Only love (君と歩く未来)55 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

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大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

「智君、大切人達を連れてきたよ」

 

未だに立ち上がれないオイラの背中に

翔君の優しい声

 

「櫻井君、コイツ泣き過ぎて目が真っ赤なの

 二階に連れてってくれる」

 

「目が真っ赤?」

翔君が心配そうに訊ねる

 

「お前が出かけた後、お母さんに電話したらしい

 その時も目を真っ赤に腫らしてて

 冷たいタオルで冷やして、やっと治したのに

 まただ、どうやら涙腺が壊れてるみたいだぞ

 これじゃあ、仕事にならない

 店は閉める、客が帰るまで代わりに店に出てくれる?」

 

 

「喜んで代わります

 積もる話もあるだろうから

 それに俺は邪魔だと思いますから

 智君、行こうか」

 

翔君はオイラの側まで来て

優しく立ち上がらせてくれた

 

「会いたかった二人でしょ?」

オイラ黙ったまま何度も頷いた

 

「相葉君、二宮君、先に二階で

 3人で話したいでしょ?」

 

二人の顔が真っ直ぐ見れない ・・・

ごめんね ・・・ 心配ばかりかけて ・・・

何度も泪を拭っても、後から後から零れてくる

 

「そうですね、言いたい事が山ほどありますから

 ここじゃ拙いです」

 

ニノ ・・・ ちょっと怒ったような拗ねた声

 

「大ちゃん、覚悟してね」

少しだけ茶目っ気のある相葉ちゃんの声

 

相葉ちゃんがオイラの背中にそっと触れて

「翔ちゃん、大ちゃんの事少しだけ借りるね」

そう言って階段に向かった

 

二階に上がるなり

相葉ちゃんがオイラに抱き付いた

 

「もう、心配したんだよ ・・・

 大ちゃん、お店を守ってくれてありがとう

 気が付けなくてごめんね」

涙脆い相葉ちゃんが鼻をグスグスし始めた

 

相葉ちゃんが泣いたら、オイラ止まらないじゃん

 

「二人ともそこに座って下さい」

ニノが怖い顔でオイラ達を睨んだ

 

オイラが叱られるのは分かるけど

なんでか相葉ちゃんまで殊勝な顔して

オイラの横に座った

 

「ニノ ・・・ 相葉ちゃん ・・・ 

 オイラ ・・・ 意気地なしだった ・・・

 自分の事だけ考えてた ・・・ ごめん」

 

「そうですよ、何も言わずに姿を消すなんて ・・・

 何年付き合って来たと思ってるの?

 櫻井さんよりも長いんだよ

 水臭いったらありゃしない

 どれだけ、俺達が悲しかったか分かりますか?

 何でも話して来たでしょ?

 櫻井さんに言えないことだって ・・・ 違いますか?」

 

うん、独りぼっちのオイラをずっと支えてくれてた

 

「違わない ・・・ 2人はオイラの家族だもん ・・・

 だから ・・・ 悲しい思いして欲しくなかった

 笑ってて欲しかったから ・・・」

 

「そこが違うでしょ

 俺達を家族だと思っててくれたのなら

 その選択が間違ってるって思わなかった?

 大切な家族がいなくなったら

 どれだけ悲しい思いをするかわかるはず

 貴方がいないのに笑える訳ないでしょ」

 

ニノの瞳に泪がいっぱい浮かんでて

その一筋がポロリと流れ落ちた

 

「淋しかった ・・・ 皆に逢えなくて

 話が出来なくて ・・・ 笑えなかったよ ・・・

 泣いてばかりいた

 ニノの、相葉ちゃんの声が聴きたいなって思った」

 

本当だよ、いつもそっと寄り添っててくれた二人の存在

こんなに大きい物だって気が付かせてくれた

 

「ニノ ・・・ あんまり大ちゃんを責めないであげて

 いっぱい考えて、泣いて ・・・ 

 だからこんなに痩せちゃったんだ ・・・」

相葉ちゃんがオイオイ泣き出した

 

「相葉さん、貴方は甘すぎるんです

 ここはビシッと言わないと

 なあなあで許したら、大野さんが苦しむんですよ

 俺は敢えて厳しい事を言わせて貰います」

 

ニノは優しい ・・・ ちゃんと怒ってくれるから

相葉ちゃんも優しい、俺を包み込もうとしてくれるから 

 

「じゃあ俺も言うね

 大ちゃんがいなくなって、いっぱい泣いたよ

 店の事を聞いた時、申し訳ないって思った

 俺、能天気だったね、全然気が付かなかった ・・・ 

 何で言ってくれなかったの?

