これが恋と言うものか 60 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

どこまでも間が抜けた顔をしてたと思う

ずっと恋い焦がれてた相手と

交わすだけだとしてもkissをしたんだ

それも ・・・ 唇へのkiss ・・・

それだけで頭が真っ白になった

 

何だか雲の上を歩いているようなフワフワした感じ

これは夢かもしれないって

何度も自分の太腿を抓ってみたけど

どやら痛みが感じる

だから、夢ではなさそうだ

 

昼休み終了のベルが鳴って

廊下に出て、やっと嬉しさが込み上げてきた 

俺は貴方の恋人になったって事だよね?

自然に笑みが零れて

相当締まりのない顔をしてるはず ・・・

 

 

はあ ・・・ あの唇柔らかったなぁ ・・・

 

 

よくよく考えたら

もの凄く鈍感な相手って ・・・ もしかして ・・・

もしかしなくても俺じゃん!

思い出したら冷や汗が出てきた

何度も貴方への想いを、貴方に相談して

(勇気がなくてヘタレだった俺) 

優しく励まされるから、更に凹んで

それでも諦められずにグルグルして

恋って難しいって嘆いてた

自分の事で精一杯な俺を

ずっと待っててくれた貴方

俺を見る眼差しはずっと優しかった

 

「櫻井先生、櫻井先生」

 

後ろから呼び止められて振り向くと教務主任の先生

 

「あ ・・・ 東先生」

 

東先生が苦笑いを浮かべて

 

「あ ・・・ じゃないでしょ

 急がないと午後の授業に間に合いませんよ?」

 

「え? ・・・ ああ ・・・ そうでした」

 

ここは学校で、俺はまだ仕事中

気を引き締めないと

 

「5限目の授業ないんですか?」

 

「有ります」

 

「じゃあ 急がないとダメだよ」

 

「そうですね ・・・ 失礼します」

拙い ・・・ このニヤケ顔を何とかしないと

 

東先生に一礼して職員室に急いだ

 

 

♪*:・’゚♭.:*・♪’゚。.*#:・’゚.:*

 

大丈夫かな?

帰りまで返事するのを待つべきだったかな?

直ぐに顔に出るから

(そこが素直なんだけど)

誤魔化すのが下手だからなぁ

 

恋人同士になった以上

昼飯は別々の方がいいのかもしれない

二人で過ごす昼休みは心地いいけど

万が一、変な噂が立っては困る

愛しい気持ちを隠すのは難しい

どうしても瞳が愛を伝えたがる

 

君は素直だから隠すのは苦手

二人で相談したほうがいいな

勝手に決めると剥れてしまうから

 

 

5限目の授業が済んで準備室に戻って

ホッと一息ついていると

校舎脇の葉を落とした桜の木がざわついてる

窓を開けて顔を覗かせると

その桜が興奮したように話しかけてきた

 

「蒼の妖精ちゃんが、ここに来るみたいです」

 

おチビちゃんがここに来る?

何か有ったのか?

蒼にも言えない事?

 

「ここに来るとは?

 今からって事?」

 

「はい、銀杏の木が知らせて欲しいって」

 

「銀杏が言ってるの?」

 

「欅の爺さんからの要請だそうです」

 

間違いなさそうだ ・・・

今朝のちびちゃんは何も変わった様子はなかった

俺に相談するのは大人になってからの気はするが

 

「分かった、すぐに行く」

 

一抹の不安が過ぎって

急いで校舎の外に出た

 

銀杏の木の側

初めての場所でキョロキョロしながら

辺りを見回してる ・・・ 

もの凄く不安そうな顔をして

あれはベソをかくな ・・・

 

いつもなら走らない俺も焦った

泣いたら大変な事になる

(蒼が飛んでくる)

 

銀杏の木の近くまで行くと

俺に気が付いたおチビちゃんが

猛スピードで飛んできた

 

欅と銀杏を結ぶのは道ではなく扉

入った瞬間にこっちに着くが

1人で心細かったんだろうな

 

ん?鉢巻はしてるんだな(笑)

その鉢巻きとマフラーと手袋は蒼の物ではない

別のオーラ(赤のオーラか)を纏ってる

遠い昔に諦めた相手と同じオーラ

彼がそうなのか?

微かな欠片が見えたような気もするが

直ぐに消えてしまいそうだった

 

小さな手が「お届け物です」

と言って俺に触れる 

あまりの可愛さにギュッと抱きしめてしまった

 

君が一番、俺の想いを受け継いだ

その笑顔は癒しの力を持つ

 

 

笑顔が涙で曇らないように

どんな事をしても守るよ

(蒼も考えているだろうけど)

今度は間違えないように

自分の想いを犠牲にしてはいけないよ

 

小さな体に力を送り込む

蒼の守護を増幅させるように

 

 

小さな妖精君は癒しの笑みを振り撒いて

欅の所に戻って行った

 

 

 

「大野先生」

 

愛しい君が俺に向かって走って来る

 

「櫻井先生どうかした?」

 

君が目を大きく見開いて

ビックリした表情を浮かべながら

駆け寄ってきた

 

「あの ・・・ 蒼いモコモコが 浮かんでませんでした?」

 

「もしかして見えたの?」

 

「ええ ・・・ 蒼い帽子と蒼いコートで

 フワフワのモコモコが宙に浮かんでました」

 

「顔見えた?」

 

「そこまでは見えませんでしたが」

 

顔を見たら離さないだろうな(笑)

なんせ俺のミニチュアだから

 

「妖精君が俺達にチョコを届けてくれた」

 

透明の袋に入った苺のチョコを見せると

信じられないって顔をする

 

「ふふ ・・・ 今度は逢えるといいな」

 

「ええ ・・・是非逢いたいです」

 

「まだ授業あるんじゃないの?」

 

「もうないです

 まだ、帰れませんが」

 

「もしかして休憩に来た?」

 

君が大きく手をヒラヒラさせて

 

「そうじゃなくて、廊下を歩いているとき

 先生が慌てて走っていくのが見えて

 それが気になって飛び出して来たんです」

 

滅多に走らないからな(笑)

 

「それは心配を掛けたね

 お茶を淹れるから、この苺チョコ頂こう

 きっと、ホッとする美味しさだよ」

 

「良いんですか?俺が頂いて」

 

「なかよししゃんとたべちぇくだしゃい

 って言って貰ったから

 翔に権利があると思うけど」

 

「そうですね ・・・ じゃあ頂きます

 妖精を見てしましました ・・・

 本当にモコモコでふわふわ ・・・

 空に浮かぶ綿あめみたいでした

 話してみたいなぁ ・・・」

 

ふふ ・・・ すでに夢中になってる(笑)

 

おチビちゃん

仲良しさんと頂くね

ありがとう

 

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>