キミの夢を見ていたい(扉の向こうにある未来)63 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

欅のの木の前まで行くと

既に大ちゃんが来ていた

 

「おはよう」

 

柔らかな表情を浮かべて笑みを浮かべる

そんなにじっくりと顔を見たことが無かったけど

真っ直ぐに見つめる瞳が

さとしと蒼ちゃんにそっくりだと

今さらながらに気が付いた

 

「おはようございます

 よろしくお願いします」

 

「おはようございます

 大ちゃん、俺達が二人の時は

 俺の事をセリーと呼んでください

 お兄ちゃんはショーと」

 

「了解!

 セリーはフィーが付けた名で

 ショーはおちびちゃんが付けた名だ

 あの頃に戻るという事だな」

 

「はい ・・・ 彼等に向き合う覚悟は出来ました」

 

「あまり難しく考えないでいい

 昔の二人の後悔は背負わなくて良い

 彼等はそれを望んではいない

 何を考え何を見て何に気が付いたか ・・・

 そして未来の自分たちに

 何を望んだのか ・・・」

 

「彼らが歩いた道の先に俺達がいる

 彼らが未来に託した想いを受け止めます」

 

「ふふ ・・・ そう構えなくて良いよ」

 

二人が話している間

ずっと大ちゃんの顔を見ていた

頭の端っこにあるフィーの顔と重なる

それに気が付いた大ちゃんが

俺の方に向き直る 

 

「私の顔に何か付いてる?」

 

吸い込まれそうなほど綺麗な澄んだ瞳 ・・・

この瞳 ・・・ 色は違うけど ・・・ さとしにそっくりだ ・・・

 

「いえ ・・・ さとしに似ているなって思って ・・・」

 

セリーが苦笑いを浮かべて

 

「ショー、逆だよ ・・・

 蒼の二人は大ちゃんに似てるんだ」

 

「始まりはそうだったかもしれない

 だけど、今は蒼は蒼、おちびちゃんはおちびちゃん

 それぞれが少しずつ違ってる(笑)」

 

「確かに ・・・ 似ているけどそっくりじゃない

 だけど瞳の色だけは ・・・ 俺が恋焦がれた瞳です」

 

大ちゃんの瞳は蒼くない ・・・

セリーには別の色が見えてる?

俺は人だから見えないとか?

 

考え込んでる俺の背中に触れた大ちゃん

 

「セリーの言う事は気にしなくていいよ

 私の瞳は黒で間違いない(笑)

 さて、君たちには始まりの場所に飛んでもらう」

 

「始まりの場所ですか?」

 

「ああ、ダークヘッジに向かって貰うよ」

 

「ダークヘッジとは ・・・ 何処に有るのですか?」

 

「現在のO国だな」

 

O国 ・・・ 馴染みのない国 ・・・

何処に有るんだ?

 

「ヨーロッパの小さい国

 入国にはかなりの審査をされる

 閉ざされた国とも呼ばれている」

 

「今時、そんな国が有るんですか?」

 

「ある ・・・ 理由は色々あるけど

 追々説明するよ ・・・

 自然豊かな美しい国だ」

 

「あの国にも意味がある ・・・

 行き方の説明をする」

 

ヨーロッパだと飛行機だ ・・・

パスポートだけは持ってきたが ・・・

考えたら今日中には着かない 

 

「羽田ですか、成田ですか?」

 

「ふふ ・・・ 飛行機を使ったら

 明後日、会社には行けないだろ?

 セリー O国の侯爵家のシンボルツリー憶えてる?」

 

「はい ・・・ 憶えています」

 

「じゃあ、欅の木の前で瞳を閉じて

 その木を思い浮かべて

 それだけで良い」

 

え? ・・・ どう言う事?

 

「思い浮かべるだけでいいんですか?」

 

「ああ、ショーはセリーの肩に触れてて

 昔みたいにね」

 

「昔みたい? ・・・」

 

セリーが思いだす様な表情をして

 

「ええ、そうです

 ショーはセリーの肩に乗ってた ・・・

 さとしがフィーの肩に乗ってたように ・・・」

 

「向こうに着いたら侯爵が待ってる

 車を準備してくれてるはずだから

 ヘッジ迄送って貰って

 心の準備が出来たら声を掛けて

 欅と話してくるから」

 

大ちゃんはくるりと向きを変えた

 

「ショー準備は良い?」

 

「はい、出来ています

 それより、さとしの様子を聞きたい ・・・

 変わりはないのでしょうか?」

 

「俺も気になってた

 聞いてみよう」

 

「大ちゃん」

 

「準備できた?」

 

日帰り旅行に出掛ける相手を

見送るような軽い感じの返事をする

 

「さとしは ・・・ さとしはどんなですか?

 起きる気配はないんですか?」

 

「深い眠りと言うより ・・・ 今は微睡んでる」

 

「蒼ちゃんは?」

 

セリーも気になっていたのか

大ちゃんの顔を真っ直ぐに見つめる

 

「さとしを迎えに行く準備中だよ

 蒼の仕事を把握しないと

 この世界も、エルフの国も大変な事になるだろ?」

 

「もしかして ・・・ 大ちゃんが代わりを?」

 

「仕方がないだろ

 可愛い子どもたちの面倒を見るのは

 保護者の役目(笑)」

 

「それなら安心です

 俺達も頑張れる ・・・

 蒼ちゃんに、さとし君と一緒に帰って来るのを

 待ってるからと伝えてください」

 

「大ちゃん、さとしくんの事

 どうかよろしくお願いします」

 

二人で大ちゃんにお願いする

 

「分かった伝える

 二人に蒼からの伝言

 「セリー、ショーを頼んだよ

  チビは必ず連れて帰る

  ショー、チビの名を呼び続けてほしい

  苦しい時はペンダントを握り締めて乗り越えて!」

  私からは、気を付けて何か有ったら俺を呼んで」

 

「全て承知しました

 大ちゃん、今から向かいます」

 

「じゃあ、欅の木の前に立って

 さっき言ったことをすればいい

 眩い光がおさまったら瞳を開けて

 欅、お願いするよ」

 

大ちゃんの言う事が本当か

半信半疑だけど

それしか方法がない

 

セリーの肩に触れたまま

固く瞳を閉じた

 

ほんの一瞬 ・・・ 眩い光が見えたけど

直ぐにおさまった

 

瞳を開いたら ・・・見たこともない場所

まるでおとぎの国のような ・・・

緑豊かな森の中の佇む古城の前に居た

 

 

 

 

 

 

<続きます>