Wish you were here  873 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

翔さんがちょっとだけイラついてるのが分かった

僕が画伯父ちゃんに引き摺られたように

父の感情に引き摺られてるような気がした

花火の日に会った父は

誰よりも熱くて、心配性で涙もろい

5人の子ども達が命と言うほど

愛情深い人だった

(画伯祖父ちゃんは静かな愛(こっちも深いけど))

だから ・・・ 5人とは無関係

それこそ近所のおじさん的な立場でいる事を

突き付けられたら

それはすごく辛い試練だったはず

何度も話し合って甘んじて受け入れた

画伯父ちゃんと子どもの為に ・・・

 

二人の愛が深い ・・・

 

「翔さん ・・・ 父ちゃんも父も

 5人に愛されてたと思います ・・・

 4人の子どもたちが大人になって

 二人の関係に気が付いても

 誰一人嫌悪や反発をしなかったのは

 肇さんの存在が大きいのだと思います

 彼が一番の理解者だった ・・・

 だから二人は救われていた」

 

「そうね ・・・ そうかも知れないわね」

 

母ちゃんがしんみりと呟いて

翔さんの顔を見つめる

 

「智、櫻井君は二人の父については

 理解もしたし反感も持っていない

 ただ ・・・ 悟祖父ちゃんの気持ちを考えると

 ちょっと複雑なんじゃないか?」

 

僕は画伯祖父ちゃんの事ばかり擁護して

他の人の事を忘れてた ・・・

ハル祖父ちゃんは画伯父ちゃんの子どもとして

ここで暮らし想いを繋いだけど

悟祖父ちゃんはここを出て ・・・

画伯との縁を切ってる ・・・

あれだけ大好きだった父ちゃんと ・・・

 

「そうだった ・・・ 画伯父ちゃんの事ばかり

 すみません ・・・ 翔さん」

 

翔さんは僕の方を向いて

大丈夫だよって顔で

頭を左右に振り笑みを浮かべ

ゆっくり話し始めた

 

「イラついてたのは事実なんだ

 彼はどれだけ我慢したんだろうって

 それを考えたらいたたまれなくて ・・・

 でも ・・・ 二人とも同じくらい ・・・

 父ちゃんはそれ以上に耐えたのだろうと ・・・

 二人の選択は間違っていなかったと思った 

 ただ ・・・ 悟祖父ちゃんは ・・・

 どう思ってたんだろうって ・・・

 お父さん、どうして彼は

 父の養子になったんでしょうか?」

 

翔さんからの問いかけに

父ちゃんが腕を組んで難しい顔をした

 

「聞いていないの?」

 

「複雑な経緯があったようだ ・・・

 悟さんは優秀な方で

 帝大とはいかないが大学に進学したそうだ

 絵本を出したのは在学中だった

 ハル祖父ちゃんは既に挿絵作家として

 活動を始めてた」

 

「挿絵作家の方が先だったの?」

 

「最初はチラシの挿絵から始めた 

 画伯の息子だって言うのも公表していない

 ハル祖父ちゃんも頑固だったから(笑)

 カフェでアルバイトをしながら創作活動をしていた」

 

「そのカフェって ・・・ 」

 

「レトロカフェだよ

 偶に時計屋も手伝ってたそうだ ・・・」

 

「健太さんは?」

 

「健太さんは夢を追って渡米してた

 悟さんの夢は絵本作家ではなく

 父の会社を継ぐことだった」

 

「財団ではなく?」

 

「父を財団の仕事に専念させたかったそうだ」

 

「絵本の夢は ・・・」

 

「それは二人の夢 ・・・

 そっちは叶えたが ・・・

 父の会社を継ぐとなると

 問題は山積みになる」

 

「父が櫻井財閥の息子なのは

 周知の事実だからですね」

 

「ああ、櫻井財閥の名は大きい

 それだけで信用されるから ・・・

 彼が立ち上げた財団は成功した

 会社も同じだ ・・・」

 

そうか ・・・ 実家との縁を切らせなかったのは

そう言うこともあったからだ ・・・

絶縁してたら ・・・ 

父の会社もどうなってたか分からない

 

「となると ・・・ 櫻井家との取り決めが ・・・」

 

ネックになる ・・・

大野の家にたどり着けないように

父の養子に?

 

 

考えても想像できない

 

 

「お父さん、少し休憩しましょう

 少し複雑な話になるんでしょ?」

 

「そうだな ・・・」

 

「スイカを切りますから

 サンルームで一息つきましょう」

 

「翔さん、そうしましょう」

 

「ええ ・・・ そうですね ・・・」

 

 

二人の話だけでも

頭の中で整理できていない

ここは冷静になった方が良さそう

 

 

「翔さん、少し階段部屋で座りませんか?」

 

「階段部屋 ・・・」

 

「うん、きっと二人もあそこに座って

 いろんな話をしたと思うんだ ・・・

 だから ・・・ 母ちゃん ・・・

 用意出来たら呼んで」

 

「そうね ・・・ そうしましょう」

 

 

鮫島さんが翔さんが鍵だと言った

それは本当だ ・・・

全てを知るべきなのか

それとも ・・・

そこも確認した方が良いと思う

 

 

 

 

 

<続きます>