしまたんだと思う

 

「社長をしてるからだよ」

 

父は気が付いてたのか

くすくす笑いながらそう言った

 

「確かにそうだ

 一族の人間として話したんじゃなく

 一社長として話した ・・・」

 

「一族と決別したら気が楽になったよ

 カンテラで話したように

 私は橘の流れを汲む一族として

 生きて行こうと思ってる

 だから、あの美術館にある

 一族の歴史は京都の寺に戻すよ

 彼が眠るあの寺にお返しし

 私たちが守っていこうと思う」

 

俺の胸元で聞いていた翔様が

泣いているような気がした

 

「父さんたちの後は俺が守るよ」

 

「ああ、そうしてくれるか」

 

「うん 任せて ・・・

 ところで父さん

 何か困ったことが有るの?

 一族に関して」

 

父は「う~ん」っと言ったまま

黙り込んでしまう

 

「あのね 当主の交代は

 年始の席で話して承認されたの

 次期当主はまだ子どもでしょ

 親が代理と言う形をとるのだけれど ・・・

 暫くはお父さんに残って欲しいと」

 

母勝ち緋の代わりに口を開いた

 

「それって、面倒なことは

 父さんに任せるってこと?」

 

「平たく言うとそうね」

 

「平たく言わなくてもそうだよ」

 

すかさず翔兄が突込みを入れる

 

「本家が考えそうなことだよな ・・・」

 

ホントに呆れかえってしまう ・・・

 

「一族に仕える執事が居るから

 父さんが残らなくても

 問題ないんじゃないの?」

 

「その執事が辞めたいって言ってるのよ ・・・」

 

あらら ・・・ それは一大事だ ・・・

翔兄が笑いながら

 

「いかに本家に人望がないかだよ ・・・」

 

その通りだ ・・・

本家は甘い汁しか吸ってこなかったからな ・・・

 

 

 

 

 

<続きます>