キミの夢を見ていたい(扉の向こうにある未来 99 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

僕が使っている部屋のベッドに4人で寝転がった

コロニーに居た頃が遠い昔のような気がする

 

「そう言えば ・・・ 楽園の僕たちの家の広間

 これくらいの部屋だったよね」

 

かず君が思いだしたように呟く

始まりの5人が揃って

すぐに作った家は少し大き目の広間が一つ

それと僕のお家(今の子どもコロニーにあった家)くらいの大きさの

個人部屋が5部屋あった

 

「広間を囲む様に5つの部屋のドアを作ったよね」

ジュン君も思い出したのか懐かしそうな顔をする

 

「そうそう、かずがサトシの隣の部屋がいいって

 ベソかいてた(笑)」

ま~君が可笑しそうに笑う

 

「私をお世話した妖精は頼りなくて ・・・

 サトシが一番優しかった ・・・

 そういうま~だって、ショーの隣がいいって

 駄々っ子みたいでしたよ」

ムッとした顔で反論するかずくん

 

「ふふ ・・・ そう言いながら二人は隣同士だったよ(笑)」

 

広間を囲む個人の部屋

全体が丸い家になってた

 

「サトシ、カズ、マ~、ショー、じゅん の並びだったはず」

 

僕の両隣がカズとジュンだった ・・・

 

「うん、そうだった」

3人が大きく頷く

 

「ショーが渋い顔してた(笑)」

 

ま~はショーの隣だったから

よく憶えているのかもしれない

そんな渋い顔してたかなあ ・・・

僕はそこまで憶えていない

 

「あの小さな家での事は憶えてる

 小さい事で喧嘩しても

 すぐに誰かが仲裁して

 いつの間にか仲直りして笑ってた

 大概、サトシが仲裁役なの」

 

「そうそう、一番のお兄ちゃんだもん」

 

最初の家の想いでは楽しい事ばかり

だから、憶えているのかもしれない

 

「あまりお兄ちゃんらしくはなかったよ(笑)

 大概の事はショーが中心にやってくれたから」

 

「ううん、ショーはね

 サトシが居たから出来たんだよ」

 

3人が僕の顔を見て大きく頷いた

 

僕たちの中に残った始まりの妖精の記憶

思いだすのは楽しい事ばかり

 

「神の庭の入口 ・・・ どこだと思う?」

 

「鍵はお菓子? ・・・ でしょ」

かず君が首を傾げた

 

お菓子 ・・・ お菓子って何のお菓子だろう ・・・

 

「懐かしい人との再会とも言ってたよ」

 

「懐かしい人って、僕たちに取って?」

じゅん君がそんな人いたっけって顔をする

 

僕たちに取っての懐かしい人?

考えても思い浮かばない ・・・

 

懐かしい人に逢った人って誰だろ?

4人で黙り込んで思いを巡らせるけど

皆目見当がつかない

 

「う~ん ・・・ お菓子 ・・・ お菓子でしょ ・・・

 あっ!」

 

ま~君がいきなり大きな声を出した

 

「何か思いだしたの?」

かず君の瞳が期待の眼差しに変わる

 

「ほら、蒼ちゃんの家の地下から言ったお家

 あそこでお菓子をもらわなかった?」

 

「トリックオアトリート!だ

 

「そうそう ・・・ あの時 ・・・」

 

「懐かしい人に逢ったのは蒼ちゃん!」

 

僕たちは4人で跳び起きて

リビングに居るはずの蒼ちゃんの元に走った

蒼ちゃんは誰かと電話で話していた

 

「蒼ちゃん!」

4人で声を掛けると

ソファーに寝転がってた蒼ちゃんが起き上がって

驚いた顔でこっちを向いた

 

「吃驚した ・・・ 寝たんじゃなかったの?」

 

「あのね、大ちゃんの宿題分かったかも!」

 

「ちょっと待って ・・・」

 

僕たちに断りをいれて

電話の相手に話をする

 

「スピーカーにするから

 チビたちの意見も聞いて」

 

「りょうかい!」

 

緋~ちゃんの声が聴こえて来た

 

「今、緋~ちゃんと話してたんだ

 俺達も辿り着けそうだけど

 まずはチビたちの答えを聞こうと思う」

 

「うん、僕たち思いだしたんだ

 トリックオアトリートの日に・・・

 蒼ちゃんが懐かしいお爺ちゃんに逢った事を

 それでね ・・・ あの時 ・・・ 

 あの広い庭に桜の木があった事も ・・・」

 

桜の木の精霊さんはずっと黙ってた ・・・

お兄ちゃんがO国に向かったのも

その桜の木の側の木だって言ってた ・・・

 

「そうだ!桜の木があった

 でも ・・・ お話しない精霊さんだった」

 

「よく憶えておいてって ・・・ 大ちゃんが言ってた ・・・」

 

「うん、そう言ってた ・・・」

 

3人とも桜の木を思い出して

顔を見合わせて何度も頷く

 

「蒼ちゃん、すごい ・・・ 

 さとし君達も辿り着いた

 俺たちの全く同じ答えだ」

 

緋~ちゃんの大きな声が部屋に響いた

 

「チビたちの導き出した答えと同じ ・・・

 多分それで合ってるはず ・・・

 蒼の森にも桜の木はあった ・・・

 あの方に忠実な精霊(笑)」

 

そう言えば ・・・ そうだ ・・・

あれは地上から楽園に持ち込まれた桜の木だって

 

「蒼ちゃん ・・・ あの洋館の庭の木が入り口だよ」

 

「緋~ちゃん、きっとそこだと思う

 明日、その木の前に行けば扉が開くはず

 お兄ちゃんにも伝えて」

 

「それは既に話してある

 明日はお休み貰ってるから

 朝から行けるそうだ」

 

「分かった、じゃあ、祖父さんの屋敷前に集合」

 

「じゃあ、明日

 さとし君達も明日の為に早く寝るんだよ

 おやすみなさい」

 

「おやすみなさい!」

 

僕たち4人、蒼ちゃんの携帯に向かって

大きな声で挨拶をした

 

 

「さて、入り口が見つかったって事は

 明日神の庭に入ることになる

 その前に大ちゃんに話さないと」

 

「みんなで話しに行く!」

 

「まだ起きてると思うから

 呼んでくるね」

 

「蒼ちゃん、僕が呼びに行く」

 

思いだしたんだ

僕からお願いしなさいって

あの方が ・・・ 言ってた事を

 

「分かった、チビに頼むよ」

 

 

 

蒼ちゃんが僕の背中を優しく押してくれた

 

 

 

 

 

 

ショー、やっと逢えるね

皆で迎えに行くからね

 

 

 

 

<続きます>