これが恋と言うものか 73 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

貴方の胸に小さな痣が有る

俺の胸にある痣に似た ・・・

 

今迄 ・・・ 気が付かなかった ・・・

それを見たら ・・・ 胸が締め付けられたみたいに

心が痛くて ・・・ 思わず目を逸らせた

 

「どうかした?」

 

貴方が優しい眼差しで訊ねる

 

「何でも ・・・ 無いです ・・・

  桜に月って ・・・ とても綺麗ですね」

 

 

顔を見たら泣いてしまいそうで

空を見上げたまま答えた

 

 

「二人で観るから、より綺麗に見えるのかも知れないよ」

 

「そうですね ・・・ 一人なら空を見上げない ・・・」

 

「なにか ・・・ 不安?」

 

「先生は ・・・ 俺のどこが好きですか?」

 

言い知れない不安を拭い去って欲しい

 

妖精君は大丈夫だって言った

その言葉は間違ってないと思う

だけど ・・・ 絶対という言葉も存在しない

 

「真っ直ぐに俺を見てくれる瞳 ・・・

 純粋で ・・・ 心がとても綺麗なんだ

 ずっと ・・・ 淋しかった ・・・

 君と言う特別な相手に出逢って

 俺の世界は変わった 」

 

「淋しかった?」

 

「ああ ・・・ 君と出逢う前の俺は ・・・

 淋しかったよ」

 

 

貴方が背中から俺を抱きしめてくれた

 

「ゆっくり一歩ずつ進んで行こう

 不安な事は話してくれる?

 二人で乗り越えて行けば良い」

 

貴方の声がざわついた心を沈めてくれるけど

それでも消えない ・・・ 不安 ・・・

 

「翔 ・・・ お風呂を上ったら

 ゆっくり花見酒を頂こう」

 

「 ・・・ 先生 ・・・ 何故か分からないけど  ・・・ 

 心の中に靄が掛かってるんです ・・・

 その靄を晴らすのが ・・・ 怖い ・・・

 知りたいのに知りたくない ・・・」

 

貴方は黙ったまま

ただ俺を抱きしめてくれる

 

「すみません、折角の旅行なのに ・・・

 俺、変な事言いました」

 

「変な事じゃないよ ・・・ 

 多分 ・・・ 心の奥深いところに

 触れてしまったんだ ・・・

 俺が焦り過ぎたかもしれない ・・・」

 

後悔した口調で呟いた

 

焦り過ぎた?

学校を辞める事?

それとも、一緒に暮らそうって言った事?

 

 

「翔、これだけは信じて

 俺は君無しでは生きて行けない

 君が拒絶しても ・・・ 諦めない ・・・

 ずっと側に居る ・・・ それだけは ・・・ 諦められない

 重いな ・・・ でも ・・・ いい加減な気持ちじゃない」

 

貴方が辛そうな顔をして

俺の唇を塞ぐ

 

 

「離れない ・・・ それは俺も同じです

 ただ ・・・」

 

「うん ・・・ 今は考えないで良い

 いずれ ・・・ 君自身で答えを見つける

 その時、今の俺の言葉を思い出して」

 

真っ直ぐに見つめる澄んだ瞳

その眼差しに嘘はない

俺が恋焦がれた ・・・ 蒼い瞳 ・・・

 

 

蒼い瞳?

 

 

「はい ・・・ そろそろ出ましょう

 先ずはビールですね」

 

今は深く考えない事にしよう

折角の旅行

 

二人で夜空を見上げながら

貴方の腕に抱かれて眠りたい

 

 

<続きます>