 その後の事も、翔ちゃんに言えないなら

 俺達に言って欲しかった

 そうやって、3人で助け合って来たじゃん ・・・

 それが ・・・ 一番悲しくて ・・・ 悔しかった 

 突然姿を消すなんて、もっての外だよ

 探し回ったよ ・・・ 大ちゃんの事 ・・・ 

 どこにも居なくて ・・・ 途方に暮れたんだ ・・・」

 

相葉ちゃんが、思い出したように辛そうな顔をする

 

「『Friendship』はオイラ達の宝物でしょ

  だから ・・・ あの場所だけは笑顔の溢れる場所のままで

 そう思ってた ・・・ オイラが悲しませる事したのに

 そこまで気が回らなかったんだ ・・・」

 

「あの店は3人、いや4人のお店なんだよ

 最近もう一人増えたから、5人のお店だけど

 やっと、全員揃うね ・・・ 帰って来て、あの店に」

 

相葉ちゃんが泣きながら笑う

オイラただ頷いた

 

「相葉さん、一人で完結させないで下さい

 そもそも事の発端は、貴方がお店の事を黙ってた事ですから

 あの時、俺達に相談してくれていれば

 大野さんが間違った選択をしなかった

 売られた喧嘩を、俺達で買えなくなったんですよ

 言ってくれていれば、一緒にファイティングポーズ出来たんです」

 

ニノが相葉ちゃんに向かって

懇々と説明する

泣き顔の相葉ちゃんがさっきより小さく見える

ごめん、とばっちりだね ・・・

 

「ニノ、それは違う相葉ちゃんは悪くないんだ

 あの頃はみんな忙しかったから、言えなかったんだ

 オイラが意気地なしだった、嫌われたくなかったんだ」

 

ニノが大きく溜息をついて

 

「俺が一番蚊帳の外にいたんです 

 どれだけ悔しかったか分かりますか?

 側にいても何もできなかった ・・・

 そんなに俺は頼りなかった?」

 

「違う ・・・ 違うよ ・・・ ニノが居てくれたから

 だから、一人で ・・・ あの場所を離れようって ・・・」

 

「俺が一番、しっかりしてるって思ってた?

 どれだけ泣いたか分かる?

 大野さんが居ない ・・・ 話したくても

 声が返ってこないんだ ・・・

 大野さんのバカ ・・・ 全然分かってないじゃん

 貴方が初めてだったんですよ

 俺の事を親友だって言ってくれた人

 誰よりも付き合いが長いのは俺でしょ?」

 

ニノが ・・・ ニノが ・・・ 泪をボロボロ流してる ・・・

 

「ニノね、ずっと俺達の前で泣くの我慢してた

 大ちゃんの前だから泣けるんだね

 うん、そうだったね ・・・ 俺が後に知り合ってる 

 初めて二人に会った時、兄弟だって思った

 仲のいい兄弟だって ・・・ 

 だからなんだ、大ちゃんはニノにだけは言えなかった

 心配させるから ・・・ ニノは特別なんだよ」

 

オイラ、思いっきりニノに抱き付いた

 

「ニノ ・・・ ごめんね ・・・ 

 オイラを許してくれる?」

 

「約束して ・・・ 何も言わないで消えないって

 困ったことが有ったら相談してくれるって ・・・」

 

ニノが泣きじゃくって、オイラの肩に顔を埋めた

 

「うん ・・・ 約束する ・・・

 これからも、オイラが間違ったら怒っていいから 

 ニノは ・・・ オイラの弟だもん ・・・」

 

泪でクシャクシャになった顔 ・・・

お互いの顔を見て吹き出した

 

「酷い顔ですね」

ニノが泣きながら笑う

 

「ニノも ・・・」

オイラも泣きながら笑う

 

「ねえ、俺も混ぜて」

 

相葉ちゃんが泣きながら笑って

俺達に抱きついた

 

 

「大野さん、一緒に帰りましょう」

 

「そうだよ ・・・ 一緒に帰ろう」

 

オイラ二人から離れて

泪を拭いて、真面目な顔で二人を見つめた

これはオイラが言わなきゃいけない事だから

 

「ニノ、相葉ちゃん

 もう一度『Friendship』の一員に加えてください

 二度と、勝手に船から降りない

 約束するから ・・・ お願いします」

そう言って、頭を下げた

 

 

「大ちゃん頭を上げて

 それにね、一度も降りてないでしょ」

「そうですよ、誰も下船の許可降ろしてませんから

 勝手に降りた気にならないでください」

 

2人が嬉しそうに笑う 

 

 

「二人とも ・・・ ありがとう ・・・」

もうダメだ ・・・ 嬉しくて嬉しくて泪が止まらない

 

 

 

 

 

大切な大切な2人が側に来てくれた

 

 

 

 

<続きます>