これが恋と言うものか 59 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

4限目の授業はない

温かいお弁当を2人で食べる

時間はいつもよりある

最高のシチュエーションって事だよね?

どうしようドキドキしてきた

 

この場合 ・・・ 飯前に渡す?それとも飯後?

後の方がいい ・・・ 万が一 ・・・ 変な顔されたら

それこそ、一緒にいられない ・・・

折角、買ってきてくれたお弁当

食べないのは失礼だよ

でも、渡す前で喉を通るのか?

 

頭の中、どうしようがグルグル回る

それでも、一緒にられる時間が長いと思うと

胸のときめきは半端ない

 

用意したチョコレートが入ったカバンを手に持って

貴方がいる準備室に急ぐ

途中、教務主任に呼び止められた

 

「櫻井先生、外のお出かけですか?」

 

「いいえ、少し早めの昼飯をと思いまして」

 

「学食ですか?」

 

「まあ ・・・ そう言う所です」

 

「偶にはのんびり食べるのも良い」

 

「ありがとうございます

 では、失礼します」

 

教務主任に呼び止められたら

ドキッとする ・・・ 何かやらかしたかと思った

 

準備室の扉の前 ・・・ (頑張れ俺!)

大きく深呼吸して息を整えた

 

「失礼します」

「どうぞ」

 

窓際のテーブルにお弁当が二つ並べられてた

それを見ただけで嬉しくなる

ここは学校なのに(不謹慎だな俺)

 

「そこ座って、お茶淹れたから」

 

「はい ・・・ ありがとうございます」

 

「どうしたの?」

 

貴方が不思議そうな顔をする

 

「どうしたとは?」

 

「随分、堅苦しくない?

 いつもはもっと柔らかいよ」

 

柔らかい?

どういう意味だ

ポケッとした顔をしてたのか

クスクス笑って

 

「緊張してるように見えるよって意味

 いつもはもう少しくだけてるでしょ」

 

「それは ・・・ 馴れ馴れしいと言う意味でしょうか?」

失礼な態度取ってた?

 

「アハハ ・・・ そんな訳ないでしょ

 もう少し馴れ馴れしくなってくれないかと思ってるのに ・・・

 それより、冷めないうちに食べよう」

 

貴方が隣に座った

いつもより ・・・ 席が近い ・・・

横を向くと貴方の横顔とぶつかりそうな程近い(大袈裟だけど)

 

「彩雲見た?」

 

俺の気持ちを知ってか知らずか

横を向くからドキッとした

 

「さっき見ました ・・・ 綺麗な彩雲でした」

 

「見れたんだね ・・・ 俺も見えたから

 一応、写メったよ

 君が見てなかったら見せてあげようと思って」

 

「後で見せてください」

 

「二人とも見れたって事は

 良い事ありそうだな」

 

俺はもう有りました

貴方と一緒にお弁当を食べてる

 

「どちらに行ってらしたんですか?」

 

「ああ、モコモコ妖精に逢いに行ってきた

 それとは違う用事だけどね

 今を逃すと大変な事になるから」

 

「はあ ・・・ そうですか ・・・

 妖精君って ・・・ この前言ってた」

 

貴方が柔らかい笑みを浮かべて

 

「愛らしい妖精なんだ

 今日は犬に怯えていたが

 頭を撫でる事が出来たよ

 翔が見たら、抱きしめて離さないと思う

 きっとメロメロになるよ」

 

「俺に見えますか?」

 

「君なら見えるはずだよ ・・・ 

 俺が見えたんだから」

 

「はい?先生は見えますよ」

貴方が可笑しそうに笑う

 

「それもそうだな(笑)」

 

「このお弁当美味しいですね」

 

「ああ、美味しいね

 中華弁当にして正解だった

 それに、二人で食べるから美味さ倍増だな」

 

確かに貴方と一緒だから美味しい 

 

お弁当を綺麗に平らげると

貴方がコーヒーを淹れると立ち上がった

 

いよいよ ・・・ 渡す時 ・・・

誰も入って来るなよ ・・・

念には念を入れて、急いで鍵を掛けに行った

 

 

貴方が湯気を立てたマグカップを乗せたトレーと

袋を手に戻ってきた

何が入ってるんだ?

