Carry on 13 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

危惧してた事が起こってた

正義感の強い君の事

彼を助ける為なら自分を犠牲にする

 

「マサキ、分かった?

 この状況を作った原因はお前なんだ

 地上は、自分達の力で成長していく

 だからこそ美しく素晴らしいんだ

 華やかだけの天上とは違う

 神の力など必要ない ・・・」

 

凍えるような冬の季節を越え

温かい春を迎える

 

眠りに就いていた生き物が一斉に起き始める

樹々は、大きく伸びをするように花を咲かせ葉を茂らせる

その様は目を見張るほど美しい

 

滴る汗をぬぐいながら暑い季節を越え

実りの季節を迎える

また凍える冬を越すために冬支度を始める

 

彼らが生きる世界は彼らだけのも ・・・

喜びも悲しみも全て彼らの物なんだ ・・・

 

天上が介入してはいけない

 

 

「サトシ ・・・ 浅はかだった ・・・

 こんな大騒動になるなって考えていなかった

 俺は、彼が喜ぶ顔が見たかった

 泣き顔を見たかったんじゃない」

 

マサキが泣きそうな顔で呟く

 

「地上に足が着いた瞬間、お前は人となる

 天上の記憶も、彼への想いも消えてなくなる

 一つだけ、俺の頼みを聞いてもらう

 今からその言葉を刻み付ける

 お前の意志に関係ない言葉 

 それが最後の仕事」

 

マサキがした事は

マサキでしか消せない

俺が手を下したら、この街全てが枯れ果てる

 

「マサキ ・・・ あの神の庭を消滅させて

 あれはお前が蒔いた種 ・・・ 自分で刈り取れ

 あの畑 ・・・ 二度と作物は実らない ・・・」

 

君の大切な畑を消してしまう

収穫に汗しながら、喜びを分かち合ってた顔

あの笑顔 ・・・ もう見ることはできない ・・・

 

マサキは意識を集中して

神の庭を消した

 

「マサキ ・・・ 元気で ・・・

 彼の元に急げ ・・・ さよなら」

 

「サトシ ・・・ ありがとう

 さよなら」

 

マサキは泣きそうな顔で微笑んで

大きく頷いて、天を仰いだ

それから、ゆっくりと大地に足を降ろした

 

 

「神の庭が枯れてしまった」

 

俺が刻みつけた言葉を発して

愛しい人の元に走って行った

 

 

君を救うよ ・・・ 俺の宝物 ・・・

この世界が君の命を奪うなら

奪われる前に俺の傍に

 

「サトシ様、お手伝いします」

風の妖精が呟く

 

「俺は力を使えない

 使ったら、この街ごと吹っ飛んでしまう」

 

「ふふ ・・・ 貴方の力なら

 街どころか国ごと吹っ飛んでしまう

 では、どうすればいいのですか?」

 

「あの捕らえられた彼の回りに、つむじ風を起してくれ

 彼を周りから見えないようにして欲しい」

 

「それくらいなら簡単です

 それだけでいいのですね?」

 

「ああ、 それだけでいい

 一瞬でいい、瞬きをするくらいの短さだ」

 

「畏まりました ・・・ 

 言っておきますが、これは貴方の意思ではない

 私の気まぐれ、問題にはならないでしょう」

 

「気紛れ ・・・ 優しい言葉だ

 ありがとう」

 

いえ ・・・ 貴方は私たちの希望 ・・・

 

 

君を攫いに行く

どうか、僕の手を掴んで

 

「ショー ・・・ 手を掴め」

 

その声に気付いた君が

躊躇うことなく俺の手を掴んだ

そのまま、思いっきり引き寄せた

 

 

初めて触れる君の掌

君の体温が、俺の体に流れ込んできた

 

 

 

 

 

<続きます>