Wish you were here  872 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

お互いが唯一無二の相手で

生涯ともに歩くことを決めた

決して恥ずかしい事ではないのに

そこまで頑なに他人の振りをする

必要ってあったのか?

 

ハル君も悟君も

あの年齢でも納得していた

画伯は『父』の事を何と説明していたんだろう?

 

「解せないのは

 子どもたちにどう説明していたんですか?」

 

「どう説明?」

 

「ええ、父ちゃんと父ん関係を ・・・

 どう受け止めたのかって ・・・」

 

「翔さん、二人の関係は

 彼らが理解する必要はないんです

 5人にとって二人は両親で

 「父ちゃん」と「父」 ・・・

 そこは変わらないから ・・・」

 

「それはそうだけど ・・・

 それなら外で『父』と呼んでも良いんじゃない?」

 

確かに子どもたちに

二人の関係を伝える必要はない

それなら彼らの保護者として

父ちゃんも父も同じ立場で良いはず

 

「それは櫻井家との決め事に入ってるんじゃないのかな?

 僕 ・・・ 思うんだけど ・・・

 画伯父ちゃんが頑なだったのは

 子どもたちもだけど ・・・

 「父」と櫻井家を守るためじゃないのかな」

 

「父と櫻井家を守る?」

 

「はい ・・・ 後ろ指を指されないように 

 書生だった画家と恋に落ち

 家を捨てた櫻井財閥の御曹司

 親は目も当てられないと同情され

 父は愚行に走った馬鹿だと言われる 

 だから ・・・ 絶対に公にしなかった

 子どもたちにも『父』はあくまで間借り人

 そう言い聞かせてたと思います

 そうでなければ共に暮らさない ・・・」

 

「あの時代の身分の差は

 私たちが思っている以上だよ ・・・

 あの日記に書いてあったように

 どんなに年下の相手でも

 お坊ちゃまと呼んで

 敬わなければいけない

 画伯にとって大恩がある櫻井家に

 迷惑を掛けることはできなかった

 この家は ・・・ 画伯が一人で建てた家」

 

二人で住む家なのに? ・・・

 

 

そうか ・・・ 父は櫻井家と絶縁していない

この家が二人の物なら ・・・

取り決めを無視したことになる ・・・

 

「そうなの?」

 

貴方も知らなかったのか

驚いた顔をする

 

「ああ、だから間借り人なんだ ・・・

 彼は育英会と言う財団を設立した

 今で言う慈善団体だ ・・・

 その事務所をこの家の近くに建てた

 そこは本業の会社も兼ねていたから

 住むことは出来ない

 間借り人として家賃を払い住んでいた」

 

「全額受け取ってたの?」

 

「食費以外はすべて財団に寄付をしていたらしい」

 

「そうだと思った ・・・

 画伯父ちゃん ・・・ 徹底してたんだ ・・・」

 

「父は ・・・ 何を ・・・」

 

「子どもたちへの支援だよ ・・・

 大野の家の5人は

 財団から一切の支援を受けていない

 これは二人の考えだ

 そこも徹底してた ・・・

 父は財産の一部を ・・・

 彼らに出資したんだ ・・・

 最初に出資したのは」

 

「肇おじさんの時計屋さん」

 

「そうだ ・・・ あの店を建てたのは父 ・・・

 肇おじさんは家賃を払っていたよ」

 

「その家賃を財団に寄付したの?」

 

父は受け取るはずがない ・・・

俺もそう思う ・・・

 

お父さんは黙ったまま頷いてた

 

 

5人の子どもたちと

二人の関係を絡めてしまうから

もやもやしたんだ

 

そこを切り離さないと ・・・

誤解してしまう ・・・

 

 

あの二人は紛れもなく5人の両親

表向きの保護者は画伯祖父ちゃんだけど

ちゃんと7人家族だった ・・・

そこは揺るがない ・・・

 

 

きっと、なんども衝突して

二人で乗り越えたのだろう ・・・

自分たちだけが分かっていればいいと ・・・

 

 

 

 

話を聞けば聞くほど

俺が小さい人間に思えてくる

 

 

まだまだなんだな ・・・

 

 

 

 

<続きます>