取り敢えず打ち破ろうか 145 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

久々に遅くまで酒を飲んで

目が覚めたのは

『おはよう』を言うか迷う時間帯

大きく伸びをして布団から抜け出す

珍しい事の翔兄の方が早く起きてた

 

「おはよう」

 

「おはようと言うよりは

 おそよう だな(笑)」

 

そんな言葉ある?

まあ、時間的にはそうだけど

 

「何してるの?」

 

「さっき、風ちゃんが

 焼き立てパンと

 卵スープを届けてくれたから

 珈琲を淹れてるところ」

 

いつも指先一本(ボタンを押す)で淹れてるのに

コーヒーミルにドリッパー、サーバー

珈琲用ケトルと

 

ペーパードリップで淹れるセッテイングがされてたからだ

 

「珈琲 ・・・ 淹れられるの?」

 

思わず口をついて出てしまった

だって、俺以上に何も出来ない

(炊飯器も使えなかった)

画伯が全部やっちゃうから

 

「お前ねえ ・・・ これくらいは淹れれる

 豆屋さんにご教授頂いたからな」

 

「そうなんだ

 って事は、今日の豆は豆屋さんの?」

 

「うん、今朝持ってきてくれた希少豆

 風ちゃんに分けてあげたら

 滅茶苦茶喜んでた」

 

そうだろうな、豆屋さんの珈琲豆は

最高級でなかなか手に入らない

(どうやって手に入れてかは謎?)

 

「じゃあ、美味しく淹れてよ」

 

「任せろ!

 パンとスープの他に

 ゆで卵、ソーセージにサラダもある」

 

それってホテルの朝食じゃん

 

「至れり尽くせりだな」

 

「総菜パンに欠かせない具材って言ってた」

 

「それだけじゃないよ」

 

「確かに ・・・

 俺たちのこと気にかけてくれてる

 それだけであったかくなるな」

 

うん、そうだね

 

「翔兄、ちゃんと見て淹れてよ」

 

「そうだ ・・・

 無事に帰ってきた事

 二人に伝えてくれたって

 ホッとした顔してたってさ」

 

あの後、里に行ってくれたんだ ・・・

俺達は周りに恵まれてる ・・・

 

翔兄を見てたら

俺と全く同じ淹れ方 ・・・

 

「せっかち味の珈琲になりそう(笑)」

 

それを聞いた翔兄

むっとした顔をする

 

「どういう意味?」

 

「もう少し蒸らすんだって」

 

「蒸らす?」

 

「中心から外側に

 お湯を優しく、細く、ゆっくり注ぎ

 珈琲を蒸らすんだって

 せっかちに淹れるとせっかちな味になる」

 

「そうなんだ」

 

「受け売りだけどね」

 

「長の?」

 

「うん、あの人が淹れると

 ものすご~く美味しい

 俺が淹れるとせっかちな味って言われる

 でも、それも好きだって言ってくれた」

 

「そういう物なんだ ・・・

 知らなかった ・・・

 やり直すか?」

 

「待って、豆屋さんの豆は希少だから

 次に淹れるときは気をつければいいよ

 画伯の為に練習しようよ

 俺も一緒にするから」

 

「それはナイスアイデア

 じゃあ、せっかち珈琲で

 朝ご飯を食べたら出かけるよ

 親父さんに電話しておいて」

 

「もう連絡したよ

 昼前には行くって」

 

「仕事が早いな

 では、頂きま~す」

 

湯気を立てた珈琲を一口飲んで

分ちゃんの朝ごはんを頂いた

 

「ホテルのモーニングだね」

 

「めっちゃ、美味いな!」

 

翔兄は嬉しそうに笑って

パンに齧りついた

 

 

年始の集まりで

俺が当主を継がないと宣言した父

それによって、本家の跡取り一家が

春に引っ越してくることが決定した

 

父は会社のCEOも降りると宣言

会社がどうなるかは

知った事ではないと笑ってた

 

第2の人生の構想は出来てるようだから

俺もちゃんと決めないといけないな

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>