SUMMER VACATION 2 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

スケジュールが消える?

何度手帳を見ても空白になってる

山の日を入れて5日間のオフ(夏休み)

 

「休みなさいってことじゃない?」

 

翔君は仕事大好き人間だから

結構スケジュールを詰める

僕はのんびり屋さんだから

足して2で割って丁度良いんだけど(笑)

 

「そうだけど ・・・ 

 休みの予定を立ててもいい?」

 

スケジュール帳が埋まってないと

落ち着かないらしい

やっぱり『せっかちさん』だ 

 

「偶には予定を立てないのもいいんじゃない?」

 

「そう?」

 

ちょっと不服そう ・・・

たまにはゴロゴロもいいと思うなぁ

 

「智ちゃん、翔 ・・・ お客様よ」

 

階段下からお母さんの声

 

「お客様?誰かなあ ・・・」

 

「誰だろう?」

 

二人で顔を見合わせて首を傾げた

急いで下に行くと

リビングから声がする

 

『おじゃまちましゅ

 さとちりょこうしゃの さとちといいます

 これはあおちゃんのはなちゃです』

 

あれ?さとち君?

 

「さとち旅行社って?」

「新しい会社?」

 

慌てて部屋に入っていくと

お兄ちゃんと二人で座ってて

僕たちを見つけてにっこり笑う

 

「こんにちは むもんしゃまとさくらいしゃん」

 

お兄ちゃんと一緒にソファーから立ち上がって

お辞儀をする

いつもなら飛んできて抱きつくのに ・・・

 

「こんにちは」

 

「こんにちは

 どうぞお座りください」

 

「はい ・・・ ありがとうございます」

 

僕たちが座るのを待って二人が座った

 

「今日はどうしたんですか?」

 

二人の前に座って気が付く胸のプレート

 

『さとち旅行社 社長 さとし』

『さとち旅行社 福社長 お兄ちゃん』

 

お兄ちゃんの名前が書いてないのが面白いけど

そこはさとち君がわかる様になのかな?

会社のバッジ迄ついてる

 

「あたらめまちて

 さとちりょこうしゃ しゃちょうの さとちです

 ふくしゃちょうの おにいちゃんです

 きょうは おねがいがあってまいりまちた」

 

さとち君が真面目な顔をして

挨拶をする

 

「お願いですか?」

 

「はい むもんしゃまに

 おねがいがあっちぇきまちた 

 おにいちゃんせつめいちてください」

 

「ここからは私から説明させていただきます

 智翔旅行社の後を引き継ぎました

 さとち旅行社です

 今回、企画第一弾といたしまして

 『Magical  land ツアー』を催行いたします

 このツアーは体験型ツアーです

 7つの扉の向こう側で

 皆様に色々な体験をしていただくものです」

 

「こちらがポスターとチケットになりましゅ」

 

 

 

 

「もしかして ・・・ 春の企画の様なものですか?」

 

「そうです

 今回は歌はないですが ・・・」

 

『すみません』って顔をするお兄ちゃん

 

「ないのに?」

って翔君が首を傾げた ・・・

 

「せんせいになっちぇくだしゃい」

 

先生? ・・・ ダンスくらいしか教えられないけど ・・・

 

「ダンスとか?」

 

「ちがうの ・・・」

 

違う?

 

「SATOSHIさんは陶芸が出来ると

 伺ったのですが ・・・」

 

「陶芸? ・・・ 祖父が陶芸家だったので

 出来ないことは無いですが ・・・

 教えられるほど ・・・ 」

 

「そうだ ・・・貴方陶芸家だったよね ・・・」

 

翔君が思い出したように

嬉しそうに笑う

 

「陶芸家の助手をしてただけで ・・・

 陶芸家とは違うから ・・・」

 

祖父ちゃんの言い付け通り

お手伝いをしてただけで …

齧った程度だし …

 

「それでも良いです ・・・

 皆様、初心者の方ばかりです

 絵付け体験にするか

 陶芸にするかはご相談させていただき

 先生として参加頂けないでしょうか」

 

「よろちくおねがいちます」

 

二人が深々とお辞儀をした

 

「智ちゃん陶芸が出来たの?

 私もやってみたいと思ってたのよ」

 

お母さんがお茶を運んできて

私も混ぜてって顔をする

 

「もう、随分やっていないから ・・・

 先生は無理なんですけど ・・・」

 

「二人のお願いは断れなと思うけど(笑)」

 

翔君が肩をゆすりながらクスクス笑う

 

「場所に材料に ・・・

 引き受けてもすぐには出来ないです ・・・」

 

そんなに簡単に出来るものではない

祖父ちゃんがいつも言ってた ・・・

 

「それはこちらにお任せください

 全て用意いたします」

 

「じぇ~んぶ りょこうしゃでよういちます

 おまかせくだしゃい」

 

さとち君が大丈夫って顔をして

何度も頷く

 

 

翔君の言う通り

断れないお願いなのは分かってるけど ・・・

陶芸は素人 ・・・ 先生じゃない ・・・

引き受けても大丈夫なのかな?

 

「ご不安なことがございましたら

 大ちゃんにご相談ください

 万全の態勢でフォローすると申しておりました」

 

あの人なら陶芸も出来そうだ ・・・

でも ・・・ 自信が  ・・・

 

「俺もフォローするよ ・・・」

 

「ぼくたちも!」

 

「智ちゃん、お引き受けしたら

 私たち母ちゃんズも手伝うから

 智君のお願いは聞いてあげて」

 

お母さんも母ちゃんも祖父ちゃんも

みんなさとち君のお願いは断れない

翔君も、僕もだ ・・・

おのずと答えは決ってくる ・・・

 

「分かりました

 引き受けさせていただきます

 近いうちに打ち合わせに伺います

 それでよろしいですか?」

 

「はい」

「よろしくお願いします」

 

さとち君が満面の笑みを浮かべて

嬉しそうに返事をする

 

 

この笑顔見たら

断れないよね

 

 

やまの日祭り

花火も上がるみたいだし

僕たちも楽しませてもらおう

 

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>