アンティークショップ紅玉 (エルフの国編)18 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

城の厨房で作ったカレーライス

何とかカレーっぽくはなった(笑)

 

翔君はお腹が空いていたのか

あっという間に平らげて

美味しいを連発してくれた

 

「蒼のエルフが作るカレーを食べられるなんて

 俺は果報者だね」

そう言ってクスクス笑う

 

「蒼のエルフが作ったって ・・・ 魔法は使ってないよ

 まさか、この国にカレー粉があるとは思わなかったけど

 いや待てよ ・・・ あると言えばあるのか ・・・

 表裏一体の世界、同じものがあって当然か」

 

見馴れた箱に入ったカレー粉というかカレールー

あれはこっちの物か?

 

「何をブツブツ言ってるの?」

不思議そうな顔で訊ねるから

 

「城の厨房にカレー粉が有ったのが ・・・」

そう言って首を傾げると

 

「ふふ ・・・ それはね ・・・ 種明かしをすると

 俺が運んだカレー粉だよ」

ビックリした?って顔で訊ねる

 

「そうだよな ・・・ 見たことあるパッケージだった」

 

「ジュン君、人間界のカレーが大好物らしいよ

 だから、簡単に作るれるレシピをカズナリ君から教えて貰って

 俺がこっちの世界の料理人に教えたの

 その時に持ち込んだカレー粉」

 

それなら、あって当然(笑)

だけど ・・・ ジュンの好物がカレーだったとは

俺は知らない事の方が多いな  ・・・

 

「何で隠してたの?」

 

「え? ・・・ 隠してはないけど

 こっちに来ると食べてたでしょカレーライス」

 

「うん ・・・ それは気を利かせて出してくれてるのかと ・・・」

 

「それもあるけど ・・・ 

 多分 ・・・ 貴方と食べたことを思い出してたんじゃない?

 あっちはみんなが居るから ・・・ 

 そろそろ食べ終わってるかな

 カレーの匂いは食欲増進に役立つでしょ?」

 

翔が期待を込めた顔をして席を立った

期待してる所、申し訳ないが

多分 ・・・ 食べてない ・・・ 今は闇の中だから ・・・

 

 

ワゴンにのせて、ジュンの部屋の前に置いたカレーライス

被せてあった蓋をあげると

さっきのまんま ・・・ ご飯もカレーも残ってた

 

 

「やっぱり食べてないね」

お前が困ったなって顔で呟く

 

「食いたくなきゃ食わなきゃいいんだよ ・・・

 片付けるから ・・・ 過剰に心配しても仕方がない」

 

周りから傅かれて生活してきた

一人で何が出来るのかを知る

良い機会かもしれない

 

「そこまで突き放さなくても良いんじゃない?」

 

ジュンへの負い目があるお前は

アイツに対しては甘い 

 

 

「いや ・・・ 本気で王を退くのであれば

 全部一人で出来なきゃいけないんだ

 腹が減ったら自分で作らなきゃいけない 

 そう言う事を全くしてこなかったから

 平気で部屋に引き籠れる

 どれだけのエルフが彼奴のために働いてるか

 推して知るべきだろ」

 

「それは極論だよ ・・・ 

 王としての重責を考えたら」

 

「考えたら ・・・ そこまで気を回さなくて良い?

 何をしても許される?

 彼奴は一番この国を愛してると思った

 だけど ・・・ さっきの庭を見てどう思った?

 翔はジュンには甘い ・・・ その理由は分かってるよ

 遠慮してるんだ ・・・ サトシも同じ ・・・

 俺は ・・・ そこまで甘くない ・・・」

 

サトシもショーも ・・・ ジュンへの負い目で

アイツの王であるオーラを消すことは出来ない

だから二人とも疲れ切ってる

 

「じゃあ、貴方はどうしたいの?

 そもそも、貴方がこの国の王でしょ」

 

「翔 ・・・ サトシは始祖であるけど王ではない

 その事は分かってるよね?」

 

「分かってるけど ・・・ 玉座が認めた王は蒼のオーラ

 つまりは、未だに認められていないって事じゃないの」

 

紫のオーラ ・・・ 誰よりも光り輝いて

この国の長に相応しいオーラだと思ったけど 

そうじゃないって事か?

 

全ては玉座の意思 ・・・

 

今迄玉座についた王は紫のオーラだったのか?

それを確認しないと ・・・ 

 

「そうか ・・・ 俺が間違ってた ・・・

 そう言う事か ・・・ 翔、玉座の間に行ってくる」

 

「はあ?玉座の間には入れないんじゃないの

 貴方があの場所を閉じる結界を張ったでしょ?」

 

「ああ、張った」

 

「その結界を破るって言うの?

 何も起こらないよね?

 貴方に何か起こるなら

 どんな事をしても反対するよ」

 

もの凄く怖い顔で睨みつけた

 

「玉座の間に居るサトシに会いに行く

 自分で作った結界だから中に入るのは簡単

 何故なら鍵は俺だから

 流石に結界を張り直すのが面倒くさい

 俺の部屋から意識を飛ばす」

 

ジュンのオーラが蒼に変わらなければ

王にはなれない ・・・ 

サトシが強引に王のオーラを紫に変えた

急な変化に玉座が戸惑った ・・・ 

全ては事を急ぎ過ぎた結果出来た歪み

 

「そんなこと出来るの? ・・・

 俺はどうすればいいの?」

 

「やったことはないけど、多分できると思う

 翔は側に居て手を繋いでてくれ

 玉座での会話を聞かせる」

 

「分かった ・・・ もし危ないと思ったら

 貴方を引き戻すからね」

 

「お前と繋がってるんだ何も怖くないよ」

 

ジュンの弱さが引き起こしたわけではない

起こるべきして起こったこと 

 

 

『なあ ・・・ 玉座は最初から反対していたのか?』

ポケットの中の相棒に訊ねる

 

『何を今さら、エルフの王は蒼のオーラ

 それは決まっていた事です

 決めたのはジュン様だと伺っております』

 

『ジュンは蒼のオーラだった?』

 

『はい ・・・ お父上のような蒼のオーラ

 退位されて紫にお戻りになりました

 智 ・・・ 玉座の意思は ・・・』

 

『分かってる ・・・ 全部言わなくて良い』

 

『ならば、何も言いません』

 

 

「ジュン君に声だけ掛けるね」

 

お前がジュンの部屋の扉を叩いて

食事をするように声をかけてた

中から声は聴こえなかった

 

 

 

 

<続きます>