取りあえず歩き出そうか 18 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

小栗君が帰って程なくして

部屋のインターホンが鳴った

モニターに映っていたのは相葉君

 

まるでどこかで見てたようなタイミング

そうか ・・・ 見ていたんだ

 

「おはようございます、相葉です

 お迎えに上りました」

 

「どうぞ入って下さい」

 

そう答えると、すぐに画面から消えた

 

玄関のドアを開けて待っていると

相葉さんと風間さんが歩いてきた

 

「あの ・・・ もしかして待ちましたか?」

 

「何の事でしょうか?」

風間君が素知らぬ顔で答える

 

「隠し事は止めましょう

 先程まで小栗君が来ていました

 相葉さんの家に行く前に

 挨拶に見えました

 ご存知ですよね?」

 

風間さんではなく相葉さんに訊ねる

 

「ええ、櫻井さんのお屋敷でお目に掛りました

 お話をしたと言っても挨拶程度ですが ・・・」

 

「ご存知ですよね?

 彼が里に繋がる家柄だと」

 

俺の真意が分からないから

二人の顔色が変わり

 

「存じ上げていません!」

風間さんが否定の言葉を冷たく言い放った

 

別に責めている訳ではないのに ・・・

 

相葉さんが慌てた顔で風間君を諫める

 

「俊介、その言い方は失礼だよ

 櫻井さん申し訳ありません

 彼が里に繋がっていることは

 本当に存じ上げていません

 もしそうだとしても、何ら問題ないです

 里からは絶縁されていますので」

 

「お二方とも勘違いしないで下さい

 俺は長である智君と一緒に暮らしていました

 まさに、この部屋でです

 彼は ・・・ とても温かくて優しい人です

 一本芯が通ってて

 こうと決めたら最後までやり通す

 その為の努力は惜しまない人です

 忍耐力も人一倍あります ・・・

 そんな彼が里に戻った理由は

 過去を清算するためだと思っています」

 

風間君が大きく頭を振って

 

「貴方が全てを知ってもそれを言えますか?」

射るような瞳で見つめられた

 

「俊介 ・・・ 喧嘩するために来たの?

 違うでしょ」

 

「夢のような事ばかり言うから ・・・

 相葉家も風間家も1300年前から

 裏切り者の名を背負って生きています

 長の許しが得られるなんて

 夢のまた夢です」

 

遠い昔の出来事が

今も彼らを苦しめてる

 

「それこそ舐めないで下さい!

 全てを知る覚悟は出来ています

 凡そのいきさつも想像できます

 俺の先祖がしでかした事で

 長が命を落としたんでしょ

 それと引き換えに俺の一族は栄華を手に入れた

 間違っていないはずです

 貴方がたの先祖がどう関わったのかを

 今から教えてもらうんです」

 

「風間の家は不名誉な落胤は押されていません

 全ての原因は私の先祖に有ります

 俊介 ・・・ 櫻井さんに謝って」

 

「雅紀さん ・・・ 」

 

「謝らなくて良い、誰も悪くないのだから

 俺達は今を生きている

 貴方達も俺も罪はない

 過去に囚われたままだと前は向けない」

 

「それは僕達が言える言葉ではありません

 僕達の中には、貴方も含まれています」

 

どうやら風間君からは嫌われたような気がする

 

そんな事、言われなくても分かってる

俺が真実を知った時の事を考えて

あの人は一人で別れを選んだ

 

ご尤もだよ

悲劇に追いやった方が言うべき言葉ではない

 

だけど ・・・ 立ち止まったままではいられない

 

「ええ、俺が使う言葉ではない

 これは、現在の長の言葉です

 過去の悲劇から解き放つ

 その為ならどんな努力も厭わないと

 俺はあの人を信じています

 貴方達が俯かずに済むように

 どんな事でもします

 それが俺の役目だと思っていますから」

 

「本当に長が仰っているのですか?」

 

何度も話して来たけど

俺の言葉は信じられないのだろう

相葉さんがハッとした顔をして風間さんを見た

 

「ええ、嘘偽りなく長の言葉 ・・・

 あの人は、かなり頑固ですよ

 俺も支えられています

 だから腹を括れた

 お願いです、腹を括って下さい

 全てをクリアにして貴方達と里に行きたい

 協力してくださいませんか?」

 

風間君が申し訳なさそうな顔をして

 

「僕の家に伝わる日記、相葉の家に伝わる日記

 全てをお見せする以上

 櫻井さんの覚悟が知りたかった

 もし、それを知って ・・・ 心を失くされたら ・・・

 歴史は繰り返してしまう ・・・

 雅紀さん、この方なら大丈夫です

 そして、現在の長なら ・・・ 

 歪みを正してくれると思います」

 

難しい顔をしてた彼が

やっと笑みを浮かべた

 

「一緒に ・・・ 長に逢いに行きましょう」

 

「はい ・・・ その為のお手伝いをさせて頂きます」

 

相葉さんが涙ぐんだ様に見えた

 

彼が一番聞きたかった言葉は長の言葉

貴方には視えていたのかもしれないね

 

 

 

 

 

<続きます>