 

「先生!」

 

「何?」

 

「あの ・・・ あのですね ・・・

 今日は ・・・ 何の日かご存知でしょうか?」

 

「何の日かは知ってるけど

 それがどうかした?」

 

表情が読めない ・・・ 何故か凄く冷静

先生が自分の持ってきた袋をテーブルに置いた

 

「それは ・・・ 何でしょうか?」

 

「これは ・・・ 君に渡そうと思って ・・・」

 

「俺にですか?」

 

俺に渡すものって ・・・

もしかしてチョコ?

また、友チョコみたいなもの?

 

貰ったら渡せなくなる ・・・

 

「そうだけど ・・・ その前に話があるんじゃないの?」

 

俺の瞳を覗き込む澄んだ瞳

あっ ・・・ 蒼い瞳 ・・・

 

「あの ・・・ 先生」

 

「智だよ」

 

そう言って,フンワリとした笑みを浮かべる

勇気をだして ・・・ 頑張れ俺!

 

「智先生 ・・・ これを受け取って頂けないでしょうか?」

 

「今日の日に関係がある物かな?」

 

「ええ ・・・ そうです ・・・

 ノリとかおふざけじゃありません

 それに ・・・ 感謝の印でもありません」

 

「どういう意味か言葉にしてくれないの?」

 

「それは ・・・ 中を見て下されば ・・・

 意味は分かると思います ・・・

 ダメならダメと断ってくれていいから ・・・」

 

 

先生が俺の渡した袋からチョコを取り出した

 

 

「気持ちを受け取っても良いの?」

 

「へ? ・・・ それはどういう意味ですか?」

 

「どういう意味で渡したの?」

 

「それは ・・・ 好きですって気持ちを伝えたくて」

 

「お付き合いしたいって意味で良いのかな?」

 

貴方の顔を真面に見れない

 

「はい ・・・ そうです ・・・

 先生が好きです、俺と付き合ってください

 本気です ・・・ 先生だから ・・・

 ずっと ・・・ 初めて会った時から好きだったから

 だから ・・・ 先生になろうと思った ・・・

 貴方に逢いたかったから」

 

言っているうちに涙が出てきた

ずっと ・・・好きなんだ ・・・

こんな気持ち初めてなんだ ・・・

 

 

先生が袋から出したのは真っ赤なチョコレート

 

「これが俺からの返事 ・・・ 知ってる?

 どっちも幸福のチョコレートだよ

 作った人は違うけど、対のチョコって呼ばれてるらしい」

 

貴方が青いチョコを口に運び

一口食べた後、俺に食べさせた

 

「ふふ ・・・ 甘くて美味しいね

 今度は翔の番だよ」

 

赤いチョコレートを指に持たせて

俺の口に運んで、齧った後自分の口に運ぶ

 

「長かったなぁ ・・・ 」

 

貴方が可笑しそうに笑う

 

「何が長かったの?」

キョトンとした顔をすると

 

「アハハ、まだ分かってないんだ

 俺は1年も前から想いは伝えてたつもりだけど

 全然気が付かない(笑)」

 

「へ? ・・・ 嘘ですよね?」

 

「去年の誕生日に絵をプレゼントした

 Valentineはチョコを渡した

 それから ・・・ 」

 

「ええっ! ・・・ それは教え子だから ・・・」

 

「酔った教え子を部屋まで運んで

 寝かしつけないよ ・・・

 翔が好きだからだよ」

 

貴方が掠め取るようにkissをした

 

「学校ではこれが限界だね

 今日は帰り待っていようか?」

 

キツネに抓まれたみたいな展開 ・・・

先生は俺が好きで ・・・

俺はずっと気が付いてなかった

 

つまりは想いは届いてたって事?

 

 

「あの ・・・先生が待ってた人って ・・・ 俺ですか?」

 

「まだ信じないの?

 櫻井翔が好きだよ

 教え子としてではなく

 君の言う、本気の好きだよ」

 

もう ・・・ 何が何だか ・・・

嬉しすぎて ・・・ 舞い上がってるけど ・・・

嘘じゃないかと ・・・ 思えて ・・・

 

泪と鼻水まで零れて来て

両手で顔を覆った

 

先生が俺を抱き寄せて

 

「嘘じゃないよ ・・・ これは本当だから」

って耳元で囁いてくれた

「じゃあ ・・・ 今日待っててください」

 

「いいよ ・・・ 待ってるよ」

 

先生がハンカチで涙と鼻水を拭いてくれた

 

 

彩雲のお蔭だ

本当に良いことがあった

俺は先生の恋人になれた

 

 

 

 

 

<続きます>