mian (希望)10 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

彼が教授と話をしてるいる間

廊下の椅子に座って待つことにした

 

 

さっきの彼の言葉が

ぐさりと突き刺さってる

 

恵まれた環境の中で生きている俺達

いくら母星を憂いたところで

何かが出来るわけではない

 

だから ・・・ 夢を持つ発想がなかった

 

この国の中で出来ることは限られてて

端から考えようとはしなかった

そこを指摘されて腹を立てた

自分の未熟さに嫌気がさす 

 

「自由な発想で

 君の描きたい物を描きなさい

 出来上がったら見せに来るように」

 

笑顔で話しながら

教授と一緒に出てきた彼

初対面とは思えないほど打ち解けてて

それがまた癪に障った 

 

「教授、またお話を聞かせてください

 それでは失礼します」

 

「ああ、いつでも来てくれ

 待ってるよ」

 

彼が俺の横に並ぶと

教授はいつもの威厳に満ちた表情に戻り

 

「ラーノ君、待たせてすまなかったね」

 

俺の背中をポンポンと叩いて

部屋の中に入って行った

 

「随分と話が弾んだようだね」

 

ちょっと(かなりかな)嫌味っぽく言ってしまった

 

「好きな画家は誰かって話で

 盛り上がってしまって

 待たせて悪かったな」

 

全く意に介さず

満面の笑みで答えてくれる

なんなんだ ・・・ 此奴 ・・・

普段はここまで気が短くないのだが

何故かイライラしてしまう

 

「良いよ

 無事挨拶が出来て何よりだ

 次は寮長の所に行こう」

 

「その前に、どこかでお茶でも飲まない?」

 

「それは挨拶が済んでからじゃない?」

 

「確かにそうだな

 不謹慎な発言は撤回するよ」

 

気を悪くするかと思ったら

失言を認めて「じゃあ、お願いできる」

って笑みを浮かべた ・・・

 

「分かればいいよ」

 

木で鼻を括ったような応対にも

嫌な顔一つしない

彼は良い人なの?

 

「なんで怒らないの?

 相当失礼なこと言ってるよ」

 

思わず語気を強めてしまう

一人で苛ついて一人で怒って 

どんどん自己嫌悪に陥る

 

「怒るところ有った?

 君は礼を重んじてる

 それって凄い事だと思うし

 俺は無礼だったと思う

 まずは挨拶から、それが基本

 寮長に挨拶をして、食堂にも挨拶をして

 その後時間があったら

 お茶を飲もう」

 

 

馬鹿にしてるの?

普通なら『良い奴だ」って思えるのに

穿った見方しかできない

 

「うん、時間があったら ・・・」

 

即答せずに

言葉を濁して

きた道を戻っていく

 

「部屋の中は見た?」

 

唐突に聞いてみると

彼は思いっきり頭を振って

 

「見ていないんだ

 あの後すぐにダークヘッジに戻ったから」

 

「ダークヘッジの何処らへんなの?」

 

あの辺りに町なんてあったか?

誰も近寄らない ・・・

鬱蒼とした森の中の道

 

「ダークヘッジから入る森の中だよ」

 

思わず彼の顔を凝視してしまう

あの森、確か立ち入り禁止だったような ・・・

 

「あそこって入れるの?」

 

「普通に入れるよ ・・・

 アルフヘイムへの入り口がある

 って言われてるけど ・・・

 何処にもないよ」

 

「そうなの?」

 

それは嘘だ

どこかに連なる道が有るって

迷い込んだら帰って来れないとも言われてる

 

「森の中に小屋があるんだ

 そこで絵を描いたり

 オブジェを作ったりしてる」

 

「俺が行きたいって言ったら

 連れてってくれる?」

 

「構わないよ」

 

「じゃあ ・・・ いつか ・・・」

 

「あはは ・・・ いつかなんだ(笑)」

 

いきなりは無理だよ

ダークヘッジすら通ったことがないんだから ・・・

 

話している間に寮に到着

寮長の部屋に案内して

一緒に中に入った

 

 

 

 

 

 

<続きます>

 

 

 

 

 

ずっと空いていた部屋だけど

鍵が掛かっていたわけではない

部屋の中のベッドに寝転がる奴はいないけど